技術士の過去問
令和2年度(2020年)
基礎科目「設計・計画に関するもの」 問2

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問題

技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 基礎科目「設計・計画に関するもの」 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

ある材料に生ずる応力S[MPa]とその材料の強度R[MPa]を確率変数として、Z=R−Sが0を下回る確率Pr(Z<0)が一定値以下となるように設計する。応力Sは平均µS、標準偏差σSの正規分布に、強度Rは平均µR、標準偏差σRの正規分布に従い、互いに独立な確率変数とみなせるとする。µS:σS:µR:σRの比として(ア)から(エ)の4ケースを考えるとき、Pr(Z<0)を小さい順に並べたものとして最も適切なものはどれか。

(ア)10 : 2√2 : 14 : 1
(イ)10 : 1 : 13 : 2√2
(ウ)9 : 1 : 12 : √3
(エ)11 : 1 : 12 : 1
  • ウ → イ → エ → ア
  • ア → ウ → イ → エ
  • ア → イ → ウ → エ
  • ウ → ア → イ → エ
  • ア → ウ → エ → イ

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この過去問の解説 (3件)

01

標準偏差とは平均に対して乖離する確率を示したもので、その確率は分布の種類によって変わります。
正規分布の場合、標準偏差σは約68%になります。
例えば応力Sの平均10MPaに対して標準偏差σが1の場合、応力Sが9~11MPaの範囲になる確率は68%になります。
標準偏差σが2倍、すなわち平均からσ×2の範囲でばらつく場合の確率は95%であり、応力Sが8~12MPaの範囲になる確率です。
今回の問題では、Z=R−Sが0を下回る確率Pr(Z<0)が小さい順番に並んでいる組み合わせを問われています。
まず、平均だけで考えたZを見てみましょう

(ア):14-10=4
(イ):13-10=3
(ウ):12-9=3
(エ):12-11=1

上記で求めた差から、さらに応力Sと強度Rの標準偏差を差し引きます。

(ア):4-(2√2+1)=0.171573
(イ):3-(1+2√2)=-0.82843
(ウ):3-(1+√3)=0.267949
(エ):1-(1+1)=-1

Zが0を下回る確率Prが小さくなるのは残った数値が大きいものです。したがって、
4.の(ウ)→(ア)→(イ)→(エ)の順番が正解になります。

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02

設計の基本となる数値統計の問題です。このような問題では、まず、問題文をしっかり読んだ上で、(ア)〜(エ)の項目を一つずつ丁寧に解き、それをPrが小さい順に並べ替えて解答します。

まず、Zについて、応力と強度の平均のみで考えていきますと、

(ア)14-10=4

(イ)13-10=3

(ウ)12-9=3

(エ)12-11=1

ここからさらに、応力と強度の標準偏差を差し引くと、

(ア)4-(2√2+1)=0.1715728

(イ)3-(1+2√2)=-0.8284271

(ウ)3-(1+√3)=0.2679492

(エ)1-(1+1)=-1

以上の数値が大きい順に、Zが0を下回る確率Prが低くなります。よって、順番に並べると、ウ→ア→イ→エとなり、正解選択肢は4.となります。

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03

<正解>4

[解説]

数値統計に関する計算問題です。

Z=R-Sが0を下回る確率Pr(Z<0)

が小さい順番に並ぶµS、σS、µR、σRの組合せ

を探していきます。

まず、Zを平均だけで計算すると、以下のとおりとなります。

(ア):14-10=4

(イ):13-10=3

(ウ):12-9=3

(エ):12-11=1

平均だけで計算した場合には、

Z<0とはならないことがわかります。

さらにここで求めた値から、

応力Sと強度Rの標準偏差を引くと

平均からのブレでZ<0となる可能性があるかどうかがわかります。

(ア):4-(2√2+1)=0.171573

(イ):3-(1+2√2)=-0.82843

(ウ):3-(1+√3)=0.267949

(エ):1-(1+1)=-1

となり、(イ)と(エ)では、

Z<0となる可能性が

(ア)と(ウ)よりも高いことが分かります。

Z<0となる確率Prが小さくなるのは、

ここでの数値が大きいもの(正の値のもの)が該当することになります。

よって、

(ウ)→(ア)→(イ)→(エ)の順番となり、4が正解になります。

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