宅地建物取引士の過去問
令和2年度10月実施分(2020年)
法令制限 問13
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問題
宅建試験 令和2年度10月実施分(2020年) 法令制限 問13 (訂正依頼・報告はこちら)
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するが、この区分所有者の定数は、規約で2分の1以上の多数まで減ずることができる。
- 共用部分の管理に係る費用については、規約に別段の定めがない限り、共有者で等分する。
- 共用部分の保存行為をするには、規約に別段の定めがない限り、集会の決議で決する必要があり、各共有者ですることはできない。
- 一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属するが、規約で別段の定めをすることにより、区分所有者全員の共有に属するとすることもできる。
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この過去問の解説 (3件)
01
以下、解説になります。
1. 誤りです。
規約で減ずることができる区分所有者の定数は、「過半数まで」です。
2分の1以上の多数ではありません。
2. 誤りです。
共用部分の管理に係る費用については、規約に別段の定めがない限り、共有者で等分するのではなく、「共有部分の持分に応じて」負担することとなります。
3. 誤りです。
「共用部分の保存行為」は、規約に別段の定めがない限り、「各区分所有者が単独でする」ことができます。
共有部分の管理行為であれば、集会の決議で決します。
4. 正しいです。
一部共用部分は、原則としてはこれを共用すべき区分所有者の共有に属します。
しかし規約で別段の定めをすることにより、区分所有者全員の共有にすることができます。
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02
建物の区分所有等に関する法律に関する問題です。
区分所有とは、分譲マンションなどの独立した部分を所有することです。
正解は4です。
4 正しい
一部共用部分とは一部の区分所有者のみが共有すべき部分のこと、そしてそれ以外の部分は全体共有部分と言います。
例えば店舗と住居部分が混在したマンションの店舗用の出入り口やエレベーターは店舗の区分所有者の一部供用部分、反対に住居用の出入り口やエレベーターは住居の区分所有者の一部分共有となります。
さて本選択肢は「一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属するが、規約で別段の定めをすることにより、区分所有者全員の共有に属するとすることもできる」のか?というものでしたね。これは特約によって一部共用部分を区分所有者全員のものとすることができます。
1 誤り
マンションは多くの人が集まって暮らしているため、それぞれの意見は異なります。
時には、住民で話し合い意見をまとめる必要があります。
共用部分について重大な変更がある場合、原則として、
区分所有者数・議決権の各3/4以上の多数による集会の特別決議
が必要となります。
ただし、この区分所有者の定数については、過半数まで減らすことができます。
2 誤り
共用部分の管理に係る費用についての問題です。
本選択肢では規約に別段の定めがない限り、「共有者で等分」となっていますが、正しくは「、共有部分の持分に応じて負担」することとなります。
3 誤り
共用部分の保存行為に関する問題です。
共有部分の保存行為は、各区分所有者が単独で行うことが可能です。
この選択肢は各共有者ですることができない、としているので誤りです。
ちなみに集会の決議で決する必要があるのは管理行為です。
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03
正解は4です。
一部共用部分は、共用する区分者の共有に属するのが原則ですが(区分所有法11条1項但書)、これについて「規約で別段の定めをすること」もできます(同条2項)。
選択肢4の文章は、この説明のとおりですので正しいです。
1:後半は「2分の1以上」(2分の1も含む)ではなく、過半数(2分の1は含まない)ですので、誤りです。
ちなみに、この部分以外は区分所有法17条1項の文言とほぼ同じです。
2:「等分」ではなく、「持分に応じて」負担するので、誤りです(区分所有法19条)。
区分所有法では(民法の共有や会社法の株式などの考え方もそうですが)、基本的に人数よりも、誰がどれだけ権利を持っているかを基準に権利や負担の割合が決まります。
3:「保存行為は、各共有者がすることができる」(区分所有法18条1項但書)ので、集会の決議が必要としている点で誤りです。
保存行為とは、建物等の現状維持のために行うものであるため、いちいち集会の決議がないと動けないとすると、建物がどんどんボロボロになっていってしまいます。
そこがわかれば不自然だと気づくでしょう。
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