マンション管理士の過去問
平成26年度(2014年)
問11

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問題

マンション管理士試験 平成26年度(2014年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより、その全部が滅失したマンションの敷地の売却、その一部が滅失(区分所有法第61条第1項本文に規定する場合(小規模滅失)を除く。)したマンションの建物及びその敷地の売却並びに当該マンションの建物の取壊し等の決議に関する次の記述のうち、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • マンションの建物の全部が滅失した場合における「敷地売却決議」は、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の4/5以上の多数でしなければならない。
  • マンションの建物の一部が滅失した場合における「建物敷地売却決議」は、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各4/5以上の多数でしなければならない。
  • マンションの建物の一部が滅失した場合における「建物取壊し敷地売却決議」は、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各4/5以上の多数でしなければならない。
  • マンションの建物の一部が滅失した場合における建物の「取壊し決議」は、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各4/5以上の多数でしなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答【4】

1 〇正しい。
  建物が全部滅失すると、残るのは敷地の共有関
 係です。 
  まず、区分所有法では、建物が一部滅失した場
 合には、復旧(第61条)や建替え(第62条以
 下)の規定がありますが、地震や大津波により建
 物が全部滅失した場合には、建物がなくなったの
 で区分所有法の適用から外れます。
  今まであった建物の敷地だけが元の区分所有者
 の共有として残り、この土地に建物を再建するに
 は、民法の適用となり、民法第251条で定める
 共有関係の「共有物の変更には全員の同意を得
 る」ことになりますが、全員の同意を得ること
 は、ほとんど不可能で、再建は進みませんでし
 た。
  そこで、平成7年(1995年)1月17日に
 発生した震度7の「阪神・淡路大震災」を契機と
 して、敷地共有者の4/5以上の多数決で建物が
 再建できる、「被災区分所有建物の再建等に関す
 る特別措置法(被災マンション法)」が平成7年
 3月24日に急遽施行されました。
  しかし、この法律の適用には、「政令で定める
 災害」という面倒な前提があるため、
 平成23年(2011年)3月11日に発生した
 東日本大震災では適用がありませんでした。
  そこで、被災区分所有建物の再建等に関する特
 別措置法は、今後想定される大規模な災害で、区
 分所有建物の取壊しなどを容易にする目的で大幅
 に改正され、新しく大規模滅失では、建物の取壊
 しが、区分所有者及び議決権の4/5以上の承認
 でできたり、敷地の売却ができるなどの法律で
 す。
  そこで、設問のマンションの建物の全部が滅失
 した場合の「敷地売却決議」は、被災区分所有建
 物の再建等に関する特別措置法第5条第1項に該
 当し、「敷地売却決議」は、敷地共有者等集会に
 おいて、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の
 多数でしなければならないは、正しいと判断でき
 ます。

2 〇正しい。
  建物が一部滅失なら、区分所有者も敷地利用権
 も残っています。
  マンションの建物の一部が滅失した場合におけ
 る「建物敷地売却決議」は、被災区分所有建物の
 再建等に関する特別措置法第9条第1項及び第7
 条により、 マンションの建物の一部が滅失した場
 合における「建物敷地売却決議」は、区分所有者
 集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用
 権の持分の価格の各5分の4以上の多数でしな
 ければならないは、正しいと判断できます。

3 〇正しい。
  建物の一部滅失でも、建物を取り壊し敷地を売
 却できます。
  マンションの建物の一部が滅失した場合におけ
 る「建物取壊し敷地売却決議」は、被災区分所有
 建物の再建等に関する特別措置法第10条第1項
 と第7条により、マンションの建物の一部が滅失
 した場合における「建物取壊し敷地売却決議」
 は、区分所有者集会において、区分所有者、議決
 権及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上
 の多数でしなければならない、は正しいと判断で
 きます。

4 ×誤っている。
  建物の一部滅失での取壊し決議だけなら、敷地
 利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数は不
 要です。
  マンションの建物の一部が滅失した場合におけ
 る建物の「取壊し決議」は、被災区分所有建物の
 再建等に関する特別措置法第11条第1項と第7
 条により、「区分所有者及び議決権の各五分の四
 以上の多数」でできる。敷地の売却をしないの
 で、敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の
 多数は、いらないから、誤りと判断できます。

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02

正答は 4 です。

1.敷地売却決議は、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数でしなければなりません。

2.建物敷地売却決議は、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数でしなければなりません。

3.建物取壊し敷地売却決議は、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数でしなければなりません。

4.取壊し決議は、区分所有者集会において、「区分所有者、議決権の」各5分の4以上の多数でしなければなりません。建物の取壊し決議なので、敷地利用権の持分の価格は必要要件ではありません。
よって、この設問は誤りです。

参考になった数21

03

正解(誤っているもの)は4です。

1 正しい。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第5条第1項にあるように、区分所有建物の全部が滅失した場合においては、敷地共有者等の議決権の4/5以上の多数で、敷地共有持分等に係る土地を売却する旨の決議(敷地売却決議)をすることができます。

2 正しい。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第9条第1項にあるように、区分所有建物の一部が滅失した場合においては、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各4/5以上の多数で、当該区分所有建物及びその敷地を売却する旨の決議(建物敷地売却決議)をすることができます。

3 正しい。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第10条第1項にあるように、区分所有建物の一部が滅失した場合においては、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各4/5以上の多数で、当該区分所有建物を取り壊し、かつ、これに係る建物の敷地を売却する旨の決議(建物取壊し敷地売却決議)をすることができます。

4 誤り。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第11条第1項にあるように、区分所有建物の一部が滅失した場合においては、区分所有者及び議決権の各4/5以上の多数で、当該区分所有建物を取り壊す旨の決議(取壊し決議)をすることができます。
敷地を売却するわけではないので、敷地利用権の持分の価格の4/5という条件はありません。

参考になった数21