技術士の過去問
令和2年度(2020年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問23
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
アルコール酵母菌のグルコース(C6H12O6)を基質とした好気呼吸とエタノール発酵は下記の化学反応式で表される。
いま、アルコール酵母菌に基質としてグルコースを与えたところ、酸素を2モル吸収した。好気呼吸で消費されたグルコースとエタノール発酵で消費されたグルコースのモル比が1:6であった際の、二酸化炭素発生量として最も適切なものはどれか。
いま、アルコール酵母菌に基質としてグルコースを与えたところ、酸素を2モル吸収した。好気呼吸で消費されたグルコースとエタノール発酵で消費されたグルコースのモル比が1:6であった際の、二酸化炭素発生量として最も適切なものはどれか。
- 3モル
- 4モル
- 6モル
- 8モル
- 12モル
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
化学反応式が与えられているので、数字を調整するだけです。
まず、「酸素を2モル吸収した」とありますが、与式では酸素は6モル(6O2)なので、好気呼吸の式全体を3で割って、2モルにします。
(1/3)C6H12O6 + 2O2 + 2H2O → 2CO2 + 4H2O
好気呼吸とエタノール発酵のグルコースモル比が1:6とあるので6*1/3=2 つまり、エタノール発酵のグルコースのモル数を2にする必要があります、よってエタノール発酵の式全体を2倍します。
2C6H12O6 → 4C2H5OH + 4CO2
両方の式で生成されたCO2は2+4=6モルとなります。
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02
バイオ技術の考え方の基盤となる、呼吸とアルコール発酵に関する問題ですね。技術士試験ではよく取り扱われますので、解法をきちんと押さえておきましょう。
化学反応式と問題文を良く読む所から始めます。
求めたいのは、好気呼吸とエタノール発酵でそれぞれ発生した二酸化炭素(CO2)量のモル数の合計になります。
解法ですが、まず、問題文の「酸素を2モル吸収した」という点に着目します。
これを、「好気呼吸」の式に当てはめると、
好気呼吸で消費されるグルコースのモル数・・・① と
好気呼吸で発生する二酸化炭素のモル数・・・② が求まります。
①は、酸素の1/6のモル数ですから、2/6=1/3で、1/3モル、となります。
②は、酸素と同モル数ですから、2モル、となります。
続いて、問題文の「好気呼吸で消費されたグルコースとエタノール発酵で消費されたグルコースのモル比が1:6であった」という点に着目します。①より、好気呼吸で消費されたグルコースのモル数は1/3モルでしたから、エタノール発酵で消費されたグルコースのモル数は1/3x6=2、で2モルとなります。そしてこれを、エタノール発酵の反応式に当てはめると、
エタノール発酵で発生する二酸化炭素のモル数・・・③が求まります。
③は、グルコースの2倍のモル数ですから、2x2=4で4モルとなります。
最終的に求めたいのは、②と③の合計ですから、2+4で6モルとなります。
以上、正解選択肢は3. となります。
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03
好気呼吸の反応式ではグルコースの係数が1、酸素の係数が6なので、グルコースと酸素の比は1:6になります。
アルコール酵母菌に基質としてグルコースを与えて、酸素を2モル吸収しているので、グルコースは酸素2モルの1/6である1/3モル消費されていることになります。
好気呼吸の反応式では二酸化炭素も酸素と同じく係数が6なので、二酸化炭素は酸素と同じ2モル発生することになります。
エタノール発酵における反応式では、グルコースの係数1に対して、二酸化炭素の係数は2なので、グルコースと二酸化炭素の比は1:2になります。
好気呼吸とエタノール発酵で消費されるグルコースのモル比は1:6なので、エタノール発酵で消費されるグルコースの量は好気呼吸1/3モルの6倍の2モルで、二酸化炭素はその2倍の4モルになります。
以上より、二酸化炭素の発生量は好気呼吸で2モル、エタノール発酵の4モルを合わせて、6モルとなります。
したがって、3が正解となります。
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