マンション管理士の過去問
平成30年度(2018年)
問13
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問題
マンション管理士試験 平成30年度(2018年) 問13 (訂正依頼・報告はこちら)
Aは、弟Bが事業資金500万円の融資をC銀行から受けるに際して、Aが所有し、居住している甲マンションの103号室にC銀行のために抵当権を設定し、その登記もされた場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aは、BのC銀行に対する債務について、Bの意思に反してもC銀行に対して、第三者としての弁済をすることができる。
- C銀行の抵当権の効力は、Aが有する共用部分の共有持分には及ばない。
- C銀行の抵当権の実行により、Aが103号室の所有権を失った場合には、AはBに対して求償することはできない。
- Aが103号室を売却するときは、C銀行の承諾を得なければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
1. Aは物上保証人であるため、第三者としての弁済をすることができます。
弁済をすることについて「正当な利益を有する者」は、第三者弁済が可能であります。(民法474条2項)
過去の判例では「利害関係」を有する者を基準としていました(最判 昭.39.4.21)が、改正民法では「正当な利益を有する者」を基準としているようです。
したがって、物上保証人は「正当な利益を有する者」となります。
2. 区分所有法15条では、共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従うと規定されております。
したがって、専有部分に抵当権が設定されれば、
抵当権の効力は、Aが有する共用部分の共有持分に及びます。
3. 物上保証人の求償権は、民法351条が準用されています。
したがって、他人の債務を担保するため抵当権を設定した者は、その債務を弁済し、又は抵当権の実行によって抵当権の目的物の所有権を失ったときは、債務者に対して求償権を有します。
4. 抵当権設定者は、抵当権を設定した後も抵当不動産を自由に使用・収益・処分することができます。
したがって、Aの居住用マンションを売却するときは、C銀行の承諾を得る必要はありません。
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02
1.Aは物上保証人であり、利害関係のある第三者にあたります。利害関係のある第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができます。したがって、BのC銀行に対する債務について、Bの意思に反してもC銀行に対して、第三者としての弁済をすることができます。
2.区分所有者が有する共用部分に対する共有持分は、その有する専有部分の処分に従うと区分所有法で規定されており、専有部分に設定された抵当権の効力は、共用部分の共有持分にも及びます。
よって、この設問は誤りです。
3.他人の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、その債務を弁済し、または抵当権の実行によって目的物の所有権を失ったときは、債務者に対して求償権を有します。
よって、この設問は誤りです。
4.抵当権は、抵当権の目的となった物の占有を移さないで債務の担保に供するものであるため、抵当権設定者は抵当権を設定しても、抵当権の目的となった物を自由に使用・収益・処分することができます。抵当権の目的である物の処分(売却)時に、抵当権者の承諾が必要という規定はありません。
よって、この設問は誤りです。
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03
甲マンションの103号室の所有者Aが、弟Bの事業資金500万円の融資をC銀行から受ける際の担保として、自身が所有する103号室にC銀行のための抵当権を設定した場合に関する記述で、民法及び区分所有法の規定に基づき、誤っているものを判定する問題です。
正しい
解説:Aは物上保証人として、第三者としての弁済をすることができます。民法474条2項により、「正当な利益を有する者」は第三者弁済が可能です。Aは物上保証人として「正当な利益を有する者」に該当します。
誤り
解説:区分所有法15条により、共有者の持分はその有する専有部分の処分に従います。したがって、専有部分に抵当権が設定されれば、抵当権の効力はAが有する共用部分の共有持分にも及びます。
誤り
解説:物上保証人の求償権は民法351条が準用されます。したがって、他人の債務を担保するために抵当権を設定したAは、その債務を弁済した場合や抵当権の実行によって103号室の所有権を失った場合、Bに対して求償権を有します。
誤り
解説:抵当権は、抵当権の目的となる物の占有を移さない担保権です。したがって、Aは抵当権を設定した後も103号室を自由に使用・収益・処分することができます。C銀行の承諾は必要ありません。
この問題を解く際には、区分所有法と民法の規定に関する基本的な知識が必要です。
特に、抵当権の設定、効力、実行、第三者としての弁済などの概念を理解しておくことで、各選択肢が正しいか誤っているかを判断することができます。
具体的な法律の条文やその解釈に基づいて正確に答えを導き出す必要があります。
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