技術士の過去問
平成29年度(2017年)
基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問29

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問題

技術士 第一次試験 平成29年度(2017年) 基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

18世紀後半からイギリスで産業革命を引き起こす原動力となり、現代工業化社会の基盤を形成したのは、自動織機や蒸気機関などの新技術だった。これらの技術発展に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 一見革命的に見える新技術も、多くは既存の技術をもとにして改良を積み重ねることで達成されたものである。
  • 新技術の開発は、ヨーロッパ各地の大学研究者が主導したものが多く、産学協同の格好の例といえる。
  • 新技術の発展により、手工業的な作業場は機械で重装備された大工場に置き換えられていった。
  • 新技術のアイデアには、からくり人形や自動人形などの娯楽製品から転用されたものもある。
  • 新技術は生産効率を高めたが、反面で安い労働力を求める産業資本が成長し、長時間労働や児童労働などが社会問題化した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正しいです。
例えば自動機織の技術は、織機の一部分である杼を改良した飛び杼から始まっており、蒸気機関は復水器をベースにしています。
このように既存技術の改良を重ねて発展していきました。

2. 間違いです。
産業革命は、ブルジョワジー(産業資本家)と結びついて発展しています。

3. 正しいです。
産業革命により、都市に大規模な工場を建設して機械により生産を行う、工場制機械工業が成立しました。

4. 正しいです。
産業革命初期には、からくり人形や自動人形が機械化へ結びついたといわれています。

5. 正しいです。
産業革命の流れの中で、工業の中で階層分化が起き、工場を所持する産業資本家層と、その工場で働く労働者層が成立しました。労働者の生活水準は低く、また児童労働などの問題も深刻化しました。

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02

1. 適切です。

 新技術の多くは、既存技術をもとに改良を重ねることで達成したものです。

 例えば、自動機織の技術は、織機の一部分である杼を改良した飛び杼から始まっており、蒸気機関は復水器をベースにしています。

2. 不適切です。

 新技術の開発は、既存技術の改良を重ねることで達成されたものですが、大学研究者が主導したものではありません。

3. 適切です。

 産業革命により、それまで手工業的な作業場であったものが、機械で重装備された大規模な工場に置き換えられていきました。

4. 適切です。

 新技術のアイデアの中には、からくり人形や自動人形の仕組みが機械化へと結びついたといわれているものもあります。

5. 適切です。

 産業革命の流れの中で、工業の中で階層分化が起き、工場を所持する産業資本家層と、その工場で働く労働者層が成立しました。労働者の生活水準は低く、また児童労働などの問題も深刻化しました。

 よって、正解は2となります。

参考になった数9

03

正解は2です。

一見すると全部正しいようにみえますが、第一次産業革命(自動織機や蒸気機関に関すること)であることに注意して読んでいくと産学協同が誤りであることがわかります。第四次産業革命(AIやIoTに関すること)であれば正しいかもしれません。

1.正しいです

技術は積み重ねであることは今も昔も変わりません

2.誤りです

上記の通り産学共同ではなく資本主導となっています。

3.正しいです

手工業から向上に置き換えられていきました。

4.正しいです

第一次産業革命の初期はからくり人形や自動人形が機械化へ結びついたといわれています。

5.正しいです

現代同様、労働力に関する問題が当時もありました。

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