調理師の過去問
令和4年度
食品衛生学 問4

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

調理師試験 令和4年度 食品衛生学 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

クリプトスポリジウムに関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
  • 集団感染が報告されている。
  • 飲料水から感染する。
  • 主な症状は、水様性下痢である。
  • 加熱殺菌は、無効である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

クリプトスポリジウム飲料水から感染する原虫です。加熱殺菌が可能ですが耐塩素性病原微生物」であるため、塩素消毒をしても死滅しません。そのため、水道水がクリプトスポリジウムに汚染されると集団感染が発生する危険性が高まります。

類似する問題が出やすいので、クリプトスポリジウムの特徴は確実に覚えておきたいです。

選択肢1. 集団感染が報告されている。

記述のとおりです。国内最初の集団感染は1994年に神奈川県で発生しました。以降も件数は少ないものの全国で集団感染が報告されています。

クリプトスポリジウムは塩素で死滅しないため、塩素で病原体を消毒している水道水にひとたび混入してしまうと、その水道水を利用する地域で集団感染のリスクが高まるのです。

なお、全国の浄水施設からクリプトスポリジウムが検出されることはありますが、給水停止などの措置が行なわれているため、近年は集団感染が起こっていません。

選択肢2. 飲料水から感染する。

記述のとおり、クリプトスポリジウムに汚染された飲料水から感染します。

クリプトスポリジウムはヒトや動物の腸管に寄生する原虫で、感染した人や動物の糞便を介して汚染が広がります。国内での集団感染は水道の飲料水やプールなどの施設を介して起こっています。

選択肢3. 主な症状は、水様性下痢である。

記述のとおり、クリプトスポリジウム症の主な症状は水様性下痢です。さらさらした水分の多い下痢が特徴で、そのほか、腹痛、嘔吐、軽い発熱などの症状を伴うこともあります。

選択肢4. 加熱殺菌は、無効である。

クリプトスポリジウムは加熱殺菌が有効なので、記述は正しくありません。よってこちらを選ぶのが正解となります。

まとめ

クリプトスポリジウムは、塩素消毒が効かないために浄水施設の水道で検出されることのある原虫です。加熱で消毒できるが塩素では消毒できないことを覚えておきましょう。

参考になった数93

02

クリプトスポリジウムは人や動物である牛や豚、犬、猫などの腸に寄生する原虫です。

クリプトスポリジウムは汚染された飲食物を介してから感染します。

世界中でみられ、下水施設などの衛生施設が整っていない地域での飲食や水泳などで感染します。

選択肢1. 集団感染が報告されている。

クリプトスポリジウムは汚染された飲食物や水遊びなどでも感染するリスクがあり、集団感染する可能性があります。

選択肢2. 飲料水から感染する。

クリプトスポリジウムは汚染された食べ物や飲料水を介して口から感染します。

選択肢3. 主な症状は、水様性下痢である。

クリプトスポリジウムの主な症状は水様性下痢腹痛吐き気嘔吐軽い発熱で、感染しても症状が現れない人もいます。

選択肢4. 加熱殺菌は、無効である。

クリプトスポリジウムは乾燥熱に弱いので、飲料水、氷など1分間以上煮沸する必要があり加熱殺菌は有効的です。

まとめ

クリプトスポリジウムは衛生施設が整っていない地域に多くみられます。

飲食物は良く加熱殺菌したものを口にして、川や池、湖などでの水泳は控えましょう。

参考になった数21

03

クリプトストリジウムは寄生虫による感染症です。

選択肢1. 集団感染が報告されている。

クリプトストリジウムの集団感染例は日本国内で2例報告されています。

選択肢2. 飲料水から感染する。

汚染された水や食べ物から感染します。

選択肢3. 主な症状は、水様性下痢である。

4〜10日間の潜伏期間で水溶性の下痢を症状として発症します。

人により腹痛、吐き気、嘔吐、37〜38℃台の発熱を伴う場合もあります。

選択肢4. 加熱殺菌は、無効である。

×

クリプトストリジウムは湿潤な環境下で感染力を維持します。

そのため乾燥・加熱による殺菌に弱く1分以上の煮沸で死滅します。

まとめ

クリプトストリジウムは水溶性の下痢と激しい腹痛、吐き気、嘔吐が主な症状です。

汚染物質による経口感染が原因の感染症で、潜伏期間は4~10日程度です。

集団感染の事例が多く報告されています。

参考になった数13