宅地建物取引士の過去問
令和2年度10月実施分(2020年)
権利関係 問8
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問題
宅建試験 令和2年度10月実施分(2020年) 権利関係 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
相続(令和2年7月1日に相続の開始があったもの)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- 被相続人の子が相続開始以前に死亡したときは、その者の子がこれを代襲して相続人となるが、さらに代襲者も死亡していたときは、代襲者の子が相続人となることはない。
- 被相続人に相続人となる子及びその代襲相続人がおらず、被相続人の直系尊属が相続人となる場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となることはない。
- 被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはない。
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この過去問の解説 (3件)
01
以下、解説になります。
1. 正しいです。
本選択肢の通りです。
相続回復の請求権は、「相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないとき」、または「相続開始から20年間経過したとき」に時効によって消滅します。
2. 誤りです。
被相続人の子が相続開始以前に死亡したときは、その者の子がこれを代襲して相続人となるが、さらに代襲者も死亡していたときは、代襲者の子(被相続人の孫)が相続人となります。
この再代襲相続があるので、本選択肢は誤りです。
3. 正しいです。
被相続人の直系尊属が相続人となる場合、兄弟姉妹が相続人となることはありません。
4. 正しいです。
兄弟姉妹の代襲相続は一代限りのもので再代襲が認められていないため、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはありません。
誤っているのは選択肢2なので、答えは2になります。
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02
相続について誤った文章を選ぶ問題です。
正解は2です。
2.誤り
これは「代襲相続」についての問題です。
代襲相続とは、被相続人(相続を残す人)の前に相続人(相続をもらう人)が亡くなった場合、その子供に相続が行くというものです。
つまり、4世代の家族でひいおじいちゃんより先におじいちゃんとお父さんが亡くなった場合、ひ孫がひいおじいちゃんの遺産を相続する、ということです。
この選択肢は代襲者の子が相続人となることはないとしていますが、代襲相続は子に引き継がれるため、誤りです。
1.正しい
相続回復の請求権についての問題です。
相続回復の請求権の消滅時効は次の2パターンです。
①相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないとき
②相続開始から20年間経過したとき
選択肢は①に該当するため、この選択肢は正解です。
3.正しい
法定相続人は配偶者がいる場合は配偶者が常に相続人となります。
それに加え次の順に相続人となります。
①子及び代襲相続人
②直系孫尊属(父母・祖父母)
③兄弟姉妹
つまり子がいれば配偶者と子(又はその代襲相続人)、子がいなければ配偶者と父母、子も父母もいなければ配偶者と兄弟姉妹というように相続は行われます。
よって子がいなければ②配偶者と直系尊属が相続人となり、兄弟姉妹は相続人とならないためこの選択肢は正解です。
4.正しい
被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合があることは選択肢3で解説しましたね。
では相続開始前にその兄弟姉妹が亡くなったらどうなるのでしょうか?
その場合、代襲相続となり甥・姪が相続人となります。
しかし、兄弟への代襲相続は1代限りであり、甥や姪の子には相続されないためこの選択肢は正解です。
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03
正解は2です。
相続は、親から子へ、子から孫へ、孫からひ孫へ・・・と受け継がせていくことを想定した制度ですので、相続人(子)も代襲者(孫)も既に死んでいる場合は、再代襲者(ひ孫)が相続人となります(民法887条3項)。
1:「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する」(民法884条前段)という文言通りですので、正しいです。
3:相続の優先順位は、子→直系尊属→兄弟姉妹の順ですので(民法887条、民法889条)、この記述は正しいです。
4:相続人である兄弟姉妹が既に死亡していた場合、代襲者の規定(887条2項)の規定は準用されていますが(889条2項)、上記の887条3項の規定は準用されていないので、この記述は正しいです。
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