技術士の過去問
令和2年度(2020年)
適性科目 問45
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 適性科目 問45 (訂正依頼・報告はこちら)
内部告発は、社会や組織にとって有用なものである。すなわち、内部告発により、組織の不祥事が社会に明らかとなって是正されることによって、社会が不利益を受けることを防ぐことができる。また、このような不祥事が社会に明らかになる前に、組織内部における通報を通じて組織が情報を把握すれば、問題が大きくなる前に組織内で不祥事を是正し、組織自らが自発的に不祥事を行ったことを社会に明らかにすることができ、これにより組織の信用を守ることにも繋がる。
このように、内部告発が社会や組織にとってメリットとなるものなので、不祥事を発見した場合には、積極的に内部告発をすることが望まれる。ただし、告発の方法等については、慎重に検討する必要がある。
以下に示す(ア)~(力)の内部告発をするにあたって、適切なものの数はどれか。
(ア) 自分の抗議が正当であることを自ら確信できるように、あらゆる努力を払う。
(イ) 「倫理ホットライン」などの組織内手段を活用する。
(ウ) 同僚の専門職が支持するように働きかける。
(エ) 自分の直属の上司に、異議を知らしめることが適当な場合はそうすべきである。
(オ) 目前にある問題をどう解決するかについて、積極的に且つ具体的に提言すべきである。
(カ) 上司が共感せず冷淡な場合は、他の理解者を探す。
このように、内部告発が社会や組織にとってメリットとなるものなので、不祥事を発見した場合には、積極的に内部告発をすることが望まれる。ただし、告発の方法等については、慎重に検討する必要がある。
以下に示す(ア)~(力)の内部告発をするにあたって、適切なものの数はどれか。
(ア) 自分の抗議が正当であることを自ら確信できるように、あらゆる努力を払う。
(イ) 「倫理ホットライン」などの組織内手段を活用する。
(ウ) 同僚の専門職が支持するように働きかける。
(エ) 自分の直属の上司に、異議を知らしめることが適当な場合はそうすべきである。
(オ) 目前にある問題をどう解決するかについて、積極的に且つ具体的に提言すべきである。
(カ) 上司が共感せず冷淡な場合は、他の理解者を探す。
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この過去問の解説 (4件)
01
内部告発に関する内容ですね。
このような問題は近年非常によく問われるようになりましたので、しっかりと押さえておきましょう。
「適切なものの数」を問われているので、(ア)〜(カ)を一つずつ丁寧に読み、適切かどうか判断します。一文字〜数文字違いで全く意味が異なることが多いのが日本語の文章の特徴であり、それを利用した「引っ掛け問題」は、技術士試験に限らずあらゆる試験で多く出題されます。試験は時間との戦いでもありますが、本来解けるはずの問題を「急いでいたから」とミスで落としてしまうのは勿体ないので、正確さも重視しましょう。
(ア) 自分の抗議が正当であることを自ら確信できるように、あらゆる努力を払う。
→これは適切ですね。抗議する相手に自分の抗議を納得させるためには、まず、自分の抗議が本当に正当なのかどうか、自分自身で納得しておく必要がありますね。
(イ) 「倫理ホットライン」などの組織内手段を活用する。
→これも適切です。お勤めの方で、自分の職場にこのようなホットラインが存在する、という方も多いのではないでしょうか?このような、告発者を守ってくれる仕組みは積極的に利用していくべきですね。
(ウ) 同僚の専門職が支持するように働きかける。
→これも適切な選択肢です。自分一人で戦うよりも、味方を作っておいた方が戦いやすい、というのは内部告発に限らずあらゆる場面で共通の考え方ですね。同僚の支持を得るためには、当然(ア)の姿勢も重要になります。
(エ) 自分の直属の上司に、異議を知らしめることが適当な場合はそうすべきである。
→これも適切な選択肢となります。(ウ)とも関連して、支持者・理解者を得る、ということにも繋がります。ただし、どんなケースでもそうすべき、というわけではなく「適当な場合」とあるように、内部告発の内容次第、という点には注意です。
(オ) 目前にある問題をどう解決するかについて、積極的に且つ具体的に提言すべきである。
→これも適切です。内部告発は、問題文にもある通り、組織や社会を守ることにつながりますから、ただ言いっぱなしではなく、その問題をどのように解決するのか、についての答えも用意しておくことが必要ですね。
