技術士の過去問
平成29年度(2017年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問21

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問題

技術士 第一次試験 平成29年度(2017年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

材料の結晶構造に関する次の記述の、[   ]に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

結晶は、単位構造の並進操作によって空間全体を埋めつくした構造を持っている。室温・大気圧下において、単体物質の結晶構造は、FeやNaでは[ ア ]構造、AlやCuでは[ イ ]構造TiやZnでは[ ウ ]構造である。単位構造の中に属している原子の数は、[ ア ]構造では[ エ ]個、[ イ ]構造では4個、[ ウ ]構造では2個である。
  • ア:六方最密充填  イ:面心立方    ウ:体心立方    エ:3
  • ア:面心立方    イ:六方最密充填  ウ:体心立方    エ:4
  • ア:面心立方    イ:体心立方    ウ:六方最密充填  エ:2
  • ア:体心立方    イ:面心立方    ウ:六方最密充填  エ:2
  • ア:体心立方    イ:六方最密充填  ウ:面心立方    エ:4

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この過去問の解説 (3件)

01

金属の結晶構造に関する問題です。

粒子が結合し規則正しく並んだものを結晶と呼び、結晶の繰り返し単位のことを結晶格子と呼びます。
結晶格子における原子の配列を結晶構造と呼びます。

金属の結晶構造には、面心立方格子、六方最密充填構造、体心立方格子の3種類があります。
面心立方格子、六方最密充填構造は共に充填率74%で最密構造をなします。
単位当たりの粒子数は面心立方格子が4個、六方最密充填構造が2個をなします。
体心立方格子は充填率68%で、単位当たりの粒子数は2個です。

主な金属は、以下の通りです。
面心立方格子:アルミニウム、金、銀、銅
六方最密充填構造:チタン、マグネシウム、亜鉛
体心立方格子:ナトリウム等のアルカリ金属、鉄

よって正解は4となります。

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02

正解は4です。

金属の結晶構造について以下の通りです。

面心立方構造

立方体の各頂点と各面の中心に粒子が配列されている。

これについて原子の数を数えると、各頂点には原子1/8個分、面には1/2個分あると考えられるので全て足せば1+3=4個分となる。

アルミニウムや金銀銅がこの構造をとる

六方最密充填構造

正六角柱の各頂点と上面および底面に粒子が配列されている。

これについて原子の数を数えると、4×1/12+4×1/6+1=2個となる

チタンや亜鉛、マグネシウムがこの構造をとる

体心立方構造

立方体の各頂点と立方体の真ん中に1個粒子が配列されている

これについて原子の数を数えると各頂点には原子1/8個、中心に1個分と考えられるので全て足せば1+1=2個分となる

鉄やナトリウムなどのアルカリ金属がこの構造をとる

上記を回答に当てはめると

ア:体心立方    イ:面心立方    ウ:六方最密充填  エ:2

が正解となります。

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03

金属の結晶構造には、

面心立方構造

六方最密充填構造

体心立方構造

の3種類があり、それぞれの主な金属は以下のとおりです。

 

体心立方構造

:鉄(Fe)、ナトリウム(Na)等のアルカリ金属

面心立方構造

:アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金、銀

六方最密充填構造

:チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、マグネシウム

 

また、これらの結晶構造の単位構造の中に属している原子の数は、

体心立方構造:2個

面心立方構造:4個

六方最密充填構造:2個

となります。

 

これらを踏まえると、問題文の[ア]から[エ]に入る言葉は、

以下のとおりとなります。

 

[ア]:体心立方

[イ]:面心立方

[ウ]:六方最密充填

[エ]:2

 

よって、正解は4となります。

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