技術士の過去問
平成28年度(2016年)
基礎科目「設計・計画に関するもの」 問1
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問題
技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 基礎科目「設計・計画に関するもの」 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
下図に示される左端から右端に情報を伝達するシステムの設計を考える。図中の数値及び記号Xは、構成する各要素の信頼度を示す。また、要素が並列につながっている部分は、少なくともどちらか一方が正常であれば、その部分は正常に作動する。ここで、図中のように、同じ信頼度Xをもつ要素を配置することによって、システムAのシステム全体の信頼度とシステムBのシステム全体の信頼度が同等であるという。このとき、図中のシステムA及びシステムBのシステム全体の信頼度として、最も近い値はどれか。
- 0.857
- 0.839
- 0.822
- 0.805
- 0.787
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この過去問の解説 (3件)
01
信頼度について問う問題です。
信頼度は、機器等が正常に機能する確率を表しています。
信頼度0.9の回路では、10回中9回は正常に機能し、1回は故障することになります。
また故障する確率に着目し、信頼度0.9のことを、不信頼度0.1と表すこともあります。
機器等を複数つないだ時の信頼度は、次のようになります。
直列の場合:個々の機器等の信頼度の積
並列の場合:1-個々の機器等の不信頼度の積
※以下計算式では、aのb乗をa^bと表記しています。
システムA全体の信頼度を求めると
0.900 × ( 1 – (1-X)(1-X) ) × 0.900 = -0.810X^2 + 1.620X …①
システムB全体の信頼度を求めると
X × 0.950 × X = 0.950X^2 …②
①、②が等しいことから、
-0.810 X^2 + 1.620X = 0.950X^2
(0.950 + 0.810)X^2 – 1.620X = 0
X( 1.760X – 1.620) = 0
Xが0という設計をすることは考えられないので、
1.760X – 1.620 = 0
したがって X= 1.620 / 1.760 ≒ 0.9205
②にXの値を代入して、システム全体の信頼度を求めると、
0.9205^2 * 0.950 = 0.805
以上から、4が正解です。
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02
<正解>4
[解説]
システムの信頼度に関する問題です。
システムAのXの部分は、
Xの部分のいずれか1つが作動しなくてもシステム全体が作動するため、
この部分を「並列システム」といいます。
この並列システムの信頼度は「1-{(1-信頼度)の積}」で表されます。
システムBのようなシステムは、
Xの部分のいずれか1つが作動しないとシステム全体が作動しないため、
「直列システム」といいます。
この直列システムの信頼度は、「信頼度の積」で表されます。
ここで、システムA全体の信頼度を計算すると
0.90 × {(1-(1-X)×(1-X)} × 0.90
= 1.62X - 0.81X²
となります。
なお、システムAはXの部分を1つの要素とみると、
システムA全体は、直列システムとなります。
また、システムB全体の信頼度を計算すると
X × 0.95 × X
= 0.95X²
となります。
本問では、システムAの全体の信頼度とシステムB全体の信頼度とが同等であることから、
1.62X - 0.81X² = 0.95X²
1.76X² - 1.62X = 0
1.76X (X - 0.9205) = 0
信頼度はX>0となることから、
X ≒ 0.9205
となります。
これをシステムの信頼度はシステムBに代入すると、
0.9205² × 0.95 ≒ 0.805
となります。
よって、答えは、「4.」となります。
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03
直列システムの信頼度は、「信頼度の積」で表されます。
並列システムの信頼度は、「1-{(1-信頼度)の積}」で表されます。
上記を踏まえ、各システムの信頼度を計算します。
<システムA>
0.90 × {(1-(1-X)×(1-X)} × 0.90 = 1.62X - 0.81X²
<システムB>
X × 0.95 × X = 0.95X²
システムAとシステムBの信頼度は同等なので、
1.62X - 0.81X² = 0.95X²
1.76X² - 1.62X = 0
1.76X (X - 0.9205) = 0
システムが稼働するためにはX>0となることから、
X ≒ 0.9205
よって、システムの信頼度はシステムBに代入すれば、
0.9205² × 0.95 ≒ 0.805
よって、4が正解です。
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