調理師の過去問
平成23年度
調理理論 問53

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問題

調理師試験 平成23年度 調理理論 問53 (訂正依頼・報告はこちら)

小麦粉の生地(ドウ)の物性と添加物に関する記述について、正しいものを一つ次の中から選びなさい。
  • 食塩は粘弾性を減少させる。
  • 砂糖は粘弾性を減少させる。
  • 油脂は安定性を減少させる。
  • 牛乳は安定性を減少させる。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は(2)です。

(1)食塩は粘弾性を増加させます。この効果は、うどんを作る時に用いられます。

(2)砂糖は、粘弾性を減少させ、伸展性と安定性を増大させます。この効果で、クッキーが作られています。

(3)油脂は、粘弾性を減少させ、伸展性、安定性を増大させます。この効果で、パイが作られています。

(4)牛乳や卵はは、伸展性、安定性を増大させます。この効果で、パスタが作られています。

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02

正解は 2 です。

 小麦粉が出題される際に問われやすい問題が二つあります。一つは「でんぷん」について、もう一つは「グルテン」についてです。
 小麦粉やその加工食品、同時に片栗粉、または直接でんぷんなどが問題文にあり、解答欄の多くが加水や加熱についてですと、間違いなくでんぷんについて問うています。
 また、今回の設問のように食塩や砂糖、油脂やビタミンⅭの添加などが解答欄にある場合は「グルテン」の特性について問うていると見て間違いないでしょう。

 また、小麦の特性といった形ででんぷんとグルテンが両方問われる問題もあります。

 グルテンとは、小麦粉に含まれるたんぱく質のうち、主な成分であるグルテニンと、グリアジンが、加水加圧されることで生成される、粘りと弾力のある成分です。なお、小麦粉の主成分は70%程を占める炭水化物です。

 このグルテンは添加物により大きく特性を変えます。以下に代表的な添加物の種類とその変化について列挙します。

 砂糖=グルテンの形成には水が必要ですが、砂糖は水分とより強く結びつこうとするため、生地の中の水分が奪われてしまいグルテンの結合が弱まり、粘弾性を弱めます。

 油脂=こちらは結合前のたんぱく質を油脂が覆ってしまうとやはり結合がうまくいきませんので、粘弾性を弱めます。

 牛乳=牛乳に含まれる塩分やカルシウムは、たんぱく質を固める働きがありますので、粘弾性がよくなります。

 食塩=たんぱく質の分解を抑制し、グルテンが強固になり粘弾性がよくなります。

 アスコルビン酸(ビタミンⅭ)=酸化させられることでグルテン内のアミノ酸同士の結合を促進。粘弾性がよくなります。

 安定性の定義がいまいちわからなかったので特にかたらなかったのですが、すくなくとも油脂の場合はたんぱく質表面を油脂が覆うことで変化し辛くなっています。牛乳についてはカルシウムがたんぱく質の熱凝固を促進する程度しか関係性が調べきれず、安定性との関連が調べきれませんでした。

 
 

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03

正解は(2)です。

小麦粉の主成分は、グリアジンとグルテニンが網状に絡み合ってできた「グルテン」と呼ばれる粘性のあるたんぱく質です。

(1)誤りです。食塩はグリアジンの粘性を強めるため、粘弾性は増加します。

(2)正解です。砂糖はグルテンの結合力を弱めるため、粘弾性を減少させます。

(3)誤りです。油脂はグルテンの形成を抑制するため、粘弾性は減少するかわりに、安定性は上昇します。

(4)誤りです。牛乳は安定性を上昇させます。

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04

(2) 砂糖は粘弾性を減少させる。
が正解です。

小麦粉に水を加えてこねると、小麦粉に含まれるたんぱく質「グリアジン」と「グルテニン」が絡みあって粘弾性のある「グルテン」に変化します。

砂糖は水分を奪う作用があり、小麦粉に砂糖を加えると、小麦粉と水が混ざってグルテンが結合するはたらきを抑えます。

(1) × 逆で、食塩は小麦粉の粘弾性を高めて、伸びの良い生地を作ります。

(3)× 油脂を入れるとグルテンが形成されにくくなるので、時間が経っても伸びが良く、柔らかいままの生地を保つことができます。
パイ生地を作る時には、成形しやすくする効果をもたらします。
パンや焼き菓子の風味やそれぞれの食感を作る役割もあります。

(4)× 牛乳も生地の伸びの良さ、安定性を良くする役割があります。

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