中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問15

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

企業組織における並列的部門間関係は、プールされた(pooled)相互依存、連続的(sequential)相互依存、相互補完的(reciprocal)相互依存の3つのタイプに分けられる。これらの部門間関係と組織編成に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 相互補完的依存関係にある部門間では、頻繁なチームワークによる調整が必要になるため、各部門が同じ規則や手続きに従って行動するよう事前に調整しておく必要がある。
  • 相互補完的依存関係にある部門間の調整は、同じ専門能力を共有するために、各部門の管理者が直接顔を合わせて水平方向のコミュニケーションを頻繁に行う必要がある。
  • プールされた相互依存関係にある部門間では、仕事は基本的にそれぞれの部門内で独自の規則や手続きに従って処理できるため、3つの相互依存関係の中で最も調整の必要性が低い。
  • 連続的相互依存関係にある多くの部門間では、事前の計画やフィードバックコントロールによる調整が必要になる。
  • 連続的相互依存関係にある部門間調整には、水平的なコミュニケーションの必要性が高いので、部門間で共通した規則や手続きに従って業務を遂行する必要がある。

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この過去問の解説 (2件)

01

1は、連続的相互依存関係の説明です。
2は、補完的関係で必要になるのは、異なる専門能力です。
3は、選択肢の内容自体は正しそうですが、3つの相互依存関係の中で最も調整の必要性が低い。と言い切ることは難しいと考えます。
4は、正しいです。
5は、連続的依存関係は、垂直的なコミュニケーションを必要とします。

よって、4.が正解です。

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02

正解は「連続的相互依存関係にある多くの部門間では、事前の計画やフィードバックコントロールによる調整が必要になる。」です。

【基礎知識】

企業組織における並列的部門間関係とは、要は「部門間がどういった関係にあるか」ということです。

その関係性を3つに分けています。

①プールされた(pooled)相互依存

 ・一番組織間の関係が緩いもの。

  例えば地域別の組織など。それぞれの組織間の相互依存度は低くなります。

②連続的(sequential)相互依存

 ・業務のプロセスで切り分けられた組織。

  例えば購買部門→生産部門→販売部門などのように一連のつながりになっているような場合。

  次の組織に連携していくため、情報の共有やスケジュールの確認など、情報連携が重要。

③相互補完的(reciprocal)相互依存

 ・役割を相互に補完しあっており、相互依存度は高い。

  例えば、開発部門と生産部門などのように、密接な情報交換が必要となる。

選択肢1. 相互補完的依存関係にある部門間では、頻繁なチームワークによる調整が必要になるため、各部門が同じ規則や手続きに従って行動するよう事前に調整しておく必要がある。

誤り。相互補完の場合は、組織のアウトプットを次の組織が利用するといった関係のため、組織間で情報の交換は必要であるが、緊密な調整は不要です。

選択肢2. 相互補完的依存関係にある部門間の調整は、同じ専門能力を共有するために、各部門の管理者が直接顔を合わせて水平方向のコミュニケーションを頻繁に行う必要がある。

誤り。相互補完的相互依存の場合、別の専門能力をもって補完しあいます。

選択肢3. プールされた相互依存関係にある部門間では、仕事は基本的にそれぞれの部門内で独自の規則や手続きに従って処理できるため、3つの相互依存関係の中で最も調整の必要性が低い。

誤り。

前半は正しい記述です。

後半の「最も調整の必要性が低い」とまでは言い切れませんが、かなり正解に近い選択肢です。

選択肢4. 連続的相互依存関係にある多くの部門間では、事前の計画やフィードバックコントロールによる調整が必要になる。

正しい。

連続的相互依存、例えば(材料の)購買部門と生産部門のような関係です。

材料仕入れの計画がわからないと生産の計画が立てれませんし、生産後にどれぐらい材料が余っているかなどの情報を生産部門から購買部門にフィードバックしないとわかりません。

選択肢5. 連続的相互依存関係にある部門間調整には、水平的なコミュニケーションの必要性が高いので、部門間で共通した規則や手続きに従って業務を遂行する必要がある。

誤り。部門間の調整においては、垂直的なコミュニケーションを必要とします。

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