宅地建物取引士の過去問
令和元年度(2019年)
税その他 問38

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問題

宅建試験 令和元年度(2019年) 税その他 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で宅地の売買契約を締結した場合における、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア  Bがクーリング・オフにより売買契約を解除した場合、当該契約の解除に伴う違約金について定めがあるときは、Aは、Bに対して違約金の支払を請求することができる。
イ  Aは、Bの指定した喫茶店で買受けの申込みを受けたが、その際クーリング・オフについて何も告げず、その 3 日後に、クーリング・オフについて書面で告げたうえで売買契約を締結した。この契約において、クーリング・オフにより契約を解除できる期間について買受けの申込みをした日から起算して 10 日間とする旨の特約を定めた場合、当該特約は無効となる。
ウ  Aが媒介を依頼した宅地建物取引業者Cの事務所でBが買受けの申込みをし、売買契約を締結した場合、Aからクーリング・オフについて何も告げられていなければ、当該契約を締結した日から起算して 8 日経過していてもクーリング・オフにより契約を解除することができる。
  • 一 つ
  • 二 つ
  • 三 つ
  • なし

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。誤りの選択肢は2つあります。

ア→誤った選択肢です
クーリング・オフは無条件解除を指し、買主に不利な条件は無効になります。
本文の「Aは、Bに対して違約金の支払を請求することができる」が誤りです。

イ→正しい選択肢です
宅建業法では、クーリング・オフの条件は以下のとおりです。
・事務所等以外の場所で買受けの申込み、売買契約の締結
・解除できる期間は、契約締結日から起算して8日間
本文では「買受けの申込みをした日から起算して10日間とする旨の特約」とありますが、契約締結日から起算して7日間のため買主に不利です。

ウ→誤った選択肢です
代理又は媒介の依頼がある場合には、代理・媒介された者の事務所はクーリング・オフができない事務所等にあたります。つまり、クーリング・オフが適用できない場所になります。
本文の「クーリング・オフにより契約を解除することができる」が誤りです。

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02

正解は2です。
以下、各選択肢の解説です。

ア.
クーリング・オフは、お客様が一度行った契約を無条件キャンセルすることができる制度です。
「無条件」なので、たとえ当該契約の解除に伴う違約金について定めがあっても、Aは、Bに対して違約金の支払いを請求することはできません。

イ.
クーリング・オフができる期間は、クーリング・オフについて書面で告げられた日から8日間です。
選択肢では、買受けの申込みをした喫茶店では、クーリング・オフについて何も告げられていないので、「8日間」という起算が発生しません(スタートしていません)。
その後、申込み日から3日後にクーリング・オフについて書面で告げられていますので、この日から8日間ということになります。
結局、Bがクーリング・オフできる期間は、買受けの申込み日から11日間(3日+8日間)となります。
一方、選択肢の特約は、「買受けの申込みをした日から起算して10日間」がクーリング・オフできる期間だとしています。
比較すると、特約の10日間の方が買主にとって不利となりますので、この特約は無効となります。
正しい文章です。

ウ.
買主(素人)が申込や契約を行った場所によっては、クーリング・オフができません。
売主の事務所・案内所、買主から申し出た場合の買主の自宅・勤務先などです。

選択肢に書かれている、売り主(A)が依頼している、媒介業者Cの事務所等は、売主Aの事務所等と同じ扱いになり、クーリング・オフができない場所に該当することになります。
従って、Bは、クーリング・オフにより契約を解除することができません。

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03

正解は2です。
以下、解説になります。

ア. 誤りです。
クーリング・オフによる売買契約の解除は無条件に行われます。損害賠償や違約金の支払いは請求できません。

イ. 正しいです。
クーリングオフに関する特約は、買主に不利なものであれば無効になります。
本選択肢の特約は「買受けの申込みをした日から起算して 10 日間」であり、この場合だと契約締結日から起算して7日間までしかクーリングオフができません。
本来のクーリングオフ期間である「契約締結日から起算して8日間」よりも買主に不利になるので、この特約は無効になります。

ウ. 誤りです。
「Aが媒介を依頼した宅地建物取引業者Cの事務所」は、クーリングオフに関する「事務所等」として扱います。
Bの買受けの申込みは事務所等でしたものになるので、クーリングオフによる契約解除はできません。

よって、誤っているのはア・ウの2つです。
答えは、2.二つ になります。

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