調理師の過去問
平成23年度
調理理論 問52
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問題
調理師試験 平成23年度 調理理論 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
でんぷんに関する記述について、正しいものを一つ次の中から選びなさい。
- でんぷんに水を加えて加熱すると、糊化し消化性が高まる。
- 糊化でんぷんを低温で放置すると、粘度が上昇する。
- 糊化でんぷんの水分を除去すると、消化性が低下する。
- 砂糖を添加すると、でんぷんは老化しやすい。
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この過去問の解説 (4件)
01
でんぷんの「糊化」と「老化」は、整理して覚えて起きたい項目です。
ご飯を炊く=糊化する
ご飯を放置する=老化する
これは、お米で考えると判り易いです。
(1)お米は炊くと、消化が良くなります。
(2)ご飯は、冷蔵庫に保管すると、ポロポロになります。つまり、粘度が下がります。
(3)ご飯が乾燥すると、お米には戻りません。
なので、消化性は低下しません。
(4)ご飯に砂糖を混ぜると、柔らかいままです。
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02
でんぷんは、水とともに加熱すると、水を吸収して膨張し糊化します。
この状態のことを「αでんぷん」といい、糊化前の状態を「βでんぷん」といいます。
αでんぷんは柔らかく消化が良いのが特徴です。αでんぷんは放置することで、β化し状態に戻ります。
(1)正解です。αでんぷんは柔らかく消化性が高くなります。
(2)誤りです。低温下では、β化が進みやすくなり、粘度は低下します。
(3)誤りです。糊化でんぷんの水分を除去した状態とは、せんべいや干し飯のことで、α化のまま固定したものであるため消化性は低下しません。
(4)誤りです。砂糖を添加することで、α化を長く保つことができます。
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03
が正解です。
でんぷんは水に溶けません。でんぷんに水を加えると、でんぷんが沈殿して、白濁した液になります。
しかし、でんぷんに水を加えたものを加熱すると、でんぷんを構成する粒子のアミロースやアミロペクチンが膨張して崩壊し、水の中に散らばります。
すると、でんぷんが透明で粘り気がある状態に変化します。この反応を糊化(こか)といいます。
硬い米を炊飯すると、もちもちしたご飯になるのが糊化です。
糊化したでんぷんは、柔らかくなり消化性が高まります。
(2)× 糊化したでんぷんを低温で放置すると、でんぷんの粒子が再び再結晶化するので、粘度が低下します。これを「老化」といいます。
ご飯が冷めると粘り気がなくなってパサパサするのが、でんぷんの老化です。
(3)× 逆で、糊化したでんぷんの水分を除去すると、老化が起こりにくくなり、消化性も低下しなくなります。
あえて、糊化でんぷんの水分を除去して作る食品には、即席めん、せんべいなどがあります。
(4)× 逆で、砂糖にはでんぷんの老化を抑える作用があり、飯や餅などの水分と柔らかさを保つ効果があります。
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04
でんぷんは加水加熱するとでんぷん同士の隙間に水分が入り消化しやすい形になります。これを「α化(糊化)」といいます。米と炊いたときや餅をつく再などに起きる現象です。
これとは逆に冷やされたり乾燥するとでんぷん同士の間隔が再びせばまり固くなり、消化し辛くなります。これを「β化(老化)」といいます。
水気が残ってβ化したでんぷんを再び加熱すると、すでにα化に必要な水分を保持しているために再度α化します。このようにα化とβ化は繰り返すことができます。
しかし、β化してから水分がおよそ40%を切ると今度は加水加熱をしてもα化することができません。ところが焼いたり揚げたりするとα化がおこります。この原理を用いるのがせんべいなどの米菓子です。
また、α化した際に急速に水分を10%以下にすることができれば、α化したまま保存することができます。
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