第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)下期
法規 問10

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 法規 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、計器用変成器の変流器に関する記述である。
その記述内容として誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
  • 変流器は、一次電流から生じる磁束によって二次電流を発生させる計器用変成器である。
  • 変流器は、二次側に開閉器やヒューズを設置してはいけない。
  • 変流器は、通電中に二次側が開放されると変流器に異常電圧が発生し、絶縁が破壊される危険性がある。
  • 変流器は、一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので、電流計の選択には注意が必要になる。
  • 変流器の通電中に、電流計をやむを得ず交換する場合は、二次側端子を短絡して交換し、その後に短絡を外す。

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この過去問の解説 (2件)

01

計器用変成器の変流器とは大電流を小電流に変換する機器であり、受変電設備の測定用の電流計を接続する際に用いられます。

この問題ではその変流器に対して誤った記述を選択する問題となります。

各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 変流器は、一次電流から生じる磁束によって二次電流を発生させる計器用変成器である。

変流器は一次側の導体に電流を流すと磁束が発生し鉄心中を通り、変流器二次側の巻線を貫くと誘導起電力が発生し電流が流れます。よってこの記述は適切です。

選択肢2. 変流器は、二次側に開閉器やヒューズを設置してはいけない。

変流器の二次側を開放してしまうと、二次側に大きな電圧が発生し機器を焼損する恐れがあります。なので二次側に開閉器やヒューズを設置してはいけません。よってこの記述は適切です。

選択肢3. 変流器は、通電中に二次側が開放されると変流器に異常電圧が発生し、絶縁が破壊される危険性がある。

変流器は絶対に通電中に二次側を開放してはいけません。二次側を開放すると電流が流れず、磁束も発生しないので、磁気飽和が起き鉄損が大きくなると共に異常電圧が発生します。よってこの記述は適切です。

選択肢4. 変流器は、一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので、電流計の選択には注意が必要になる。

変流器の変流比はコイルの巻線比によって変化します。二次側の抵抗値の影響は受けないのでこの記述は不適切です。

選択肢5. 変流器の通電中に、電流計をやむを得ず交換する場合は、二次側端子を短絡して交換し、その後に短絡を外す。

変流器は常に低インピーダンスの負荷を接続(短絡)し、二次側を開放してはいけません。やむを得ない場合は二次側端子を短絡して交換し、その後に短絡を外す事となります。よってこの記述は適切です。

まとめ

変流器の二次側の開放は厳禁です。これだけでも覚えて頂ければ幸いです。

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02

この問題は、計器用変成器のうちの変流器に関する問題で、

変流器の特徴について誤っているものを選択する問題です。

選択肢1. 変流器は、一次電流から生じる磁束によって二次電流を発生させる計器用変成器である。

問題文の通りです。

選択肢2. 変流器は、二次側に開閉器やヒューズを設置してはいけない。

問題文の通りです。

選択肢3. 変流器は、通電中に二次側が開放されると変流器に異常電圧が発生し、絶縁が破壊される危険性がある。

問題文の通りです。

選択肢4. 変流器は、一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので、電流計の選択には注意が必要になる。

変流器の一次二次のの巻数比と変流比には以下のような関係があります。

 

N1/N2=I2/I1

 

この関係式から、変流比は巻数比によって変化するということが分かります。

 

問題文にある「二次側の抵抗値で変流比が変化する」ということはありません。

選択肢5. 変流器の通電中に、電流計をやむを得ず交換する場合は、二次側端子を短絡して交換し、その後に短絡を外す。

問題文の通りです。

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