調理師の過去問
平成23年度
調理理論 問54

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問題

調理師試験 平成23年度 調理理論 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

砂糖の性質に関する記述について、正しいものを一つ次の中から選びなさい。
  • 砂糖を入れると、プディングはやわらかく固まる。
  • 砂糖溶液に微量の塩を加えると、甘味が減少したように感じる。
  • 砂糖が 170~180℃に加熱され茶色に変化することを、ゲル化という。
  • 卵白泡に砂糖を加えると、きめの粗い泡になる。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は(1)です。

砂糖の効果は様々で、言葉として覚えるのも大事ですが、その特性が、何に使われているかを、合わせて覚えておくと、柔軟に問題に対応できます。

・肉の水分を保ち、ジューシーな肉にする(保水効果)
・桃などの褐変を防ぐ(酸化防止・抑制効果)
・ジャムを作る(ゲル化、ゼリー化)
・パンが膨らむ(発酵促進効果)
・乾物をきれいに戻す(浸透圧)
・ようかんなど、砂糖漬けの腐敗を防止する(腐敗防止効果)
・アイスキャンディを柔らかくする(凝固点降下作用)
・シロップやカラメルに変化する(温度による変化)
・時間がたった団子でも柔らかく保つ(でんぷんの老化防止効果)
・ケーキなど、美味しそうな色と香りをつける(メイラード反応)
・ホイップクリームを滑らかにする(泡の安定効果)

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02

正解は(1)です。

砂糖には、水の分子を抱え込む親水性と、抱え込んだ水分を放しにくい保水性があります。この特性により様々な調理の場面で砂糖が利用されます。

(1)正解です。砂糖には、たんぱく質が加熱によって固まる性質を抑えるはたらきがあるため、プディングなどは固くなりすぎず柔らかな食感となります。

(2)誤りです。2種類以上の異なる味を混合したときに、味が強められる現象のことを、味の対比効果と呼びます。スイカに塩を振って食べると、甘味が増すように、砂糖溶液に微量の塩を加えることで甘味は増強したように感じます。

(3)誤りです。砂糖が170~180℃に加熱され茶色に変化することは、カラメル化といい、ソースなどの商品の着色やプリンなどにかけるなどして用いられます。

(4)誤りです。砂糖の性質により、泡を形成するたんぱく質の水分を砂糖が抱え込むため、泡が安定しきめの細かい泡を形成します。

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03

正解は 1 です。

 砂糖の働きの一つにたんぱく質の熱凝固性に影響を与えるというのがあります。
 これはどういうことかといいますと、たんぱく質は加熱されることで、材質にもよりますが一定の温度で固まりはじめます。これを利用したものが卵焼きやゆで卵などです。
 ここに砂糖を加えることで熱凝固が始まる温度がより高くなります。すなわち固まりにくくなるということです。
 例えばプディングを作る際に砂糖を添加し忘れた場合、一定の温度を超えるといっきに固くなってしまい、ようするに卵焼きのような食感となります。
 砂糖を加えることで、本来一気に固くなる反応をゆっくりにすることで、人にとってなめらかな食感を経る温度層を作り出すことができるようになります。

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04

(1) 砂糖を入れると、プディングはやわらかく固まる。
が正解です。

砂糖には、たんぱく質が凝固する温度を高くする作用があります。
そのため、プディングを作る時には砂糖が卵の固まり過ぎを抑え、柔らかく仕上げます。
また、す(ブツブツした気泡)が入るのを防ぎ、なめらかな食感を作ります。

(2)× 逆で、砂糖溶液に微量の塩を加えると、味の「対比効果」によって甘みが強く感じられます。

(3)× 砂糖は加熱すると形状が変化します。165℃でべっこうあめ、180℃くらいでカラメルに変化します。
問題文の「茶色に変化すること」はべっこうあめやカラメルになることを指しているのでしょう。
ゲル化とは、液体の粘度が高まって流動性がなくなること、ゼリー状になることなので、砂糖を170~180℃に加熱して茶色に変化することではありません。

(4)× 砂糖には卵白の水分を保つ作用があるので、泡立てる時に砂糖を加えると、きめ細かい卵白泡を作ることができます。

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