調理師の過去問
令和2年度10月実施分
食品衛生学 問33

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問題

調理師試験 令和2年度10月実施分 食品衛生学 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

自然毒食中毒に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • ベロ毒素は、シガテラ毒魚が産生する毒素である。
  • フグ毒による主な中毒症状は、激しい頭痛である。
  • テトロドトキシンは、100℃1時間の加熱では不活性化されない。
  • イシナギの肝臓の多量摂取により、ビタミンD過剰症が起こる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

テトロドトキシンは、フグ毒の主成分です。

テトロドトキシンの特徴

・一般的な加熱では不活性化されない。
・神経毒である。
・フグを食べて食後20分~3時間程度で中毒が起こる。
・嘔吐、しびれ、麻痺などの症状が起こる。
・血圧降下、呼吸停止で死に至ることもある。


テトロドトキシンが含まれる部位はフグの種類によって異なり、主に肝臓、卵巣、精巣、筋肉に含まれます。
フグを調理する場合は、食用可能なフグを選び、有毒部位を除去しなければなりません。

(トキシンは毒素のことで「~トキシン」という用語が出てくれば、これは自然毒と判断できます。)


各選択肢については、以下のとおりです。

1.ベロ毒素は「腸管出血性大腸菌」が産生する毒素なので「誤り」です。

ベロ毒素は、毒性が強く尿毒症や脳症を起こします。腸管出血性大腸菌による食中毒に「O157感染症」がよく知られます。

2.フグ毒による主な中毒症状は、しびれ・麻痺などの神経を阻害する症状なので「誤り」です。

3.テトロドトキシンは加熱しても不活性化されないので「正解」です。

4.イシナギの肝臓は、ビタミンDではなくビタミンAが大量に含まれるので「誤り」です。

食べると中毒としてビタミンA過剰症が起こります。イシナギの肝臓は1960年に食用が禁止されました。

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02

正解は3です。

自然毒食中毒に関する記述で正しいのは3の「テトロドトキシンは100℃で1時間の加熱では不活性化されない」です。テトロドトキシンは動物性自然毒食中毒に属するフグ中毒になる病因物質になります。テトロドトキシンは100℃で20分加熱しても20%ぐらいしか不活性化されず、強い酸やアルカリに弱い物質です。

その他の回答選択肢は以下の通りです。

回答1:ベロ毒素はo-157の大腸菌の中で強い毒力を持っています。またシガテラ毒魚は毒化した魚で主にオニカマス(毒カマス)やバラフェダイなどになりますので間違いです。

回答2:フグ毒による主な中毒症状は神経まひで、最初に知覚まひし運動まひを引き起こし、最後は呼吸まひにより死亡する毒なので激しい頭痛は間違いです。

回答4:イシナギの肝臓の多量摂取によりビタミンA過剰症に似た症状が引き起こるので間違いです。

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03

正解は3です。

1:シガテラ毒魚が産生する毒素はシガトキシンです。
バラハタ、バラフエダイ、オニカマスなどの熱帯、亜熱帯に生息する魚類の喫食によって起こる中毒です。
ベロ色素はO157が産生する毒素です。

2:フグ毒の成分はテトロドトキシンです。
主な中毒症状は、感覚麻痺から呼吸困難へ進み、多くは死に至ります。
激しい頭痛は中毒症状ではありません。

3:テトロドトキシンはフグ毒の成分です。熱に強く、煮沸しても無毒になりません。毒は水に溶けにくいですが、有毒な内臓は捨て、肉を大量の水で洗って調理の万全を期すことで防ぐことができます。
ふぐ調理免許をもつ調理師が正しく調理すれば、食中毒の心配がありません。
⇒よって正解です。

4:イシナギ中毒は、イシナギの肝臓の多量摂取により、ビタミンA過剰症状が起こります。
イシナギの肝臓は昭和35年以降、食用禁止となっています。

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