中小企業診断士の過去問
平成27年度(2015年)
財務・会計 問23

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 平成27年度(2015年) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

E社は、2つのプロジェクト(プロジェクトAおよびプロジェクトB)の採否について検討している。両プロジェクトの収益率は、今夏の気候にのみ依存することが分かっており、気候ごとの予想収益率は以下の表のとおりである。なお、この予想収益率は投資額にかかわらず一定である。また、E社は、今夏の気候について、猛暑になる確率が40%、例年並みである確率が40%、冷夏になる確率が20%と予想している。


2つのプロジェクトに関する記述として最も適切なものはどれか。
問題文の画像
  • 2つのプロジェクトに半額ずつ投資することで、どちらかのプロジェクトに全額投資した場合よりもリスクが低減される。
  • 2つのプロジェクトの予想収益率の相関係数は0以上1未満となる。
  • プロジェクトAのリスクのほうがプロジェクトBのリスクよりも大きい。
  • プロジェクトBの期待収益率は負である。

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この過去問の解説 (2件)

01

項番1:適切です。
両プロジェクトは、気候に対して一方はプラス、一方はマイナスと反対の動きを示すプロジェクトである事が分かります。
そのため両プロジェクトへ半分ずつ投資をすることによってリスクが低減されます。

項番2:不適切です。
項番1の記述のように正反対の動きをするプロジェクトの相関係数はマイナスとなります。

項番3:不適切です。
プロジェクトAの標準偏差は3.3%、プロジェクトBの標準偏差は4.5%です。そのためプロジェクトBのリスクがより大きくなります。

項番4:不適切です。
プロジェクトBの期待収益率は以下の通りです。
-4×40%+2×40%+8×20%=0.8%
そのため期待収益率は正となります。

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02

まず、AとBの期待収益率を求めます。

プロジェクトの期待値については、天候毎の予想収益を天気の予報の加重平均で求められます。

よって、Aの期待収益率は2%、Bの期待収益率は0.8%と算出できます。

次にAとBの共分散と相関係数を計算します。

共分散=(Aの投資収益率-Aの期待値)×(Bの投資収益率-Bの期待値)×確率

相関係数=共分散÷(AとBの標準偏差)

上記を計算すると、相関係数は-0.97となります。

1.正しい

相関係数がマイナスであるということは、AとBのプロジェクトは逆相関にあるといことです。そのため、リスクヘッジになります。

2. 間違い

上記の計算より相関係数はマイナスです。

3. 間違い

標準偏差はリスクの大きさを表します。

Aの標準偏差は3.3 (前問より)、Bを計算すると4.5となります。

数値の大きいBがリスクが高いことになります。

4.間違い

上記の計算によりBの期待収益率は0.8%でありプラスです。

よって、正解は1

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