調理師の過去問
平成26年度
食品衛生学 問37

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問題

調理師試験 平成26年度 食品衛生学 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

有毒キノコに関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 有毒キノコの判別は非常に難しく、自生キノコを不用意に採食することは大変危険である。
  • 適切な方法で加熱調理や冷凍処理をすることにより、キノコの毒素を分解することができる。
  • ツキヨタケは、食用シメジ類やウラベニホテイシメジと似ているため誤食が多い。
  • キノコ中毒の症状は嘔吐、腹痛、下痢などであり、幻覚などの神経症状が現れることはない。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は「有毒キノコの判別は非常に難しく、自生キノコを不用意に採食することは大変危険である。」 です。

選択肢1. 有毒キノコの判別は非常に難しく、自生キノコを不用意に採食することは大変危険である。

一見無毒のキノコにしか見えないものや、紛らわしい見た目のキノコがあるため、慣れた人でも間違えることがあります。

選択肢2. 適切な方法で加熱調理や冷凍処理をすることにより、キノコの毒素を分解することができる。

ごく一部の毒キノコでは、加熱することで毒性の消えるものがありますが、基本的には毒キノコの毒素は熱処理で消えることはありません。

選択肢3. ツキヨタケは、食用シメジ類やウラベニホテイシメジと似ているため誤食が多い。

ツキヨタケは死亡例もある毒キノコです。その形状はシイタケやムキタケ、ヒラタケに似ています。

選択肢4. キノコ中毒の症状は嘔吐、腹痛、下痢などであり、幻覚などの神経症状が現れることはない。

主なキノコ中毒として

・消化器症状ー腹痛、下痢

・脳症型症状ー狂騒状態、幻覚

・コレラ様症状ー激しい下痢、腹痛、痙攣

があります。

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02

正解は【有毒キノコの判別は非常に難しく、自生キノコを不用意に採食することは大変危険である。】です。

選択肢1. 有毒キノコの判別は非常に難しく、自生キノコを不用意に採食することは大変危険である。

日本は、気温や湿度等の影響もありキノコ類の生育に適しており、食用が栽培、または自生しています。しかし、キノコ類の中には有害なものが多く、食用キノコと間違えられ、毎年中毒を起こしています。

選択肢2. 適切な方法で加熱調理や冷凍処理をすることにより、キノコの毒素を分解することができる。

有毒成分は、ムスカリン・アマニタトキシン等があるが、これらは熱により変化しせず、高致命率です。

選択肢3. ツキヨタケは、食用シメジ類やウラベニホテイシメジと似ているため誤食が多い。

ツキヨタケはシイタケ、ヒラタケに間違えられる例があります。

選択肢4. キノコ中毒の症状は嘔吐、腹痛、下痢などであり、幻覚などの神経症状が現れることはない。

症状はコレラ様症状型、神経系症状型、消化器系障害型が知られています。

参考になった数20

03

日本は夏が高温多湿の気候のため、様々なきのこが自生しています。食用と判別がつかない物も多く、毒は加熱や冷凍処理で無毒化できるとは限らないため、自生しているきのこは食べないのが原則です。

毒性も様々で神経症状を呈するきのこも多数存在し、死亡例もあります。

国が注意を呼び掛けている、食用キノコと間違えやすい毒キノコを一覧で記載します。

・カキシメジ

間違えやすいきのこーシイタケ

毒性ーウスタリン酸:食後30分~3時間後に頭痛を伴い、嘔吐、下痢、腹痛

・クサウラベニタケ

間違えやすいきのこーホンシメジ、ウラベニホテイシメジ、ハタケシメジ

毒性ー溶血性タンパク、コリン、ムスカリン、ムスカリジンなど:嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系中毒、発汗などムスカリン中毒

・スギヒラタケ

間違えやすいきのこーヤフキタケ

毒性ー毒成分不明:腎疾患のある人は急性脳炎を起こす。意識障害、不随意運動、上肢振戦、下肢脱力

・ツキヨタケ

間違えやすいきのこーヒラタケ、シイタケ

毒性ーイルジンS、イルジンM、ネオイルジン:食後30分~1時間程で嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系中毒症状、幻覚痙攣を伴うこともある

・ニガクリタケ

間違えやすいきのこーナメコ、クリタケ、ナラタケ

毒性ーファシキュロール、ファシキュリン酸、ムスカリン:食後3時間程で強い腹痛、激しい嘔吐、下痢、悪寒、重症では脱水症状、アシドーシス、痙攣、ショックが現れ死亡することもある

・ネズミシメジ

間違えやすいきのこーシモフリジメジ(食用)

毒性ー毒成分は不明であるがインドール、トランス-2-ノネナールを含む:食後30分~数時間で嘔吐、下痢、腹痛

・ハイイロシメジ

*良い出汁が出て、味も良いことから食する事があるが、食用にすべきではない

毒性ー毒成分は不明、ネブラリン、レクチンタンパクを含む:食後数十分~24時間以内に嘔吐、下痢など消化器系中毒

・ヒメアジロガサ

間違えやすいきのこーナラタケ(食用)

毒性ー毒成分不明であるがネブラリン、レクチンタンパクを含む:激しい消化器系中毒症状、コレラ様症状、肝臓肥大

・ベニテングタケ

*塩漬けにして食する地域もあるが毒キノコである。

毒性ーイボテン酸、ムッシモール、ムスカリン:食後30分程で消化器系中毒症状、めまい、錯乱、運動失調、幻覚、興奮、抑うつ、痙攣など神経症状、死亡例もある

食用と見間違えやすい又は食用としている地域もある毒キノコを挙げました。この他にもきのこは沢山の種類があります。

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04

正解は「有毒キノコの判別は非常に難しく、自生キノコを不用意に採食することは大変危険である。」です。

選択肢1. 有毒キノコの判別は非常に難しく、自生キノコを不用意に採食することは大変危険である。

正解です。有毒キノコの判別は難しく、一般には野生しているキノコを不用意に食べることは危険です。

選択肢2. 適切な方法で加熱調理や冷凍処理をすることにより、キノコの毒素を分解することができる。

誤りです。キノコの毒素は、加熱調理や冷凍処理をしても、分解することはできないとされています。一部地域では塩蔵や加熱で食すこともありますが、手順により無毒化が不十分で中毒する可能性があることや、同種のキノコでも含まれる毒成分に個体差があるため、安易な判断で毒キノコを食することは大変危険です。

選択肢3. ツキヨタケは、食用シメジ類やウラベニホテイシメジと似ているため誤食が多い。

誤りです。ツキヨタケは、シイタケやムキタケと似ているため誤食が多いとされています。クサウラベニタケという毒キノコが、食用のハタケシメジやホンシメジ、ウラベニホテイシメジと似ています。

選択肢4. キノコ中毒の症状は嘔吐、腹痛、下痢などであり、幻覚などの神経症状が現れることはない。

誤りです。キノコ中毒の症状は嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状を呈するものに加えて、目眩や興奮、麻痺などを起こす神経症状を呈するものもあります。

参考になった数13