技術士の過去問
令和3年度(2021年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問22

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問題

技術士 第一次試験 令和3年度(2021年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄の製錬に関する次の記述の、に(   )入る語句及び数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。

地殻中に存在する元素を存在比(wt%)の大きい順に並べると、鉄は、酸素、ケイ素、( ア )についで4番目となる。鉄の製錬は、鉄鉱石(Fe2O3)、石灰石、コークスを主要な原料として( イ )で行われる。
( イ )において、鉄鉱石をコークスで( ウ )することにより鋳鉄(Fe)を得ることができる。この方法で銑鉄を1000kg製造するのに必要な鉄鉱石は、最低( エ )kgである。ただし、酸素及び鉄の原子量は16及び56とし、鉄鉱石及び銑鉄中に不純物を含まないものとして計算すること。
  • ア:アルミニウム  イ:高炉  ウ:還元  エ:1429
  • ア:アルミニウム  イ:電炉  ウ:還元  エ:2857
  • ア:アルミニウム  イ:高炉  ウ:酸化  エ:2857
  • ア:銅  イ:電炉  ウ:酸化  エ:2857
  • ア:銅  イ:高炉  ウ:還元  エ:1429

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

鉄より存在比が大きいのはアルミニウムです。普通に出題されたら難しいかもしれませんが、銅とアルミニウムならどっち?と聞かれたら簡単だと思います。

鉄鉱石の正体はFe2O3つまり酸化鉄です。したがって還元することでFeを得ます。

Fe2O3の分子量は160でFe2の分子量は112なので比を計算すると

160:112=x:1000

x=1429

となり正解は1となりました。

Fe2O3を知らないと解けない問題のようでした。

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02

鉄に関する出題です。金属の中でも鉄だけは詳しいところまで聞かれますので勉強しておきましょう。

 

地殻中に存在する元素を存在比(wt%)の大きい順に並べると、鉄は、酸素、ケイ素、( アルミニウム )についで4番目となる。鉄の製錬は、鉄鉱石(Fe2O3)、石灰石、コークスを主要な原料として( 高炉 )で行われる。
( 高炉 )において、鉄鉱石をコークスで( 還元 )することにより鋳鉄(Fe)を得ることができる。この方法で銑鉄を1000kg製造するのに必要な鉄鉱石は、最低( 1429 )kgである。ただし、酸素及び鉄の原子量は16及び56とし、鉄鉱石及び銑鉄中に不純物を含まないものとして計算すること。

 

地殻中に存在する元素の質量比はクラーク数として知られています。覚え方はいろいろですが、クラーク数順序の暗記法として「おっしゃられて貸そうかマ」:O(お)、Si、Al(しゃられ)、Fe(て)、Ca(か)、Na(そう:ソーダ)、K(か)、Mg(マ)※wikipediaなどがあります。本問題においてはアルミニウムと銅のどっちが多いかということさえわかればいいので、感覚で答えられたかもしれません。

 

鉄は自然界においては鉄鉱石という酸化した酸化鉄Fe2O3の状態で存在しています。この酸化した鉄を高炉においてコークス還元して鉄にします。コークスは炭素燃料のようなもので鉄から酸素を奪って還元剤としても用いられています。高炉はコークスと銑鉄を積み重ねて高くなった炉です。

 

Fe2O3の分子量は56×2+16×3=160、1モル分ののFe2O3からとれる鉄はFe2モル分56×2=112なので、

必要な銑鉄は、1000*160/112=1429kg

選択肢1. ア:アルミニウム  イ:高炉  ウ:還元  エ:1429

以上より本選択肢が正解です。

まとめ

鉄は機械工学科相当のかなりつっこんだ知識が求められます。対策が必要です。

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03

鉄の精錬に関する問題です。

選択肢1. ア:アルミニウム  イ:高炉  ウ:還元  エ:1429

鉄より存在比が大きいのはアルミニウムです。

 

鉄鉱石の正体はFe2O3つまり酸化鉄です。酸化数は+3から0になるので還元されています。

 

Fe2O3の分子量は160、Fe2の分子量は112なので、

必要な銑鉄は、1000*160/112=1429kg

まとめ

製鉄に関する問題でした。

参考になった数3