第三種電気主任技術者の過去問
令和元年度(2019年)
機械 問59

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和元年度(2019年) 機械 問59 (訂正依頼・報告はこちら)

図は直流昇圧チョッパ回路であり、スイッチングの周期をT[s]とし、その中での動作を考える。ただし、直流電源Eの電圧をE0[V]とし、コンデンサCの容量は十分に大きく出力電圧E1[V]は一定とみなせるものとする。
半導体スイッチSがオンの期間Ton[s]では、EーリアクトルLーSーEの経路とC一負荷RーCの経路の二つで電流が流れ、このときにLに蓄えられるエネルギーが増加する。Sがオフの期間Toff[s]では、EーLーダイオードDー(CとRの並列回路)ーEの経路で電流が流れ、Lに蓄えられたエネルギーが出力側に放出される。次の問に答えよ。

この動作において、Lの磁束を増加させる電圧時間積は( ア )であり、磁束を減少させる電圧時間積は( イ )である。定常状態では、増加する磁束と減少する磁束が等しいとおけるので、入力電圧と出力電圧の関係を求めることができる。

上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • ( ア )E0・Ton  ( イ )(E1 - E0)・Toff
  • ( ア )E0・Ton  ( イ )E1 ・Toff
  • ( ア )E0・T  ( イ )E1・Toff
  • ( ア )(E0 - E1)・Ton  ( イ )(E1 - E0)・Toff
  • ( ア )(E0 - E1)・Ton  ( イ )(E1 - E0)・T

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この過去問の解説 (2件)

01

各状態において、どこにどのような電圧がかかっているかを理解することが解法のポイントです。

ア、Lの磁束を増加させるのはLに電圧がかかり、Lにエネルギーが蓄えられる時です。題意よりLにエネルギーが蓄えられるのはTonの時で、E-L-S-Eの回路に電流が流れる時なのでLにかかる電圧はE0。

したがって電圧時間積はE0Ton

イ、Lの磁束を減少させるのはLに蓄えられたエネルギーが放出される時、すなわちToffの時です。

この時電流はE-L-D-CとRの並列回路-Eに流れ、Lにかかる電圧はE0-E1で表される。

したがって電圧時間積は(E0-E1)Toff

正解は1です。

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02

正しい組み合わせは、1番です。


(ア)
Lの磁束を増加させる電圧時間積を聞かれています。

まず時間については、Lが充電している時間となります。これは半導体スイッチSがonで電源Eから直接、Lのみに電流が流れ続けている時間になります。つまり、Ton[s] です。

次に電圧についてですが、Ton[s]の期間中にLに加わる電圧はEo[V] です。

従って、Lの磁束を増加させる電圧時間積は、

「Eo*Ton」

となります。


(イ)
Lの磁束を減少させる電圧時間積を聞かれています。

まず時間については、Lが放電している時間となります。これは半導体スイッチSがoffで、Lに充電されたエネルギーが電流として放出されている時間になります。つまり、Toff[s] です。

次に電圧についてですが、Toff[s]の期間中にLに加わる電圧はE1-Eo[V] です。

従って、Lの磁束を減少させる電圧時間積は、

「(E1-Eo)*Toff」

となります。

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