技術士の過去問
令和元年度(2019年)再試験
適性科目 問32

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問題

技術士 第一次試験 令和元年度(2019年)再試験 適性科目 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

技術士及び技術士補は、技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守を求められている。次に掲げる記述について、第四章の規定に照らして適切なものの数を選べ。

( ア )技術士は、その登録を受けた技術部門に関しては、充分な知識及び技能を有しているので、その登録部門以外に関する知識及び技能の水準を重点的に向上させなければならない。
( イ )技術士等は、顧客から受けた業務を誠実に実施する義務を負っている。顧客の指示が如何なるものであっても、守秘義務を優先させ、指示通りに実施しなければならない。
( ウ )技術は日々変化、進歩している。技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、名称表示している専門技術業務領域の能力開発に努めなければならない。
( エ )技術士等は、職務上の助言あるいは判断を下すとき、利害関係のある第三者又は組織の意見をよく聞くことが肝要であり、多少事実からの判断と差異があってもやむを得ない。
( オ )技術士等は、その業務を行うに当たっては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならないが、顧客の利益を害する場合は守秘義務を優先する必要がある。
( カ )技術士等の秘密保持義務は、技術士又は技術士補でなくなった後においても守らなければならない。
( キ )企業に所属している技術士補は、顧客がその専門分野能力を認めた場合は、技術士補の名称を表示して技術士に代わって主体的に業務を行ってよい。

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この過去問の解説 (3件)

01

技術士法に関する問題は技術士試験で頻出です。特に、今回取り上げられた「第四章」に関する問題の出題頻度が増えています。第四章をしっかりと確認しておきましょう。技術士法をはじめとする各種法令の条文へはhttps://elaws.e-gov.go.jp から容易にアクセスできます。

(ア)第四十七条の二に「技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。」と記載があります。登録を受けた技術部門でもその他の部門でも、業務に関する知識および技能は常に向上させていく必要があります。したがって不適切な記述となります。

(イ)第四十五条には秘密保持義務が明記されていますが、同時に、第四十四条では信用失墜行為の禁止、第四十五条の二では公益確保の責務が明記されていますので、秘密保持を優先して信用失墜や公益損失につながるようなことがないようにしなければなりません。したがって、不適切な記述となります。

(ウ)(ア)でも取り上げた第四十七条の二の記載どおり、能力開発に努めなければなりませんので、適切な記述となります。

(エ)「信用失墜行為」に該当するため、不適切な記述となります。

(オ)(イ)でも述べた通り、顧客の利益よりも公益の確保の方が重要ですので、不適切な記述となります。

(カ)第四十五条に「技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなつた後においても、同様とする。」と記載されていますので、適切な記述となります。

(キ)第四十七条に「技術士補は、第二条第一項に規定する業務について技術士を補助する場合を除くほか、技術士補の名称を表示して当該業務を行つてはならない。」とあります。あくまで、技術士補は技術士の補助業務に徹するべきですので、不適切な記述となります。

以上、適切な記述は(ウ)と(カ)の2つですので、正解選択肢は3.となります。

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02

ア.資質向上の責務があるので誤りです。

イ.「指示が如何なるものであっても、守秘義務を優先させ」は誤りです。公益の確保が必要です。

ウ. 正しい

エ. 事実に基づいた判断が必要なので誤りです。

オ. 公益確保が優先されるので誤りです。

カ. 正しい

キ. 技術士補は補佐の立場であり、「技術士に代わって主体的に業務を行う」ことはできませんので誤りです。

よって適切な選択肢は2つなので、答えは3です。

参考になった数5

03

<正解>3

[解説]

技術士法第四章(技術士等の義務)の規定についての

個数問題です。

(ア)から(キ)の記述内容は、以下のとおりとなります。

(ア)不適切な記述内容です。

第四十七条の二において「技術士は、常に、

その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、

その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。」

と定められています。

これは、登録を受けた技術部門のみならず、

その他の部門に関するものであったとしても、

業務に関する知識および技能は常に向上させていくことが求められています。

よって、不適切な記述内容です。

(イ)不適切な記述内容です。

第四十五条では、秘密保持義務が定められていますが、

第四十四条では、信用失墜行為の禁止

第四十五条の二では、公益確保の責務が定められています。

秘密保持は必要ですが、信用失墜や公益確保を蔑ろにすることは不適切と考えられます。

よって、不適切な記述内容です。

(ウ)適切な記述内容です。

技術は日々変化、進歩しています。

そのような中で、技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させること、

名称表示している専門技術業務領域の能力開発に努めることが求められています。

よって、適切な記述内容です。

(エ)不適切な記述内容です。

技術士等は、職務上の助言あるいは判断を下すとき、

利害関係のある第三者又は組織の意見を聞くことは必要ですが、

事実からの判断と差異がある場合には、

信用失墜行為の禁止や公益確保の責務の観点から

異なる意見を表明することが求められます。

よって、不適切な記述内容です。

(オ)不適切な記述内容です。

(イ)と同様

第四十五条では、秘密保持義務が定められていますが、

第四十四条では、信用失墜行為の禁止

第四十五条の二では、公益確保の責務が定められています。

秘密保持は必要ですが、信用失墜や公益確保を蔑ろにすることは

不適切と考えられます。

よって、不適切な記述内容です。

(カ)適切な記述内容です。

第四十五条では、「技術士又は技術士補は、

正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする。」

と定められています。

よって、適切な記述内容です。

(キ)不適切な記述内容です。

第四十七条では、「技術士補は、

第二条第一項に規定する業務について技術士を補助する場合を除くほか、

技術士補の名称を表示して当該業務を行つてはならない。」

と定められています。

技術士補は技術士の補助業務を行うことが求められます。

よって、不適切な記述内容です。

これらのことから、

適切な記述は、(ウ)と(カ)の2つとなるため、

3が正解となります。

参考になった数3