第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和2年度(2020年)
問22 (理論 問22)
問題文
ただし、IB[µA]、lC[mA]はそれぞれベースとコレクタの直流電流であり、ib[µA]、ic[mA]はそれぞれの信号分である。また、VBE[V]、VCE[V]はそれぞれベース−エミッタ間とコレクタ−エミッタ間の直流電圧であり、vbe[V]、vce[V]はそれぞれの信号分である。さらに、vi[V]、vo[V]はそれぞれ信号の入力電圧と出力電圧、VCC[V]はバイアス電源の直流電圧、R1[kΩ]とR2[kΩ]は抵抗、C1[F]、C2[F]はコンデンサである。なお、R2=1kΩであり、使用する信号周波数においてC1、C2のインピーダンスは無視できるほど十分小さいものとする。
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
下記トランジスタの動作点において、図1の回路に交流信号電圧viを入力すると、最大値10µAの交流信号電流ibと動作点での直流電流IB(30μA)の和がベース(B)に流れた。このとき、図2の出力特性を使って求められる出力交流信号電圧v0(=vce)の最大値[V]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。
ただし、動作点付近においてトランジスタの出力特性は直線で近似でき、信号波形はひずまないものとする。
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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和2年度(2020年) 問22(理論 問22) (訂正依頼・報告はこちら)
ただし、IB[µA]、lC[mA]はそれぞれベースとコレクタの直流電流であり、ib[µA]、ic[mA]はそれぞれの信号分である。また、VBE[V]、VCE[V]はそれぞれベース−エミッタ間とコレクタ−エミッタ間の直流電圧であり、vbe[V]、vce[V]はそれぞれの信号分である。さらに、vi[V]、vo[V]はそれぞれ信号の入力電圧と出力電圧、VCC[V]はバイアス電源の直流電圧、R1[kΩ]とR2[kΩ]は抵抗、C1[F]、C2[F]はコンデンサである。なお、R2=1kΩであり、使用する信号周波数においてC1、C2のインピーダンスは無視できるほど十分小さいものとする。
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
下記トランジスタの動作点において、図1の回路に交流信号電圧viを入力すると、最大値10µAの交流信号電流ibと動作点での直流電流IB(30μA)の和がベース(B)に流れた。このとき、図2の出力特性を使って求められる出力交流信号電圧v0(=vce)の最大値[V]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。
ただし、動作点付近においてトランジスタの出力特性は直線で近似でき、信号波形はひずまないものとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
問題文より、
この回路において、VCE = 1/2 × VCC = 6 [V]の動作点で、交流信号電圧 Vi を入力すると、 交流信号電流 ib = 10 [μA] (最大値)と、直流電流 IB = 30 [μA] の和がベース(B)に流れます。
図2のトランジスタの出力特性より、
ibが±10 [μA]変化するとき、icは±2.0 [mA]変化します。
出力交流信号V0は、V0 = VCEであり、抵抗R2での電圧降下が変化した分になります。
これよりV0の最大値 V0maxは、下記の式で求めることができます。
V0max = ic × R2
= (2.0 × 10-3) ×(1 × 103)
= 2.0 [V]
よって、正解は 3 の「2.0」となります。
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02
「前問」より、ベース電流 IB = 30 μA です。
本問では、ベース電流IB に対して最大値10 μAの交流信号電流が付随し、
その和がベースに流れます。
よって、和の最大値は40 μA、最小値は20 μA といえます。
図2で与えられる特性より、
動作点より、ベース電流が上記幅で変動する場合、
電圧VCE+交流電圧の和は振幅2Vで変動することがわかります。
(図示すると理解しやすいです。)
トランジスタの動作点は VCE = 6 V と与えられていることから、
出力交流信号電圧 V0の最大値は 2V と表せます。
以上より、[3]が正解です。
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03
前問からの続きとなります。
今回はトランジスタ回路に交流信号電圧viを入力したときの出力電圧v0(=vce)の最大値[V]を選択する問題です。
問題図2に前問で求めた負荷線を記載した図を以下に記します。
上記図は前問で求めた動作点Pを中心にしてベース電流IB=40μAの時の動作点P´とIB=20μAの時の動作点P´´を結んだ負荷線となります。
問題文よりベース電流は交流信号電流ib=10µAと直流電流IB=30μAの和となります。その中で交流信号電流ibについては一定値ではなく変動値となります。よって上限値と下限値は以下のようになります。
・上限値=30+10=40[µA]=P´
・下限値=30-10=20[µA]=P´´
上記で求めた動作点の値からP´とP´´の電圧VCE(vce)をグラフから読み解くと次のようになります。
・VCE(vce)P´=4[V]
・VCE(vce)P´´=8[V]
以上の結果より、8[V]が最大値となりますが、ここで問題図1に着目すると結合コンデンサC1、C2が接続されています。
このコンデンサは直流成分を取り除き交流成分のみを取り出す役割があります。なので8[V]の値から直流電圧VCEを引いた値がこの問題の解答となります。
・VCE=VCC-V2=12-6=6[V]
出力交流信号電圧v0(=vce)=8-6=2[V]
以上となります。
こちらが適切な解答となります。
問題図のような回路をバイアス回路と呼び、常時ベース電流を流し続ける特性があります。
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