技術士の過去問
平成28年度(2016年)
適性科目 問39

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問題

技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 適性科目 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

技術者倫理と法との関わりに関する次の( ア )~( エ )の記述について、正しいものは〇、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。

( ア )技術者倫理では、法を守ることは当然のこととされているが、技術者のような専門職、専門的知識を持つ者には、それに加えて高い倫理観が必要である。たとえ法による規制がない場合でも、公衆に対する危険を察知したならば、それに対応する責務が技術者にはある。
( イ )技術者倫理では、法を守ることは当然のこととされているが、技術者は、それに加えて、法の網の目をくぐってコスト削減することも考えなければならない。それによって安全性を犠牲にすることになったとしても、法には反しておらず、問題はない。
( ウ )技術者倫理では、法を守ることは当然のこととされているが、法に不合理な点があると信じれば、法の専門家などによく相談し、積極的に法の改定について意見を述べていく必要が生じる場合もありうる。
( エ )社内で法令違反があるときには、発覚して公になることは社のダメージになるので、「やったことより見つかることの方が問題である」という考えを社内で共有し、今後の再発防止に努めることが肝要である。
  • ア:〇  イ:×  ウ:×  エ:×
  • ア:〇  イ:×  ウ:〇  エ:〇
  • ア:×  イ:×  ウ:〇  エ:×
  • ア:〇  イ:〇  ウ:〇  エ:×
  • ア:〇  イ:×  ウ:〇  エ:×

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。
技術者倫理についての正誤問題です。
各内容は以下の通りです。

ア 正しいです。
技術士倫理綱領には公衆の利益の優先が謳われています。
公衆の安全、健康、財産等に害を及ぼす事態が想定される場合は、
適切な解決が求められます。

イ 誤りです。
技術士倫理綱領で規定されている公衆の利益の優先は、
公衆の利益と、その他利害関係者の利益が相反した場合は、
公衆の利益を守ることを最優先にする必要があるので、不適当です。

ウ 正しいです。
技術者は業務が自分の力量の及ぶ範囲を超える場合には、
他の専門家等の適切な助力を求め、
問題に対して、十分な専門的見識があれば、適宜意見を表明する必要があります。

エ 誤りです。
技術者は公正で誠実な対応を取ることが求められるとともに、
信用の保持に努めなければなりません。
利害関係によって、違反を隠匿することは、これらに反する行為であり、
不適切な対応です。

したがって、ア:〇、イ:×、ウ:〇、エ:× となるので、5が正解です。

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02

<正解>5

[解説]

技術者倫理に関する正誤の組み合わせの問題です。

日本技術士会の技術士倫理綱領が参考になります。

アからエの記述内容の正否は以下のとおりとなります。

ア 正しい内容です。

技術者のような専門職、専門的知識を持つ者には、

法の遵守はもちろんのこと、高い倫理観の保持が求められています。

そのため、法規制がない場合でも

公衆に対する危険を察知した場合には、

技術者倫理の観点からそれに対応する責務があると考えられます。

よって、正しい内容です。

イ 誤った内容です。

技術者倫理の観点から安全性を犠牲にし、

法の網の目を潜り抜けてコストを削減することは、

問題があると考えられます。

よって、誤った内容です。

ウ 正しい内容です。

法を遵守することは当然ですが、

法に不合理な点がある場合には、

法の改正について意見を述べていくことが、

技術者として望ましい場合も考えられます

よって、正しい内容です。

エ 誤った内容です。

社内で法令違反がある場合には、それを隠ぺいすることは、技術者倫理として問題があると考えられます。必要に応じて、公益通報制度などを活用することも考えらます。

よって、誤った内容です。

 これらのことから各選択肢を検討すると

1 ウが×となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

2 エが〇となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

3 アが×となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

4 イが〇となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

5 アからエまでの全てが合致しているため、

適切な組み合わせとなります。

以上のことから、5が正解となります。

参考になった数3

03

技術者倫理と法とのかかわり方に関する問題です。
各選択肢の正誤について、組み合わせを選択します。
それぞれの正誤は以下の通りです。

ア:〇
技術者には、法律の遵守だけでなく、公衆の安全、健康を守る義務があります。
公益を保護するために、常に最善を尽くす必要があります。

イ:×
技術士は、公益を害することのないよう努めなければならず、
これは利益よりも優先しなければなりません。

ウ:〇
法律は完璧なものではなく、時には抜け穴があることもあります。
そのため、倫理で法を補っていく必要があるとともに、必要に応じて専門家と議論し法を改定していかなければなりません。

エ:×
技術者には、公正で誠実な対応が求められており、
法令違反を隠ぺいすることはこれに反することから、
技術者としての信用を失墜してしまいます。

よって、ア:〇、イ:×、ウ:〇、エ:×
となることから、5が正解です。

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