介護福祉士の過去問
第29回(平成28年度)
総合問題 問114

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問題

介護福祉士国家試験 第29回(平成28年度) 総合問題 問114 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
Jさん(80歳、男性、要介護2)は、2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして、左片麻痺になった。Jさんは、自宅で妻(80歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して、二人で暮らしていた。
Jさんは、数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。
退院後のJさんは、なんとか立位がとれる状態である。排泄は、ポータブルトイレを利用して、妻が介助している。尿意はあり、1日の尿の回数も正常である。しかし、日が経つにつれて、妻には日に何回も行う立ち上がりや、ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり、時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。

Jさんに該当する排尿障害として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 溢流性尿失禁
  • 腹圧性尿失禁
  • 反射性尿失禁
  • 切迫性尿失禁
  • 機能性尿失禁

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

機能性尿失禁は排尿器官や支配神経には問題がなく、心身の障害によってもれてしまう失禁を言います。設問のケースはJさんに左麻痺があることが失禁の大きな原因なため、5が正解となります。

1.溢流性尿失禁は自分で尿を出せない排尿障害があり、少しずつたまっている尿が漏れてしまう失禁のことを言います。

2.腹圧性尿失禁はお腹に圧力がかかることでもれてしまう失禁です。

3.反射性尿失禁は中枢神経の障害によって自分の意思と関係なくもれてしまう失禁を言います。

4.切迫性尿失禁は強い尿意を感じ、我慢できずにもらしてしまう失禁を言います。

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02

正解は5です。
機能性尿失禁は、排尿機能に問題なく、身体の運動機能や認知症などによってトイレに間に合わないなどのことです。
1.溢流性尿失禁は、排尿障害を伴い、排尿したくても思うように尿が出ず、尿が少しずつ漏れてしまいます。
2.腹圧性尿失禁は、腹圧がかかった時に失禁します。
3.反射性尿失禁は、尿意がなく、ある程度膀胱に尿がたまると反射的に尿が漏れます。
4.切迫性尿失禁は、急に尿意を感じて我慢できずに失禁してしまいます。

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03

最も適切なものは5です。
これは、排尿機能に大きな問題はないタイプです。脳梗塞で左片麻痺であること、1日の尿の回数も正常であることから、排尿機能は正常だと考えられます。

他の選択肢については以下のとおりです。

1.溢流性尿失禁は、前立腺肥大や直腸がん、子宮がんの術後にみられるもので、排尿障害を伴い、尿をしたくても出ないといったものです。

2.腹圧性失禁は、くしゃみや咳をしたときに尿が漏れてしまうようなもので、骨盤底筋群の機能低下により起こります。

3.反射性尿失禁は脊椎損傷などで見られるものです。

4.切迫性尿失禁は膀胱過敏などで起こるものです。

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