宅地建物取引士の過去問
平成30年度(2018年)
権利関係 問7

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問題

宅建試験 平成30年度(2018年) 権利関係 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
※ <改題>
元となる設問文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。
民法改正(令和2年(2020年)4月1日施行)により、債権譲渡についての規定が改定されたため。
<参考>
  • 譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知らなかった場合、知らなかったことにつき重大な過失があっても、当該債権を取得することができる。
  • 債権の譲受人が譲渡禁止特約の存在を知っていた場合、さらにその債権を譲り受けた転得者がその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなかったとしても、債務者はその転得者に対して債務の履行を拒むことができる。
  • 譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した場合であっても、譲渡人から債務者へ債権譲渡した旨を口頭で通知すれば、譲受人は当該債権を対抗できる。
  • 譲渡禁止特約のある債権をもって質権の目的とした場合において、質権者がその特約の存在について悪意であっても、当該質権設定は有効となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1、正しい 債権譲渡は、譲渡禁止の特約があっても有効です。

2、誤り 債権の譲受人が譲渡禁止特約の存在を知っていて、さらにその債権を譲り受けた転得者がその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなければ、債務者はその転得者に対して、債務の履行を拒絶することはできません。

3、正しい 譲渡禁止特約に反したとしても、その債権の譲渡は有効です。ただし、債権を譲渡した旨を譲渡人から(譲受人ではない!)債務者へ通知するか、債務者の承諾することが要件です。

4、正しい 譲渡禁止の特約があっても、債権の譲渡自体は有効です。質権設定者が譲渡禁止特約の存在について悪意であったとしても、当該質権設定は有効となります。

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02

解説

譲渡禁止特約付きの債権を譲渡した場合です。民法改正により、譲渡禁止特約があっても、債権譲渡は有効となりました。中小企業の資金調達手法として債権譲渡が活用されることが期待されています。

1.正しい

改正民法では譲渡禁止の特約があっても、当該債権は有効に取得できます。

2.誤り

転得者(第三者)が特約の存在を知らなかった(善意)であり、重大な過失が無い場合は有効とされています。そのため、債務者は債務の履行を拒絶することができません。

3.正しい

債権の譲渡があった場合、債権者は債務者へ通知する必要があります。通知を発するのは、譲渡人(譲渡前の債権者)でなくてはなりません。

4.正しい

質権についても同様に、質権者が特約の事を知っていて質権設定をした場合も有効です。また質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができないとされています(民法343条)。

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03

正解は 2 です。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

1. 譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知っていた場合でも当該債権は有効に取得することができます。従って、本選択肢は正しいです。

2. 譲渡禁止の特約があったとしても、債権譲渡契約は有効です。譲渡禁止の特約の存在について譲受人や転得者が悪意だった場合には、債務の履行を拒むことができますが、本選択肢は「転得者が譲渡禁止特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がない」といっているので、債務者は履行拒絶できません。従って、本選択肢は誤りです。

3. 債権譲渡があったことを債務者へ対抗するには、譲渡人が債務者へ通知するか、債務者が承諾するかのどちらかが必要です。なお、通知も承諾も口頭によるものであっても有効です。従って、本選択肢は正しいです。

4. 譲渡禁止特約のある債権をもって質権の目的とした場合も、質権者がその特約について悪意であっても当該債権は有効に取得することができます。従って、本選択肢は正しいです。

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