マンション管理士の過去問
令和4年度(2022年)
問25

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問題

マンション管理士試験 令和4年度(2022年) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

配管設備の工事等に関する次のマンション管理士の意見のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
  • 共用部分配管設備の清掃等に要する費用は、共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能です。
  • 共用部分の配管の取替えはそれだけでかなり多額の費用がかかるため、特別決議により実施する必要があります。
  • 共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられます。
  • あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定しておくことにより、修繕積立金を取り崩すことができます。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、マンションの標準管理規約に基づいた配管設備の工事に関するマンション管理士の意見について、適切でないものを選ぶ問題です。

選択肢1. 共用部分配管設備の清掃等に要する費用は、共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能です。

適切

標準管理規約によれば、共用部分配管設備の清掃等に要する費用は、共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能です。

選択肢2. 共用部分の配管の取替えはそれだけでかなり多額の費用がかかるため、特別決議により実施する必要があります。

適切でない

共用部分の配管の取替えにかかる費用は、通常、修繕積立金から支出されます。特別決議により実施する必要は一般的にはなく、標準管理規約によれば、通常の修繕工事として取り組むことが想定されています。

選択肢3. 共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられます。

適切

共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられます。これは効率的な工事の進行とコスト削減の観点から適切な選択肢とされます。

選択肢4. あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定しておくことにより、修繕積立金を取り崩すことができます。

適切

あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定しておくことにより、修繕積立金を取り崩すことができます。これは、事前に計画を立て、必要な費用を積立てておくことで、スムーズに工事を進行させるための適切な手段です。

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02

 標準管理規約(単棟型)に関する出題です。非常に重要な分野ですので、理解を深める勉強をすると良いと思います。

選択肢1. 共用部分配管設備の清掃等に要する費用は、共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能です。

 標準管理規約(単棟型)27条3号により、「管理費は、共用設備の保守維持費及び運転費等の通常の管理に要する経費に充当する。」とされるので、適切です。

選択肢2. 共用部分の配管の取替えはそれだけでかなり多額の費用がかかるため、特別決議により実施する必要があります。

 標準管理規約(単棟型)47条2項により、「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。」とされ、同条3項2号により、「敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)に関する総会の議事は、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。」とされます。

 つまり、「共用部分の配管の取替えはそれだけでかなり多額の費用がかかるため、特別決議により実施する必要があります。」ということは、適切ではありません。この場合、普通決議になります。

選択肢3. 共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられます。

 標準管理規約(単棟型)21条2項により、「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行 うことができる。」とされ、同規約27条3号により、「管理費は、共用設備の保守維持費及び運転費等の通常の管理に要する経費に充当する。」とされ、同規約21条関係コメント⑦により、「2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。配管の清掃等に要する費用については、27条3号の共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。なお、共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられる。その場合には、あらかじめ長期修繕計画において専有部分の 配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定するとともに、先行して工事を行った区分所有者へ の補償の有無等についても十分留意することが必要である。」とされるので、適切です。

選択肢4. あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定しておくことにより、修繕積立金を取り崩すことができます。

 標準管理規約(単棟型)21条2項により、「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行 うことができる。」とされ、同規約27条3号により、「管理費は、共用設備の保守維持費及び運転費等の通常の管理に要する経費に充当する。」とされ、同規約21条関係コメント⑦により、「2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。配管の清掃等に要する費用については、27条3号の共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。なお、共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられる。その場合には、あらかじめ長期修繕計画において専有部分の 配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定するとともに、先行して工事を行った区分所有者へ の補償の有無等についても十分留意することが必要である。」とされるので、適切です。

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