内部告発に関する内容ですね。
このような問題は近年非常によく問われるようになりましたので、しっかりと押さえておきましょう。
「適切なものの数」を問われているので、(ア)〜(カ)を一つずつ丁寧に読み、適切かどうか判断します。一文字〜数文字違いで全く意味が異なることが多いのが日本語の文章の特徴であり、それを利用した「引っ掛け問題」は、技術士試験に限らずあらゆる試験で多く出題されます。試験は時間との戦いでもありますが、本来解けるはずの問題を「急いでいたから」とミスで落としてしまうのは勿体ないので、正確さも重視しましょう。
(ア) 自分の抗議が正当であることを自ら確信できるように、あらゆる努力を払う。
→これは適切ですね。抗議する相手に自分の抗議を納得させるためには、まず、自分の抗議が本当に正当なのかどうか、自分自身で納得しておく必要がありますね。
(イ) 「倫理ホットライン」などの組織内手段を活用する。
→これも適切です。お勤めの方で、自分の職場にこのようなホットラインが存在する、という方も多いのではないでしょうか?このような、告発者を守ってくれる仕組みは積極的に利用していくべきですね。
(ウ) 同僚の専門職が支持するように働きかける。
→これも適切な選択肢です。自分一人で戦うよりも、味方を作っておいた方が戦いやすい、というのは内部告発に限らずあらゆる場面で共通の考え方ですね。同僚の支持を得るためには、当然(ア)の姿勢も重要になります。
(エ) 自分の直属の上司に、異議を知らしめることが適当な場合はそうすべきである。
→これも適切な選択肢となります。(ウ)とも関連して、支持者・理解者を得る、ということにも繋がります。ただし、どんなケースでもそうすべき、というわけではなく「適当な場合」とあるように、内部告発の内容次第、という点には注意です。
(オ) 目前にある問題をどう解決するかについて、積極的に且つ具体的に提言すべきである。
→これも適切です。内部告発は、問題文にもある通り、組織や社会を守ることにつながりますから、ただ言いっぱなしではなく、その問題をどのように解決するのか、についての答えも用意しておくことが必要ですね。
(カ) 上司が共感せず冷淡な場合は、他の理解者を探す。
→これもまた適切ですね。(ウ)や(エ)に通じる考え方ですが、味方は無理やり作るのではなく、告発内容についてある程度説明を尽くしてそれでも理解してもらえない場合は、他の味方を探す、ということも大切です。
以上、(ア)〜(カ)の6つの項目は全て適切、ということになりますので、正解選択肢は「6」となります。
全ての項目を適切かそうでないか判断した上で、最終的に数を数えるのを誤らないようにも気をつけましょう。