技術士の過去問
平成29年度(2017年)
基礎科目「解析に関するもの」 問16
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問題
技術士 第一次試験 平成29年度(2017年) 基礎科目「解析に関するもの」 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
長さがL、抵抗がrの導線を複数本接続して、下図に示すような3種類の回路( a )、( b )、( c )を作製した。( a )、( b )、( c )の各回路におけるAB間の合成抵抗の大きさをそれぞれRa,Rb,Rcとするとき、Ra,Rb,Rcの大小関係として、最も適切なものはどれか。ただし、導線の接合点で付加的な抵抗は存在しないものとする。
- Ra < Rb < Rc
- Ra < Rc < Rb
- Rc < Ra < Rb
- Rc < Rb < Ra
- Rb < Ra < Rc
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この過去問の解説 (3件)
01
直列合成抵抗は R = R1 + R2 + ... 、並列合成抵抗は 1/R = 1/R1 + 1/R2 + ... で表されます。
本問題では形状に惑わされがちですが、AとBが左右に来るように横に引き伸ばして考えると分かりやすいです。
ちなみに本問題の並列合成抵抗は、
2つの並列抵抗では、1/R = 1/r + 1/r → R = r/2
3つの並列抵抗では、1/R = 1/r + 1/r + 1/r → R = r/3
4つの並列抵抗では、1/R = 1/r + 1/r + 1/r + 1/r → R = r/4
となります。
(a)
ブリッジ部分は電流が流れないので無視します。
AからAB間:2つに分岐しているため、2つの並列合成抵抗:R = r/2
AB間からB:同様に2つなので R = r/2
よって合成抵抗 Ra = r/2 + r/2 = r
(b)
Aから1/4AB間:2抵抗(r/2)
1/4AB間から1/2AB間:4抵抗(r/4)
1/2AB間から3/4AB間:4抵抗(r/4)
3/4AB間からB:2抵抗(r/2)
合成抵抗 Rb = r/2 + r/4 + r/4 + r/2 = 1.5r
(c)
Aから1/3AB間:2抵抗(r/2)
1/3AB間から2/3AB間:3抵抗(r/3)
2/3AB間からB:2抵抗(r/2)
合成抵抗 Rc = r/2 + r/3 + r/2 = 1.333...r
よって、Ra < Rc < Rb となります。
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02
電気回路と抵抗に関する基礎問題となります。技術士試験ではよく問われます。この形式では、まずそれぞれの合成抵抗を求めて、その後それを小さい順に並べていきます。ここの部分でも間違えないようにしましょう。
直列合成抵抗はそれぞれの抵抗の和で表され、並列合成抵抗は、それぞれの抵抗の逆数の和が並列合成抵抗全体の逆数となる、という法則をしっかり覚えておきましょう。
長さLの導線の抵抗をrとおいて考えると、
(a) では、真ん中にはホイートストンブリッジの法則により電流は流れません。
よって、2つの抵抗からなる並列合成抵抗が2つ直列で並んでいるのと同じなので、Ra=r/2+r/2=rとなります。
(b)では、4つの抵抗からなる並列合成抵抗が2つ、2つの抵抗からなる並列合成抵抗が2つ、全部で4つの抵抗が直列で並んでいるのと同じなので、
Rb=r/4+r/4+r/2+r/2=r/2+r=3r/2=1.5rとなります。
(c)では、3つの抵抗からなる並列合成抵抗が1つ、2つの抵抗からなる並列合成抵抗が2つ、全部で3つの抵抗が直列で並んでいるのと同じなので、
Rc=r/3+r/2+r/2=4r/3=1.333・・・rとなります。
以上より、Ra<Rc<Rbとなり、正解選択肢は2.となります。
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03
各区間(導線)の並列合成抵抗を求め、
それらを直列合成抵抗として求めることで導きます。
なお、
直列合成抵抗は R = R1 + R2 + ...
並列合成抵抗は 1/R = 1/R1 + 1/R2 + ...
で表されます。
本問の並列合成抵抗は、
すべて同じ抵抗の導線を接続しているため、
2つの並列抵抗では、1/R = 1/r + 1/r → R = r/2
3つの並列抵抗では、1/R = 1/r + 1/r + 1/r → R = r/3
4つの並列抵抗では、1/R = 1/r + 1/r + 1/r + 1/r → R = r/4
となります。
(a)回路
ブリッジ部分には電流が流れないので無視します。
AからAB間:
2つに分岐しているため、2つの並列合成抵抗:R = r/2
AB間からB:
同様に2つなので R = r/2
よって、合成抵抗は、Ra = r/2 + r/2 = r
(b)回路
AからBまで4つの区間があります。
Aから1/4AB間:2抵抗(r/2)
1/4AB間から1/2AB間:4抵抗(r/4)
1/2AB間から3/4AB間:4抵抗(r/4)
3/4AB間からB:2抵抗(r/2)
よって、合成抵抗は、 Rb = r/2 + r/4 + r/4 + r/2 = 1.5r
(c)回路
AからBまで3つの区間があります。
Aから1/3AB間:2抵抗(r/2)
1/3AB間から2/3AB間:3抵抗(r/3)
2/3AB間からB:2抵抗(r/2)
よって、合成抵抗は、 Rc = r/2 + r/3 + r/2 = 1.333...r
以上のことから、Ra < Rc < Rb となります。
よって、2が正解となります。
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