宅地建物取引士の過去問
令和2年度12月実施分(2020年)
権利関係 問10
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問題
宅建試験 令和2年度12月実施分(2020年) 権利関係 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
不動産の共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 共有物の各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定される。
- 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
- 共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。
- 共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
不動産の共有に関する問題です。
共有者の一人が死亡して相続人がないとき、その持分は他の共有者のものとなります。
よってこの選択肢は誤りです。
1正しい
共有物の各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定されるためこの選択肢は正しいです。
ちなみに、共有者の持分は基本的に法律の規定や共有者の意志によって決められます。
2正しい
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができません。
よってこの選択肢は正しいです。
3正しい
共有物を売却したり、改築したりといった、元に戻すのが困難なレベルの変化をもたらす行為をする場合、これは変更と言って他の共有者全員の同意が必要です。
一方、共有物の賃貸などは持ち分価格の過半数の同意があればOKです。
そして壊れた個所の修理など共有物の保存行為については、各共有者が単独で行うことができます。
・使用行為 持ち分割合に応じて共有物全体を使用できる
・変更行為 共有者全員の同意が必要
・管理行為 利用・改良 持分価格の半数の同意で可能
・保存行為 各共有者が単独で可能
保存行為で覚えておきたいのが不法占拠者の排除です。
不法占拠者に明け渡しを要求するのは保存行為に当たり、単独で行うことができます。
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02
正解は4です。
「共有者の一人が、・・・死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」と定められているため(民法255条)、選択肢は誤りです。
相続人のいない財産は特別縁故者へ分与され(民法958条の3第1項)、それでも残っている場合は国庫に帰属するのが原則ですが(民法959条)、共有物でこの原則を貫くと権利関係が複雑になるため、このような定めが置かれています。
1:「各共有者の持分は、相等しいものと推定される」ため(民法250条)、この選択肢は正しいです。
2:民法251条の文言通りのため、この選択肢は正しいです。
3:「保存行為は、各共有者がすることができる」ため(民法252条ただし書き)、この選択肢は正しいです。
2,3に関係して、変更・管理・保存について少し補足しますと、民法251条の変更は共有物を売却したり、改築したりといった、元に戻すのが困難なレベルの変化をもたらすものであるため、他の共有者全員の同意が必要となります。
(保存行為以外の)管理行為は、共有物を賃貸するなど、変更に至らない程度の利用を想定したものであるため、変更の場合よりも要件が緩く、持分価格の過半数の同意があれば足りることになっています(民法252条本文)。
保存行為は壊れた個所の修理などの単なる現状維持ですので、同意などを求めずとも、必要であれば、各共有者が単独で行えます(民法252条ただし書き)。
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03
【問4.×】
共有者の一人がその持分を放棄した時、又は死亡して
相続人がいないときは、その持分は他の共有者に帰属する。(255条)
設問では「国庫に帰属する。」
としているので誤りです。
1.〇
共有者の持分は相等しいものと推定する(250条)
民法の条文の通りなので
設問は正しいです。
2.〇
・共有物に対する変更行為→共有者全員の同意が必要(251条)
ここでのポイントは、「行為の種類」によって「必要な同意」を
分けて覚えることです。
・共有者に対する管理行為→持分価格の過半数
・共有物に対する保存行為→無し(各共有者単独で可能)
よって設問は正しいです。
3.〇
共有物の管理に関する事項は、各共有者の持ち分の価格に従い
その過半数で決する。ただし保存行為は各共有者がすることができる。(252条)
共有物に対する保存行為→無し(各共有者単独で可能)
よって設問は正しいです。
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