第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
電力 問3

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 電力 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせたコンバインドサイクル発電方式を、同一出力の汽力発電方式と比較した記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
  • 熱効率が高い。
  • 起動・停止時間が短い。
  • 蒸気タービンの出力分担が小さいので、復水器の冷却水量が少ない。
  • 最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
  • 大型所内補機が多いので、所内率が大きい。

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この過去問の解説 (2件)

01

コンバインドサイクル発電方式の特徴に関する問題です。

選択肢1. 熱効率が高い。

ガスタービンの排熱を再利用するため、

熱効率は高くなります。

選択肢2. 起動・停止時間が短い。

蒸気タービンの使用水量が少ないので保有水量が少なく、

起動停止時間が短いです。

選択肢3. 蒸気タービンの出力分担が小さいので、復水器の冷却水量が少ない。

蒸気タービンの出力分担が小さく使用水量が少ないので、

復水器の冷却水量も少なくなります。

選択肢4. 最大出力が外気温度の影響を受けやすい。

気温が上がり空気が膨張すると、

ガスタービン入口の空気密度が下がり投入できる燃料が減るため、

最大出力が低下します。

近年ではミスト水噴霧装置をガスタービン吸気口に設置して、

温度上昇による出力低下を抑える対策が取られています。

選択肢5. 大型所内補機が多いので、所内率が大きい。

コンバインドサイクル発電は汽力発電に比べて、

環境対策設備などの大型所内補機が少ないため、

所内率は小さくなります。

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02

コンバインドサイクル発電方式はガスタービンで発電を行った後、その排気ガスを利用して汽力発電を行います。

同一出力の汽力発電方式と比較した主な特徴は以下となります。

①熱効率が高い

・ガスタービンの排気ガスを有効利用するため、熱効率は50~60%程となります。(汽力発電は40%程度)

起動・停止時間が短い

・急速起動停止が可能なガスタービンと小型の蒸気タービンの組合せなので起動・停止時間は短くなります。

③復水器の冷却水量が少ない

・蒸気タービンの出力が分担され復水器にかかる負荷が少ないので冷却水量も少なくなります。

④外気温度の影響を受けやすい

・ガスタービンと同様に、外気温度が上がると密度の低下した空気を吸入することになり吸い込む空気量が少なく、空気の圧縮量も減少します。

⑤建設費が安価で設備が比較的単純

・ガスタービンと同様に、設備が比較的少なく運転操作が簡単。尚且つ建設費を安く抑える事が出来ます。

以上を踏まえた上で、各選択肢を見ていき誤った記述を選択したいと思います。

選択肢1. 熱効率が高い。

冒頭①よりこの記述は適切です。

選択肢2. 起動・停止時間が短い。

冒頭②よりこの記述は適切です。

選択肢3. 蒸気タービンの出力分担が小さいので、復水器の冷却水量が少ない。

冒頭③よりこの記述は適切です。

選択肢4. 最大出力が外気温度の影響を受けやすい。

冒頭④よりこの記述は適切です。

選択肢5. 大型所内補機が多いので、所内率が大きい。

冒頭⑤の記述より、設備の構造が比較的少ないので所内率は小さくなります。よってこの記述は不適切となります。

まとめ

コンバインドサイクル発電の特徴に関する問題は頻出しているので、繰り返しの学習で訓練することをお薦め致します。

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