契約当事者が死亡したときの相続についての問題です。
誤っているものを見つけていきます。
今回は4つとも不正解のため、正解は「四つ」です。
ア 誤り
この選択肢のポイントは次の2点です。
・AがBとの間で準委任契約を締結していた
・Aの相続人は、当該準委任契約を相続できるのか
そもそも準委任契約とは何でしょうか?
まず委任契約とは法律行為をすることを相手に委託し、相手が承諾することで成立する契約のことです。
この場合、Bが依頼する委任者、Aが承諾する受任者です。
そして法律行為ではない事務を委託する契約のことを準委任契約といいます。
準委任契約は、受任者が亡くなると終了します。
つまり今回準受任者であるAが亡くなるとその時点で純委任契約は終了し、Aの相続人が純委任契約に基づいて義務を相続することはありません。
イ 誤り
この選択肢のポイントは次の2点です。
・Aが所有する建物を賃貸借契約を締結してCに貸している
・Aの相続人はCに賃貸借契約をAの死亡を理由に解除できるのか
賃貸人の地位は相続されます。
そのため、賃貸人が亡くなっても相続人はAの死を理由に契約解除できません。
ウ 誤り
この選択肢のポイントは次の2点です。
・Aが所有する土地について買主Dとの間で売買契約を締結
・当該土地の引渡しと残代金決済の前にAが死亡した場合、当該売買契約はどうなるのか
売主が死んだら契約はどうなるの?と言う問題です。
売主の地位は相続されます。
そのため、買主Dに対してAの相続人は以下の義務と権利を待つことになります。
・土地を引き渡す義務
・残代金を受領する権利
エ 誤り
この選択肢のポイントは次の2点です。
・AがE所有の建物について貸主Eとの間で使用貸借契約を締結していた
・Aの相続人は、Eとの間で合意がなくても借主の地位を相続する
今回の契約は「使用賃借契約」です。
これは借主が亡くなると終了します。
つまり、相続されることはありません。
ちなみに、これが亡くなったのが借主Aではなく貸主Eの場合、使用賃借契約はEの相続人依相続されます。
また使用賃借契約ではなく「賃貸借契約」は貸主でも借主でも死亡時に相続されるので注意してください。