(カ) 上司が共感せず冷淡な場合は、他の理解者を探す。
→これもまた適切ですね。(ウ)や(エ)に通じる考え方ですが、味方は無理やり作るのではなく、告発内容についてある程度説明を尽くしてそれでも理解してもらえない場合は、他の味方を探す、ということも大切です。
以上、(ア)〜(カ)の6つの項目は全て適切、ということになりますので、正解選択肢は「6」となります。
全ての項目を適切かそうでないか判断した上で、最終的に数を数えるのを誤らないようにも気をつけましょう。
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02
[解説]
内部告発の方法等に関して、適切なものの数を答える問題です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
(ア)適切です。
抗議する相手に自分の抗議を納得させるためには、
まず、自分の抗議が本当に正当なのかどうか、
自分自身で確信しておく必要があります。
よって、適切な選択肢となります。
(イ)適切です。
「倫理ホットライン」などの組織内の告発制度がある場合には、
活用することが有用です。
よって、適切な選択肢となります。
(ウ)適切です。
不祥事を発見した場合には、
同僚の専門職も同様に不祥事を認識していることがあります。
できるだけ多くの支持者があった方が
組織の不祥事への対応が図られる可能性が高くなります。
よって、適切な選択肢となります。
(エ)適切です。
自分の直属の上司については、
自分と不祥事への対応が異なる場合があるため、
上司に異議を知らしめることが適当と言えないこともあります。
ただし、問題文のように、「適当な場合」には、
自分の直属の上司に異議を知らしめることは有用です。
よって、適切な選択肢となります。
(オ)適切です。
例えば、目の前にある問題が専門的な事項に属する場合で
組織の対応力が低いときなどは、
自分自身の解決策を積極的にかつ具体的に提言することが
組織にとっても適時適切な対応を図ることが可能となります。
よって、適切な選択肢となります。
(カ)適切です。
上司の共感が得られず冷淡な場合には、
自分と不祥事への対応が異なることがあるため、
無理な説得を行うよりも、
他の理解者を探すことが有用です。
よって、適切な選択肢となります。
上記、(ア)から(カ)の選択肢は、全て適切であるため、
答えは、「6個」となります。
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03
[解説]
内部告発の方法等に関する問題です。各選択肢の解説は、以下のとおりです。
(ア)抗議する相手に自分の抗議を納得させるためには、まず、自分の抗議が本当に正当なのかどうか、自分自身で確信しておく必要があります。よって、適切な選択肢となります。
(イ)「倫理ホットライン」などの組織内の告発制度がある場合には、活用することが有用です。よって、適切な選択肢となります。
(ウ)不祥事を発見した場合には、同僚の専門職も同様に不祥事を認識していることがあります。できるだけ多くの支持者があった方が組織の不祥事への対応が図られる可能性が高くなります。よって、適切な選択肢となります。
(エ)自分の直属の上司については、自分と不祥事への対応が異なる場合があるため、上司に異議を知らしめることが適当と言えないこともあります。ただし、問題文のように、「適当な場合」には、自分の直属の上司に異議を知らしめることは有用です。よって、適切な選択肢となります。
(オ)例えば、目の前にある問題が専門的な事項に属する場合で組織の対応力が低いときなどは、自分自身の解決策を積極的にかつ具体的に提言することが組織にとっても適時適切な対応を図ることが可能となります。よって、適切な選択肢となります。
(カ)上司の共感が得られず冷淡な場合には、自分と不祥事への対応が異なることがあるため、無理な説得を行うよりも、他の理解者を探すことが有用です。よって、適切な選択肢となります。
上記、(ア)から(カ)の選択肢の全て適切であるため、答えは、「6個」となります。
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04
内部告発に関する問題です。
設問に記載した内容はCharles E.Harris Jr.ほか著の「科学技術者の倫理-その考え方と事例(第3版)」に記述されている内容で(ア)~(カ)いずれも記述の通りとなります。
したがって、6項目全て適切となります。
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