第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
電力 問27
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 電力 問27 (訂正依頼・報告はこちら)
各種の発電に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
- 燃料電池発電は、水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。化学反応で発生する熱は給湯などに利用できる。
- 貯水池式発電は水力発電の一種であり、季節的に変動する河川流量を貯水して使用することができる。
- バイオマス発電は、植物などの有機物から得られる燃料を利用した発電方式である。さとうきびから得られるエタノールや、家畜の糞から得られるメタンガスなどが燃料として用いられている。
- 風力発電は、風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風力発電で取り出せる電力は、損失を無視すると、風速の2乗に比例する。
- 太陽光発電は、太陽電池によって直流の電力を発生させる。需要地点で発電が可能、発生電力の変動が大きい、などの特徴がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
水素と酸素を化学反応させて直流電力を取り出すのが燃料電池発電です。また、発電時の化学反応によって発生する熱を回収して給湯用の湯を作ります。
2.正しい
貯水池式発電は、河川をダムでせき止め、ダムに溜まった水を発電用に利用します。雪解けや梅雨、台風など、水が豊富な時期に貯水するので、年間を通して安定した発電が可能となります。
3.正しい
バイオマス発電は、生物から作り出される有機性のエネルギー資源(バイオマス燃料)を利用します。バイオマス燃料を直接燃焼させたり、バイオマス燃料を熱処理することでガス化して燃焼させたり、バイオマス燃料を発酵させるなど生物化学的にガスを発生させて燃焼させたり、これら燃焼によるエネルギーで発電します。
4.誤り
風力発電の発電量は、風速の3乗に比例します。
質量M[kg]の物質(ここでは空気)が速度V[m/s]で運動しているときの運動エネルギーE[J]は
E=1/2×MV²[kg・m²/s²]
1秒間に風車を通過する空気の体積は、風車が風を受ける面積をS[m²]、空気の速度V[m/s]とすると、空気は1秒間にV[m]進むので、
SV[m³]
空気の密度をρ[kg/m³]とすると、1秒間に風車を通過する空気の質量は、M[kg]とすると、
M=ρSV[kg]
この質量Mの式を最初の運動エネルギーEの式に代入すると、
E=1/2×ρSVV²=1/2×ρSV³[kg・m²/s²]
となり、風速の3乗(V³)に比例することが分かります。
5.正しい
太陽光発電は、太陽からの光エネルギーが太陽電池に照射されることによって光起電力が発生します。設置場所を選ばず、電気が必要な場所に設置できます。しかし、夜間は発電できないことや、日中でも天候によって発電量が大きく変化するといったデメリットもあります。
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02
風力発電の電力は
1/2× 空気の密度ρ × 受風した面積A × 風速の3乗
この式から求めることができます。
これは運動エネルギーの式を変形したものです。
式から風速の3乗に比例している部分が誤りとなります。
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03
各種発電に関する問題です。
正しい。
問題文の通りです。
正しい。
問題文の通りです。
正しい。
問題文の通りです。
誤り。
風力発電で取り出せる電力は、
風速の3乗に比例します。
【導出方法】
質量m「kg」、風速v[m/s]とすると、運動エネルギーW[J]は次式で表されます。
W=1/2×mv2
これを変形すると次式となり、風速の3乗に比例することが分かります。
E=1/2×(ρ×A×v)×v2
=1/2×ρ×A×v3
E:電力[W]
ρ:空気の密度[kg/m3]
A:受風面積[m2]
正しい。
問題文の通りです。
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