宅地建物取引士の過去問
平成22年度(2010年)
法令制限 問22

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問題

宅建試験 平成22年度(2010年) 法令制限 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
※ 平成30年の民法改正により、604条における賃貸借期間の上限は20年から50年に延長されました。
<参考>
この問題は平成22年(2010)に出題された問題となります。
  • 農地を相続した場合、その相続人は、法第3条第1項の許可を受ける必要はないが、遅滞なく、農業委員会にその旨を届け出なければならない。
  • 宅地に転用する目的で市街化区域外の農地を購入する場合は、農地の権利移動に係る法第3条第1項の許可のほか、農地転用に係る法第4条第1項の都道府県知事の許可を受ける必要がある。
  • 会社の代表者が、その会社の業務に関し、法の規定に違反して転用行為をした場合は、その代表者が罰せられるのみならず、その会社も1億円以下の罰金刑が科せられる。
  • 賃貸借の存続期間については、民法上は20年を超えることができないこととされているが、農地の賃貸借については、50年までの存続期間が認められる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は【2】になります。

1:農地法第3条の3第1項より、相続や時効取得などにより農地を取得した場合は、農地法第3条の許可を受ける必要はありません。その代わり、その農地を管轄する農業委員会にその旨を届出しなければなりません。

2:農地法第3条1項と第5条1項より、宅地に転用する目的で農地の権利移動をする場合、農地法第5条の許可を受ける必要があります。農地法第3条と第4条の両方の許可を受けるわけではありません。

3:農地法第67条と第64条より、法人の代表者が農地法第4条に違反した場合、その代表者のみならず法人自体に対しても、1億円以下の罰金が科される可能性があります。

4:民法第640条より、賃貸借の存続期間は20年とされていますが、農地法の第19条では農地の賃貸借についてはその期間が50年とされています。

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02

【答え】2.

1. 正
(農地法 第3条1項)
相続による権利の取得は「権利移動」には該当しないので、3条許可は必要ありません。

2. 誤
(農地法 第3条1項、第5条1項)
農地を農地以外のものにするため、又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く)にするため、これらの土地について所有権を移転し、又は使用収益権を設定し、若しくは移転する場合には、当事者は5条許可を受けなければなりません。
4条許可は、権利移動を伴わない農地の転用を対象としています。

3. 正
(農地法 第67条一号)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、転用行為の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して一億円以下の罰金刑を科せられます。

4. 正
(農地法 第19条)
農地又は採草放牧地の賃貸借についての民法第六百四条 (賃貸借の存続期間)の規定の適用については、同条中「20年」とあるのは、「50年」とされています。

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03

1.文章の通りです。相続した者は農業委員会に届け出が必要になります。
2.農地転用は法第5条の許可が必要になります。
法第3条は農地の権利移転の許可で、法第4条は農地を農地以外の土地にする場合に必要な許可になります。
3.文章の通りです。会社の代表が違反しても会社も処されます。
4.文章の通りです。農地は、賃貸借の存続期間が50年まで認められます。

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