第三種電気主任技術者の過去問
令和元年度(2019年)
機械 問49

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和元年度(2019年) 機械 問49 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、電気機器の損失に関する記述である。

a  コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱が( ア )であり、この損失を低減するため、コイルを構成する電線の断面積を大きくする。
交流電流が並列コイルに分かれて流れると、並列コイル間の電流不平衡からこの損失が増加する。この損失を低減するため、並列回路を構成する各コイルの鎖交磁束と抵抗値、すなわち、各コイルのインピーダンスを等しくする。
b  鉄心に交流磁束が通ると損失が発生する。その成分は( イ )と( ウ )の二つに分類される。前者は、交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れてジュール熱として発生する。そこで、電気抵抗が高い強磁性材料や、表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した積層鉄心を磁気回路に用いて、電流の経路を断つことで損失を低減する。後者は、鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この( ウ )を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。
c  上記の電磁気要因の損失のほか、電動機や発電機では、回転子の運動による軸受け摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などの( エ )がある。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • ( ア )銅損  ( イ )渦電流損  ( ウ )ヒステリシス損  ( エ )機械損
  • ( ア )鉄損  ( イ )抵抗損  ( ウ )ヒステリシス損  ( エ )銅損
  • ( ア )銅損  ( イ )渦電流損  ( ウ )インダクタンス損  ( エ )機械損
  • ( ア )鉄損  ( イ )機械損  ( ウ )ヒステリシス損  ( エ )銅損
  • ( ア )銅損  ( イ )抵抗損  ( ウ )インダクタンス損  ( エ )機械損

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

ア、コイル電流とコイル抵抗によるジュール熱が銅損である

イ・ウ、鉄心に交流磁束が通ると渦電流損とヒステリシス損が発生する。

渦電流損は、鉄心を通る磁束が時間的変化することにより生じた起電力で渦電流が流れることにより発生する。

ヒステリシス損は鉄針が磁化を周期的に繰り返すことで発生する損失です。

エ、回転子の運動による軸受摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などを合わせて機械損という

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02

正しい組み合わせは、1番です。

(ア)
電気機器の損失として、コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱は「銅損」です。電流の2乗に比例します。

(イ)
鉄心に交流磁束が通ると発生する損失は「渦電流損」とヒステリシス損です。(イ)は問題文中に「前者は、交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れてジュール熱として発生する。」とありますので、これに該当するのは「渦電流損」になります。

(ウ)
全問(イ)と同様、鉄心に交流磁束が通ると発生する損失は、渦電流損と「ヒステリシス損」です。(ウ)は問題文中に「後者は、鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この( ウ )を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。」とありますので、これに該当するのは「ヒステリシス損」になります。ヒステリシスループの面積を小さくすることで、ヒステリシス損を小さくすることが出来ます。

(エ)
回転子の運動による軸受け摩擦損や、冷却ファンの空気抵抗による損失などは「機械損」になります。

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