中小企業診断士の過去問
平成27年度(2015年)
経営法務 問23
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成27年度(2015年) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
中小企業診断士であるあなたと、東京証券取引所が運営する新興市場に上場した顧客企業のIR担当執行役員甲氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。
あなた:「今月上場されたのですよね。おめでとうございます。」
甲氏:「ありがとうございます。」
あなた:「でも、甲さんの仕事はこれからが大変ですね。上場企業となるといろいろ情報開示が求められますし。」
甲氏:「そうですね。一口に企業内容の開示といっても、法定開示、適時開示、それに任意開示があって、何か起こったときにどれに該当するかはなかなか瞬時には判断がつきません。あと、開示内容が誤っていたり虚偽記載があったりした場合の法的責任も重そうですよね。例えば有価証券報告書に虚偽記載があった場合、どのようなペナルティがありますか。」
あなた:「当局に提出して開示した有価証券報告書の重要な事項について虚偽記載があったり記載が欠けたりした場合、有価証券の発行者である会社が課徴金を国庫に納めなければなりません。課徴金の金額については、その発行会社が発行する有価証券の市場価額の総額に[ A ]を乗じて算出した額が600万円を超えなければ600万円、超えればその算出額になります。また、重要な事項について虚偽記載等のある有価証券報告書の提出会社は、流通市場における有価証券の取得者・[ B ]に対して、金融商品取引法に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。この流通市場における提出会社の損害賠償責任については、発行市場における発行会社の損害賠償責任と[ C ]、[ D ]であるとされています。さらに罰則もあります。具体的に重要な事項の虚偽記載とされる事例については、専門家のアドバイスを受けてください。」
甲氏:「ウチみたいに経営の規模が小さければ、[ E ]に対する監査の免除といった新規上場企業の負担軽減措置も受けられますが、やはり上場した以上、責任は重いのですね。」
次の①〜⑥の事項のうち、その開示が会話の中の下線部(適時開示)に当てはまるものの組み合わせとして、最も適切なものを下記から選べ。
① 業務上の提携又は業務上の提携の解消
② 会社業務における法令違反事実等の不祥事の発覚
③ 有価証券報告書、四半期報告書
④ 有価証券報告書及び四半期報告書の提出遅延
⑤ 中期経営計画
⑥ 事業報告における内部統制システムに関する取締役会決議の概要
あなた:「今月上場されたのですよね。おめでとうございます。」
甲氏:「ありがとうございます。」
あなた:「でも、甲さんの仕事はこれからが大変ですね。上場企業となるといろいろ情報開示が求められますし。」
甲氏:「そうですね。一口に企業内容の開示といっても、法定開示、適時開示、それに任意開示があって、何か起こったときにどれに該当するかはなかなか瞬時には判断がつきません。あと、開示内容が誤っていたり虚偽記載があったりした場合の法的責任も重そうですよね。例えば有価証券報告書に虚偽記載があった場合、どのようなペナルティがありますか。」
あなた:「当局に提出して開示した有価証券報告書の重要な事項について虚偽記載があったり記載が欠けたりした場合、有価証券の発行者である会社が課徴金を国庫に納めなければなりません。課徴金の金額については、その発行会社が発行する有価証券の市場価額の総額に[ A ]を乗じて算出した額が600万円を超えなければ600万円、超えればその算出額になります。また、重要な事項について虚偽記載等のある有価証券報告書の提出会社は、流通市場における有価証券の取得者・[ B ]に対して、金融商品取引法に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。この流通市場における提出会社の損害賠償責任については、発行市場における発行会社の損害賠償責任と[ C ]、[ D ]であるとされています。さらに罰則もあります。具体的に重要な事項の虚偽記載とされる事例については、専門家のアドバイスを受けてください。」
甲氏:「ウチみたいに経営の規模が小さければ、[ E ]に対する監査の免除といった新規上場企業の負担軽減措置も受けられますが、やはり上場した以上、責任は重いのですね。」
次の①〜⑥の事項のうち、その開示が会話の中の下線部(適時開示)に当てはまるものの組み合わせとして、最も適切なものを下記から選べ。
① 業務上の提携又は業務上の提携の解消
② 会社業務における法令違反事実等の不祥事の発覚
③ 有価証券報告書、四半期報告書
④ 有価証券報告書及び四半期報告書の提出遅延
⑤ 中期経営計画
⑥ 事業報告における内部統制システムに関する取締役会決議の概要
- ①、④
- ①、⑤
- ②、③
- ④、⑥
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この過去問の解説 (2件)
01
法定開示とは、金融商品取引法や会社法で義務付けられた開示です。
有価証券届出書、目論見書などの発行開示、四半期報告書などの継続開示が重要です。
適時開示については、証券取引所規則によると
1.上場会社の決定事項
業務上の提携または業務上の提携の解消
2.上場会社の発生事実
災害による損失、訴訟などです。
④報告書の提出遅延を含みます。
3.決算情報
4.業績予想、配当予想の修正など
5.その他
6.子会社の情報
したがって、①と④の組み合わせである1が正解となります。
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02
正解は、「①、④」です。
【基礎知識】
上場企業にはステークホルダーへの情報提供、不正防止等の観点からのディスクローズ等、以下の情報開示が求められます。
① 法定開示:金融商品取引法、会社法等に基づく情報開示
② 適時開示:証券取引所の規定に基づく情報開示
③ 任意開示:各会社の判断
③は各社判断になりますので、①、②を抑えることが重要です。
①は分かりやすく、有価証券報告書や四半期報告書などになります。②は種類が多く、覚えるのが大変ですが、以下のような項目があります。
全般に影響の少ないものは軽微基準と言って公開が必ず求められるものではありません。
◇上場会社の情報
・上場会社の決定事実(40項目):株式の分割や併合、新株予約権の発行、業務上の提携や提携の解消、上場廃止申請、破産手続き開始など
・上場会社の発生事実(27項目):訴訟の提起や判決など、取引先との取引停止、資源の発見、保有有価証券の含み損など
・上場会社の決算情報(2項目)
・上場会社の業績予想、配当予想の修正等(2項目)
・その他の情報(7項目)
◇子会社等の情報
・子会社等の決定事実(15項目)
・子会社等の発生事実(12項目)
・子会社等の業績の修正等(子会社等の業績予想の修正、予想値と決算値との差異等)
【選択肢評価】
① 適時開示項目になります。業務上の提携などは重要な経営情報になります。
② 適時開示項目とは言い切れません。不祥事は投資等に影響が及ぼすものについて、適時開示が求められています。つまり一定程度、企業の検討範囲になりますので、必ず適時開示と言えません。
③ 適時開示ではありません。法定開示項目です。
④ 適時開示項目です。提出遅延は適時開示に定められています。
⑤ 適時開示項目ではありません。こちらは開示している企業が多いですが、企業の判断にゆだねられています。
⑥ 適時開示項目ではありません。義務ではなく、推奨事項です。
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