マンション管理士の過去問
令和元年度(2019年)
問35
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問題
マンション管理士試験 令和元年度(2019年) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
規約が標準管理規約の定めと同一である甲マンション管理組合の平成 30 年度(平成 30 年 4 月 1 日から平成 31 年 3 月 31 日まで)の収支予算案に関連し、平成 30 年 4 月に開催された理事会において、会計担当理事が行った次の説明のうち、適切なものはいくつあるか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。
ア 平成 29 年度の管理費に未収金があったため、その未収金相当額については、平成 30 年度収支予算案の管理費に上乗せして計上し、不足が生じないようにしてあります。
イ 今年度は、管理規約改正原案の作成に係る業務で専門的知識を有する者の活用を予定していますので、それに必要な費用については平成 30 年度収支予算案の管理費会計に計上してあります。
ウ 平成 29 年度の総会で承認され平成 29 年 11 月に工事が開始された大規模修繕工事が、予定どおり平成 30 年 4 月 20 日に完了しました。前年度に前払した工事費の残額の支払を 5 月 10 日に予定していますが、5 月 27 日に開催予定の通常総会で収支予算案の承認を得る前に支払う必要があるため、規約に基づき、理事会の承認を得てその支出を行うこととします。
エ 平成 29 年度収支決算の結果、管理費に余剰が生じましたが、その余剰は平成 30 年度の管理費会計に繰入れせずに、修繕積立金会計に繰入れすることとします。
ア 平成 29 年度の管理費に未収金があったため、その未収金相当額については、平成 30 年度収支予算案の管理費に上乗せして計上し、不足が生じないようにしてあります。
イ 今年度は、管理規約改正原案の作成に係る業務で専門的知識を有する者の活用を予定していますので、それに必要な費用については平成 30 年度収支予算案の管理費会計に計上してあります。
ウ 平成 29 年度の総会で承認され平成 29 年 11 月に工事が開始された大規模修繕工事が、予定どおり平成 30 年 4 月 20 日に完了しました。前年度に前払した工事費の残額の支払を 5 月 10 日に予定していますが、5 月 27 日に開催予定の通常総会で収支予算案の承認を得る前に支払う必要があるため、規約に基づき、理事会の承認を得てその支出を行うこととします。
エ 平成 29 年度収支決算の結果、管理費に余剰が生じましたが、その余剰は平成 30 年度の管理費会計に繰入れせずに、修繕積立金会計に繰入れすることとします。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
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この過去問の解説 (3件)
01
ア。不適切。
29年度の未収入金は、29年度の収支予算案に計上しているので、30年度の収支予算案に計上するのは、不適切です。
イ。適切。
標準管理規約(単棟型) 第27条 では、
「管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。」
とし、9号で、
「 専門的知識を有する者の活用に要する費用」が掲げられています。
ウ。適切。
標準管理規約(単棟型)第58条1項では、
「 理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない。」
としています。しかし、続く第3項では、
「 理事長は、第56条に定める会計年度の開始後、第1項に定める承認を得るまでの間に、以下の各号に掲げる経費の支出が必要となった場合には、理事会の承認を得てその支出を行うことができる。」
と示し、続く第2号で、
「総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの」
が掲げられています。
エ。不適切。
標準管理規約(単棟型)第61条 では、
「収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。」
と定められています。
以上より、適切なものはイとウなので、正解は2です。
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02
ア 発生主義の原則により、前年度分の管理費収入は、入金があった場合でも、未収となった場合でも、前年度分の仕訳には、前年度に発生した収入として計上します。
したがって、この設問は不適切です。
イ 専門的知識を有する者の活用に関する費用には、管理費を充当します。
したがって、専門的知識を有する者の活用に関する費用について、平成30年度収支予算案の管理費会計に計上することは適切です。
ウ 標準管理規約には以下のように定められています。
「第58条 3 理事長は会計年度の開始後、収支予算案の承認を得るまでの間に、以下の各号に掲げる経費の支出が必要となった場合には、理事会の承認を得てその支出を行うことができます。
二 総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの」
したがって、この設問は適切です。
エ 標準管理規約には以下のように定められています。
「第61条 収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。」
したがって、この設問は不適切です。
よって、適切なものはイとウの二つで、正答は2です。
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03
この問題は、甲マンション管理組合の平成30年度の収支予算案に関連する会計処理の適切性を問うものです。
会計担当理事が理事会で行った説明の中で、発生主義の会計原則に基づいて適切なものがいくつあるかを判断することが求められています。
ア 不適切
解説:発生主義の原則により、前年度の未収管理費は前年度の収入として計上されるべきであり、新たな年度の収支予算に上乗せして計上するのは適切ではありません。
イ 適切
解説:専門的知識を有する者の活用に関する費用は、その年度に発生する費用として収支予算案に計上するのは発生主義の原則に則っています。
ウ 適切
解説:標準管理規約によると、理事会の承認を得て、収支予算案の承認を得る前に、総会の承認を得て実施している工事に関する経費の支出が可能です。
エ 不適切
解説:余剰金は通常、次年度の予算に繰り越すか、または特定の基金に振り向けることができますが、管理費の余剰を修繕積立金に繰り入れることは、標準管理規約に反するため、適切ではありません。
したがって、適切な選択肢はイ・ウであり、「二つ」となります。
この問題を解く際には、会計の発生主義の原則と管理組合の規約に則った適切な会計処理が行われているかを判断する必要があります。
発生主義の原則では、収益と費用は実際に現金が動く時ではなく、経済的な価値の発生・消滅の時点で計上します。
また、管理組合の規約や一般的な会計原則に基づいて、各説明の適切性を評価する必要があります。
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