中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問14
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)
機能別組織、事業部制組織、マトリックス組織の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 機能別組織は部門間で緊密な調整が必要な場合に有効であるが、安定した環境のもとで官僚制的な組織になるという短所がある。
- 事業部制組織が有効に機能するためには、トップマネジメントが業務的意思決定から解放され、戦略的意思決定と管理的意思決定に専念できるようにする必要がある。
- 事業部制組織は複数の製品―市場分野を持つ企業が、範囲の経済を実現するのに適しているが、規模の経済を追求することは難しい。
- マトリックス組織は変化の速い環境で部門間の相互依存が高い場合に有効であるが、コンフリクトや曖昧さを許容する組織文化を持たないと効果的に機能しにくい。
- マトリックス組織を効果的に管理するためには、1人の部下に対して、機能マネジャーとプロダクトマネジャーが同じ権限を持っていなければならない。
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この過去問の解説 (2件)
01
2は、事業部制組織の特長として、トップマネジメントから管理的意思決定を解放することがあります。
3は、事業部制組織だからと言って、規模の経済を追求することが難しいとは言えません。
4は、正しいです。
5は、複数のマネージャーが、同じ権限である必要はありません。
よって、4.が正解です。
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02
正解は、「マトリックス組織は変化の速い環境で部門間の相互依存が高い場合に有効であるが、コンフリクトや曖昧さを許容する組織文化を持たないと効果的に機能しにくい。」です。
【基礎知識】
組織構造の代表は以下の4つです。それぞれの概要と特徴を見ていきます。
①機能別組織
(概要)営業、製造など機能ごとに組織を切り分ける。
(メリット)
・機能ごとに切り分けられているため、専門性を高めやすい
・トップに権限が集中され、トップは広い情報から判断が可能
・日常の運用に関する判断は各機能で行うため、トップは全社的意思決定に集中が可能等
(デメリット)
・管理者の負担が増加
・組織間異動がしにくい
・機能間のセクショナリズム
②事業部制組織
(概要)ある一定の事業に必要な機能が集まり、事業部を構成する組織。地区別、商品別、顧客別などで構成
するケースが多い。
(メリット)
・事業部は利益責任単位(プロフィットセンター)として機能し、管理者の能力が高めや
すく、経営者候補を育てやすい
・意思決定の迅速化(事業部で判断する裁量を与えられるため)
・トップは業務的管理から経営的管理に視点を移せる
(デメリット)
・事業部間の機能重複
・短期的利益の追求やセクショナリズムの発生
③マトリックス組織
(概要)事業部制と機能別組織の組み合わさった形態。例えば、営業部に属しながら、顧客別事業部にも属するような形態です。製造部門に属しながら、新製品開発のプロジェクトに参画するなどもできる。
(メリット)
・プロジェクト組織に属することで、目標が明確化される
・人材等のリソースの有効活用が可能
・円滑な情報伝達が可能
(デメリット)
・指示系統が複雑
・指示内容の矛盾、衝突
誤り。
記載のような部門間での緊密な調整が必要な場合、機能別組織では部が機能ごとで別れるため、調整しにくいです。
事業部制組織の場合、部門間が事業部の中に入るため、設問のようなメリットがあります。
誤り。
事業部制組織では、経営者候補を育てることができます。これは戦略的意思決定に集中できるためです。
よって記載の管理的意思決定は下位部門に任せるべきです。
誤り。
事業部制組織では利益責任単位として機能するため、他事業部等の管理範囲などを含めた範囲の経済が発揮しにくい傾向にあります。
規模の経済は実現できる可能性があります。
正しい。
柔軟な体制を構築でき、様々な機能を融合することがしやすい反面、2組織からの指示など、一定の許容が必要となります。
誤り。
同じ権限であると、両方から方向性が異なる指示等がなされた場合に混乱を招きます。
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