第三種電気主任技術者（電験三種） 過去問
令和5年度（2023年）上期
問71 (法規 問7)

この問題は分散型電源に関する問題です。

分散型電源とは事業用の電気工作物を営む者以外の者が設置する発電設備などで、一般送配電事業者(いわゆる電力会社)が運用する電力系統に連系するものです。近年、高圧連系の代表でいえば太陽光発電、風力発電などがあり低圧で言えば家庭用の太陽光発電などがあります。急速に増加している反面、事故も増えています。

各空白箇所は次のようになります。

（　ア　）‥負荷

・分散型電源の特徴の一つとして、気候の影響による負荷の変動が激しい事があげられます。なので不平衡が生じやすいです。よって(ア)は負荷が該当します。ちなみに電源側(電力会社側)も事故等で不平衡が生じ、構内(負荷側)に影響を与えることもあります。

（　イ　）‥系統側

・3極に過電流引外し素子を有する遮断器を施設するのは、負荷の不平衡と発電電力の逆潮流によって中性線に負荷以上の過電流が生じ、中性線に過電流検出素子がないと過電流の検出ができないからです。よって負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側となります。

（　ウ　）‥逆潮流

・逆潮流とは分散型電源から一般送配電事業者(電力会社)が運用する電力系統へ向かう有効電力の流れです。問題文より逆変換装置(インバーター)を用いずに連系する際は逆潮流を生じさせてはいけません。これは分散型電源から発電した直流電流が交流電流の系統側に流れるからです。

（　エ　）‥配電用変圧器

・高圧連系の施設要件として分散型電源を連系する配電用変電所の配電用変圧器で逆向きの潮流を生じさせないようにする事と規定されています。よって(エ)は配電用変圧器が該当します。

この問題のポイントは、「分散型電源の低圧および高圧連系時の施設要件」です。
電気設備技術基準の解釈に基づき、分散型電源の連系条件を正確に理解することが求められます。