技術士の過去問
令和2年度(2020年)
基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問25
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
プラスチックごみ及びその資源循環に関する(ア)~(オ)の記述について、それぞれの正誤の組合せとして、最も適切なものはどれか。
(ア) 近年、マイクロプラスチックによる海洋生態系への影響が懸念されており、世界的な課題となっているが、マイクロプラスチックとは一般に5mm以下の微細なプラスチック類のことを指している。
(イ) 海洋プラスチックごみは世界中において発生しているが、特に先進国から発生しているものが多いと言われている。
(ウ) 中国が廃プラスチック等の輸入禁止措置を行う直前の2017年において、日本国内で約900万トンの廃プラスチックが排出されそのうち約250万トンがリサイクルされているが、海外に輸出され海外でリサイクルされたものは250万トンの半数以下であった。
(エ) 2019年6月に政府により策定された「プラスチック資源循環戦略」においては、基本的な対応の方向性を「3R+Renewable」として、プラスチック利用の削減、再使用、再生利用の他に、紙やバイオマスプラスチックなどの再生可能資源による代替を、その方向性に含めている。
(オ) 陸域で発生したごみが河川等を通じて海域に流出されることから、陸域での不法投棄やポイ捨て撲滅の徹底や清掃活動の推進などもプラスチックごみによる海洋汚染防止において重要な対策となる。
(ア) 近年、マイクロプラスチックによる海洋生態系への影響が懸念されており、世界的な課題となっているが、マイクロプラスチックとは一般に5mm以下の微細なプラスチック類のことを指している。
(イ) 海洋プラスチックごみは世界中において発生しているが、特に先進国から発生しているものが多いと言われている。
(ウ) 中国が廃プラスチック等の輸入禁止措置を行う直前の2017年において、日本国内で約900万トンの廃プラスチックが排出されそのうち約250万トンがリサイクルされているが、海外に輸出され海外でリサイクルされたものは250万トンの半数以下であった。
(エ) 2019年6月に政府により策定された「プラスチック資源循環戦略」においては、基本的な対応の方向性を「3R+Renewable」として、プラスチック利用の削減、再使用、再生利用の他に、紙やバイオマスプラスチックなどの再生可能資源による代替を、その方向性に含めている。
(オ) 陸域で発生したごみが河川等を通じて海域に流出されることから、陸域での不法投棄やポイ捨て撲滅の徹底や清掃活動の推進などもプラスチックごみによる海洋汚染防止において重要な対策となる。
- ア:正 イ:正 ウ:誤 エ:正 オ:誤
- ア:正 イ:誤 ウ:誤 エ:正 オ:正
- ア:正 イ:正 ウ:正 エ:誤 オ:誤
- ア:誤 イ:誤 ウ:正 エ:正 オ:正
- ア:誤 イ:正 ウ:誤 エ:誤 オ:正
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この過去問の解説 (3件)
01
環境問題に関係して、プラスチックごみに関する問題も、技術士試験ではしばしば扱われます。
単なる正誤選択ではなく、「(ア)〜(オ)の正誤の組み合わせ」について、正しいものを一つ選ぶ、という問題です。このような問題では、まず、(ア)〜(オ)の項目を一つずつ丁寧に読み、正しいかどうか判断します。続いて、組み合わせをきちんと書き出して、その組み合わせと一致する選択肢を選びますが、この過程でミスが起こりやすいので、注意してください。
(ア)これは正しいです。
環境省が発出した資料にほぼ同様の記載があります。
( https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r01/html/hj19010301.html )
(イ)こちらは誤りになります。
(ア)で紹介した資料によりますと、海洋プラスチックごみの主要排出源は東アジア地域及び東南アジア地域であるという推計もあることから、先進国だけの問題ではないということになります。
(ウ)こちらは誤りになります。
同じく(ア)で紹介した資料によりますと、2017年に排出された廃プラスチック903万トンのうちリサイクルされていたものは251万トンとされていますが、うち149万トンは海外に輸出され、海外でリサイクルされていた分が含まれています、と記載がありますので、選択肢の後半の「半数以下」という記述が誤りになります。
(エ)これは正しいです。
環境省発出の資料に「3R+Renewable」について説明があります。
( https://www.env.go.jp/press/files/jp/111746.pdf )
(オ)これは正しいです。
環境省発出の資料にほぼ同様の記載があります。
( https://www.env.go.jp/hourei/05/000222.html )
適切です。
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02
<正解>2
[解説]
プラスチックごみ及びその資源循環に関する記述内容についての
正誤の組み合わせ問題です。
(ア)から(オ)の記述内容は、以下のとおりとなります。
(ア)正しい記述内容です。
近年、マイクロプラスチックによる海洋生態系への影響が懸念されており、
世界的な課題となっています。
このマイクロプラスチックとは、
一般に5mm以下の微細なプラスチック類のこといいます。
よって、正しい記述内容です。
(イ)誤った記述内容です。
海洋プラスチックごみは世界中において発生していますが、
主要な排出源は、東アジア地域及び東南アジア地域であるという推計もあります。
「特に先進国から発生しているものが多い」という記述は誤りです。
よって、誤った記述内容です。
(ウ)誤った記述内容です。
中国が廃プラスチック等の輸入禁止措置を行う直前の2017年において、
日本国内で約900万トンの廃プラスチックが排出され、
そのうち、約250万トンがリサイクルされています。
この約250万トンのうち、
海外に輸出され、海外でリサイクルされたものは、約150万トンでした。
つまり、海外に輸出され、海外でリサイクルされたものは、
リサイクルされたものの半数以上を占めるということとなります。
よって、誤った記述内容です。
(エ)正しい記述内容です。
2019年6月に政府により策定された「プラスチック資源循環戦略」においては、基本的な対応の方向性を「3R+Renewable」として、プラスチック利用の削減、再使用、再生利用の他に、紙やバイオマスプラスチックなどの再生可能資源による代替を、その方向性に含めています。
よって、正しい記述内容です。
(オ)正しい記述内容です。
陸域で発生したごみが河川等を通じて海域に流出されるため、
陸域での不法投棄やポイ捨て撲滅の徹底や清掃活動の推進なども
プラスチックごみによる海洋汚染防止において重要な対策となっています。
よって、正しい記述内容です。
これらのことから、
ア:正 イ:誤 ウ:誤 エ:正 オ:正
となります。
これらを踏まえて、各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。
1 (イ)が正、(オ)が誤となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
2 (ア)から(オ)の全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
3 (ア)以外は合致していないため、
不適切な組み合わせとなります。
4 (ア)が誤、(ウ)が正となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
5 (ア)と(エ)が誤、(イ)が正となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
よって、2が正解となります。
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03
海洋に捨てられる廃プラスチックごみの問題です
(ア)記述の通り、適切です。
(イ)海洋プラスチックは、2010年の推計によると、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、スリランカの順番で多いため、不適切になります。
(ウ)JETRO(日本貿易推進機構)の調査では2017年の日本の廃プラスチック輸出量は143.1万トンになります。250万トンの半数以下という記載が誤りです。
(エ)記述の通り、適切です。
(オ)記述の通り、適切です。
したがって2が正解になります。
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