問題
いま、アルコール酵母菌に基質としてグルコースを与えたところ、酸素を2モル吸収した。好気呼吸で消費されたグルコースとエタノール発酵で消費されたグルコースのモル比が1:6であった際の、二酸化炭素発生量として最も適切なものはどれか。

バイオ技術の考え方の基盤となる、呼吸とアルコール発酵に関する問題ですね。技術士試験ではよく取り扱われますので、解法をきちんと押さえておきましょう。
化学反応式と問題文を良く読む所から始めます。
求めたいのは、好気呼吸とエタノール発酵でそれぞれ発生した二酸化炭素(CO2)量のモル数の合計になります。
解法ですが、まず、問題文の「酸素を2モル吸収した」という点に着目します。
これを、「好気呼吸」の式に当てはめると、
好気呼吸で消費されるグルコースのモル数・・・① と
好気呼吸で発生する二酸化炭素のモル数・・・② が求まります。
①は、酸素の1/6のモル数ですから、2/6=1/3で、1/3モル、となります。
②は、酸素と同モル数ですから、2モル、となります。
続いて、問題文の「好気呼吸で消費されたグルコースとエタノール発酵で消費されたグルコースのモル比が1:6であった」という点に着目します。①より、好気呼吸で消費されたグルコースのモル数は1/3モルでしたから、エタノール発酵で消費されたグルコースのモル数は1/3x6=2、で2モルとなります。そしてこれを、エタノール発酵の反応式に当てはめると、
エタノール発酵で発生する二酸化炭素のモル数・・・③が求まります。
③は、グルコースの2倍のモル数ですから、2x2=4で4モルとなります。
最終的に求めたいのは、②と③の合計ですから、2+4で6モルとなります。
以上、正解選択肢は3. となります。
正解は3です。
化学反応式が与えられているので、数字を調整するだけです。
まず、「酸素を2モル吸収した」とありますが、与式では酸素は6モル(6O2)なので、好気呼吸の式全体を3で割って、2モルにします。
(1/3)C6H12O6 + 2O2 + 2H2O → 2CO2 + 4H2O
好気呼吸とエタノール発酵のグルコースモル比が1:6とあるので6*1/3=2 つまり、エタノール発酵のグルコースのモル数を2にする必要があります、よってエタノール発酵の式全体を2倍します。
2C6H12O6 → 4C2H5OH + 4CO2
両方の式で生成されたCO2は2+4=6モルとなります。