調理師の過去問
令和2年度10月実施分
食品衛生学 問26
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問題
調理師試験 令和2年度10月実施分 食品衛生学 問26 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の保存に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 塩漬け法は、塩の添加により結合水を増加させる方法である。
- 酢漬け法は、pHを上昇させて微生物の増殖を抑える方法である。
- 乾燥法は、食品中の自由水の割合を増加させる方法である。
- 氷温貯蔵では、食品中の水を凍結させて保管する方法である。
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この過去問の解説 (3件)
01
食品に含まれる水分には「自由水」と「結合水」があります。
自由水:蒸発することができる。細菌が増殖しやすい。
結合水:塩、たんぱく質などと結合している。細菌が増殖しにくい。
食品を塩漬けにすると、浸透圧によって自由水が出ていき、塩を含む結合水は増えるので、細菌の増殖が抑えられ、保存が効くようになります。
自由水と結合水の割合をあらわす目安に水分活性(Aw)があります。
Awが1に近いほど自由水の割合が多くなり、Awが低くなるほど自由水の割合が減って微生物が増殖しにくくなります。
(微生物が活動できなくなるのはAw 0.60以下)
各選択肢については、以下のとおりです。
1.設問のとおり、塩漬け法は結合水を増加させる保存法なので「正解」です。
2.酢漬け法は食品のpHを下げて微生物の増殖を抑える保存法なので「誤り」です。
pHの数値は酸性で低くなり、アルカリ性で高くなります。酢は酸性でpH3前後、微生物が増殖するには低すぎるpHなので、酢漬けにすると食品を保存することができるようになるのです。
3.「誤り」です。乾燥させるとは食品中の自由水を抜くことなので、自由水が減り微生物の増殖が抑えられるようになります。
4.「氷温貯蔵」は食品中の水分を凍結させないので「誤り」です。
氷温貯蔵は、凍結する温度より少し高めの-2~2℃くらいで貯蔵する方法です。組織が凍らないので美味しさを保ち、低温により微生物の増殖も抑えるメリットがあります。
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02
食品の保存に関する記述で正しいのは1の「塩漬け法は塩の添加によって結合水を増加させる方法」です。塩漬けは食材に食塩を加えることで食材に含まれる水分を奪い、また同時に微生物細胞も脱水し生育を抑制させる方法になります。その際の食塩濃度は10%以上にすることで細菌の増殖が抑えられる保存方法です。
その他の回答選択肢は以下の通りです。
回答2:酢漬け法はpHを3以下にすることで微生物の生育や増殖を抑えられる方法になり間違いです。
回答3:乾燥法は食品中の水分を15%以下にすることで細菌を繁殖しにくい状態にする方法なので間違いです。
回答4:氷温貯蔵では食品中の水分が凍る前の温度(凍結点より高い温度帯)で保管する方法なので間違いです。
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03
1:塩漬け法は、塩の濃度が高くなることで、食品中の水分の一部が結合水となり、水分活性が低くなることにより、微生物の増殖を抑えることができます。
肉類、魚類、野菜類は塩漬けにして保存できます。
⇒よって正解です。
2:酢漬け法ではpHが酸性に傾くことから、微生物の発育が阻害されます。pHを下げる方法で、この原理を応用したのが漬け物法です。
3:乾燥法は、微生物が発育するには水分が必要であることから、食品を乾燥させて(水分活性を低くする)微生物が発育しにくい状態にして保存する方法です。
乾燥の程度は、食品によって異なりますが、大体水分を15%以下にするのが普通です。
4:氷温貯蔵は、0℃より低く凍結点(食品が凍り始める温度)より高い温度帯で冷却・貯蔵する方法です。
冷蔵やチルドに比べて長く保存できますが、冷凍ほど長時間の保存はできません。鮮魚や精肉、野菜、果物などに利用されています。
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