マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問31

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問題

マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

専有部分のある建物であるA棟、B棟及びC棟からなる団地における団地総会又は棟総会に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び標準管理規約(団地型)によれば、適切なものはどれか。
  • 一括建替え決議においては、組合員総数の5分の4以上及び議決権(各団地内建物の共用部分の共有持分割合による。)総数の5分の4以上の賛成がなければならない。
  • A棟の棟総会は、A棟の区分所有者が当該棟の区分所有者の総数の5分の1以上及び当該棟における議決権総数の5分の1以上に当たる区分所有者の同意を得て、招集する。
  • B棟の建替えを行うための建替え承認決議においては、団地総会の出席組合員の4分の3以上及び出席組合員の議決権の4分の3以上の賛成を要する。
  • C棟の各棟修繕積立金の滞納者に対して、当該滞納金を請求する訴訟を提起する場合には、C棟の棟総会の決議を要する。

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この過去問の解説 (1件)

01

A〜C棟いずれも専有部分のある建物であるため、一括建替え決議の前提条件を満たしています。

選択肢1. 一括建替え決議においては、組合員総数の5分の4以上及び議決権(各団地内建物の共用部分の共有持分割合による。)総数の5分の4以上の賛成がなければならない。

誤。一括建替え決議においては、組合員総数の5分の4以上及び議決権(団地内建物の敷地の持分割合による。)総数の5分の4以上の賛成がなければなりません(区分所有法70条2項)。

 

団地管理組合の組合員が共有しているのは、「各団地内建物の共用部分」ではなく、「団地内建物の敷地」だからです。

 

また、一括建替え決議が可決承認されるには大きく二つの条件があり、本肢はその混同を狙った問題です。

 

【一括建替え決議が可決承認されるための条件】

(1)全区分所有者及び議決権(敷地の持分割合)の各5分の4以上

(2)各団地内建物ごとに、区分所有者及び議決権(各共用部分の持分割合)の各3分の2以上

選択肢2. A棟の棟総会は、A棟の区分所有者が当該棟の区分所有者の総数の5分の1以上及び当該棟における議決権総数の5分の1以上に当たる区分所有者の同意を得て、招集する。

正。棟総会は、その棟の区分所有者が当該棟の区分所有者総数の5分の1以上及び議決権総数の5分の1以上に当たる区分所有者の同意を得て、招集します(標準管理規約団地型68条2項)。

 

A棟の管理組合に管理者が選任されているとは限らないため、区分所有法34条5項における「管理者がないとき」の規定が、『標準管理規約(団地型)』に一部準用されています。

選択肢3. B棟の建替えを行うための建替え承認決議においては、団地総会の出席組合員の4分の3以上及び出席組合員の議決権の4分の3以上の賛成を要する。

誤。建替え承認決議においては、団地管理組合の総議決権の4分の3以上の賛成を要します(区分所有法69条1項)。

なお、「出席組合員」という単語が出てくるのは、標準管理規約47条2項における「普通決議」です。

 

【標準管理規約47条各項】

2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。

3 特別決議事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。

選択肢4. C棟の各棟修繕積立金の滞納者に対して、当該滞納金を請求する訴訟を提起する場合には、C棟の棟総会の決議を要する。

誤。団地管理組合の理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、団地管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができます(標準管理規約団地型62条4項)。

なお、棟総会の決議を要するのは「義務違反者に対する措置」のほうです(標準管理規約団地型全般関係コメント5)。

まとめ

建替え承認決議にせよ一括建替え決議にせよ、各棟に著しい温度差があると建替えが否決されてしまうようなルールに設計されています。

団地の建替えを進める際には、慎重に議論を進めていく必要があることをイメージしましょう。

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