中小企業診断士の過去問
平成27年度(2015年)
経済学・経済政策 問22
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成27年度(2015年) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
いま、ある事業を独占的に提供している既存の企業Aがある。この事業には、新規参入を希望する企業Bも存在している。企業Aは、この事業で「高価格」戦略か「低価格」戦略を採用することができ、企業Bは、「参入」ないし「参入せず」を選択することができる。以下の樹形図は、このようなゲームの様子を整理したものであり、カッコ内の値は、左が企業A、右が企業Bの利得を表している。なお、政府は、この事業へ参入規制を設けて、新規企業Bが「参入」を選択できないように計らうこともできる。
このときの記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 政府が参入規制を設けていない場合、企業Aが「高価格」を設定し、企業Bが「参入せず」を選択するのはナッシュ均衡である。
b 政府が参入規制を設けていない場合、企業Aが「低価格」を設定し、企業Bが「参入せず」を選択するのはナッシュ均衡である。
c バックワード・インダクションの解では、政府が参入規制を設けていない場合、企業Bは「参入せず」を選択する。
d バックワード・インダクションの解では、政府が参入規制を設けている場合、企業Aは「低価格」を選択する。
このときの記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 政府が参入規制を設けていない場合、企業Aが「高価格」を設定し、企業Bが「参入せず」を選択するのはナッシュ均衡である。
b 政府が参入規制を設けていない場合、企業Aが「低価格」を設定し、企業Bが「参入せず」を選択するのはナッシュ均衡である。
c バックワード・インダクションの解では、政府が参入規制を設けていない場合、企業Bは「参入せず」を選択する。
d バックワード・インダクションの解では、政府が参入規制を設けている場合、企業Aは「低価格」を選択する。
- aとc
- aとd
- bとc
- bとd
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この過去問の解説 (2件)
01
ゲーム理論についての出題です。
ナッシュ均衡とは、非協力ゲームの状況において、各プレーヤーは自分の利得が最大となる最適な戦略を選択し合っている状態のことを言います。
バックワードインダクションとは、後ろから前に遡って最適な行動を決め、最適でない行動を消去する方法です。
a 間違い
政府が参入規制を設けていない状態で先手である企業Aは自社にとって最適な選択「高価格」を選択すると、企業Bは「参入」を選択するのがナッシュ均衡です。
b 正しい
政府が参入規制を設けていない状態で先手である企業Aは「低価格」を選択する場合、企業Bは自社にとって最適な「参入せず」を選択するのがナッシュ均衡です。
c 正しい
企業Bの行動を企業Aが先に把握できる場合、企業Aは「低価格」を選択し、企業Bは「参入せず」を選択します。
d 間違い
参入規制がある場合、企業Aの選択は「高価格」なります。
よって、正解は3(bとc)です。
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02
政府が参入規制を設けていない場合で、企業Aが高価格を設定した際に、企業Bが「参入」を選択することがナッシュ均衡となります。
b:適切です。
記述の通りです。
c:適切です。
記述の通りです。
d:不適切です。
参入規制がある場合、企業Bは参入できません。その場合企業Aが「高価格」を選択することで最も大きな利潤を得ることができます。
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