調理師の過去問
平成23年度
調理理論 問58
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問題
調理師試験 平成23年度 調理理論 問58 (訂正依頼・報告はこちら)
鶏卵の調理に関する記述について、正しいものを一つ次の中から選びなさい。
- 卵白を泡立てる際の適温は、60~70℃である。
- 卵黄が乳化すると、油中水滴型の乳濁液をつくる。
- 卵液の熱凝固性は、糖濃度や pH の影響を受ける。
- 卵液の乳化性は、そのままフリーザーで凍結しても変化しない。
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この過去問の解説 (4件)
01
(1)誤りです。卵白を泡立てる際は、20〜30℃の常温で泡立てることで、きめ立ちが良くなります。温度が高すぎると泡立ちは早くなりますが、きめは荒くなります。
(2)誤りです。乳化の状態には、水の中に油が混ざる状態の「水中油滴型」と油の中に水が混ざる状態の「油中水滴型」があります。卵黄が乳化すると、水中油滴型の乳濁液をつくります。
(3)正解です。卵液に砂糖を加えると、たんぱく質が加熱によって固まる性質を抑えます。このように卵液の熱凝固性は、糖濃度や pH の影響を受けます。
(4)誤りです。凍結によってたんぱく質が脱水され、変性され熱凝固性や乳化性は低下します。
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02
が正解です。
卵を加熱すると固まるのは、たんぱく質が熱によって凝固する性質を持つためです。この性質を「熱凝固性」といいます。
砂糖にはたんぱく質が凝固する温度を高くして、卵液が急に凝固するのを防ぎます。
そのため、卵液に砂糖を加えるとゆるやかに固まっていき、柔らかくなめらかな仕上がりになります。
また糖濃度が高くなるほど、柔らかく仕上がります。
卵とpHが大きく異なる酢は、たんぱく質の熱凝固を促進させる作用があります。
卵白は弱アルカリ性、酢は酸性です。
たとえば、ポーチドエッグを作ったり、ゆで卵のひび割れを防ぐ時お湯に酢を入れたりするのは、酢が卵白を早く固める作用を利用したものです。
(1)× 卵白を60~70℃で泡立てるのは温度が高すぎます。卵白は常温で泡立てるのが基本です。
冷やしたり温めたりすることもありますが、温度が低いと泡立つのに時間がかかり、温度が高すぎると泡があらく仕上がってしまうので良くありません。
(2)× 卵黄が乳化すると「油滴水中型」ではなく「水中油滴型」の乳濁液が作られます。
本来、混ざり合うことのない水と油を混ぜ合わせ、乳濁液(エマルション)を作る作用を「乳化」といいます。
卵黄に含まれるレシチンには乳化作用があり、酢と油に加えて乳化させマヨネーズを作ります。
エマルションの種類には、水の中に油滴が分散する「水中油滴型(O/W型)」と油の中に水滴が分散する「油中水滴型(W/O型)」があります。
水中油滴型…牛乳、マヨネーズ、生クリームなど
油中水滴型…バター、チーズ、マーガリンなど
(4)× 冷凍すると卵が変性して乳化性が失われます。
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03
(1)卵白は、常温で泡立てます。
滑らかなメレンゲを作る場合には、泡立て難くいけれど、空気が細かく入る、低温で泡立てます。
(2)水中油滴型の乳濁液を作ります。
(4)冷凍すると変化します。
冷凍した卵は、泡立ちません。
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04
この熱凝固性というのは、ようするに熱すると固まる性質ということです。
これは鶏卵に含まれるたんぱく質が熱せられることで分子構造に変化が起きることでおこります。
また、糖濃度の影響についてですが、砂糖にはたんぱく質の熱凝固を遅らせるという作用があります。硬度は砂糖の量に応じて減少します。甘い卵焼きと甘くない卵焼きでは固さに違いがでます。
次にpHの影響ですが、極端にpH値が変化すると、たんぱく質を構成するアミノ酸群の状態が変化を起こし、熱した時と同じようにたんぱく質の変性が起こります。例えば牛乳にレモン汁を加えると固まりだすのが身近にある例です。
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