中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問16

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

官僚制の逆機能といわれる現象に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
  • 革新的な計画に抵抗するために、日常のルーティン対応を探し求める、グレシャムの法則。
  • 規則や手続きそのものを絶対視するような態度が、杓子(しゃくし)定規な画一的対応を生み出す、形式主義。
  • 組織全体の利益よりも、自分が所属する部局の利益を優先する、セクショナリズム。
  • 膨大な手続きと書類作成に煩わされる、繁文縟礼(はんぶんじょくれい)。
  • 本来は手段にすぎない規則や手続きが目的に転じてしまう、目的置換。

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この過去問の解説 (2件)

01

2、3、4、5は正しいです。
1のグレシャムの法則とは、革新的よりも日常に関する意思決定を優先的に処理する傾向のことを言います。
一見合っていそうですが、革新的な計画への抵抗を意味するものでは無いため、正しいとは言えません。

よって、1.が正解です。

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02

正解は、「革新的な計画に抵抗するために、日常のルーティン対応を探し求める、グレシャムの法則。」です。

【基礎知識】

官僚的な組織は、以下の原則に基づいて構築され、非常に効率的な運営が可能と言われています。

 ・標準化:決まったルール、手続き

 ・階層化:権限の上、下が決まっており、意思決定がきっちりとなされる

 ・没人格性:誰でも業務遂行が可能

しかし、上記の原則により、逆にデメリットが発生すると考えたのが「官僚制の逆機能」です。

官僚制の逆機能には以下のようなものがあります。

 ・規則万能:自分で考えない、規則にないと決められない

 ・責任回避:意思決定をしない

 ・秘密主義

 ・保守的、画一的思考:ルールに基づき、過去と同じことを繰り返す

 ・繁文縟礼(はんぶんじょくれい):手続きが煩わしいこと。

 ・権威主義

 ・セクショナリズム:担当以外は興味を示さないなど

選択肢1. 革新的な計画に抵抗するために、日常のルーティン対応を探し求める、グレシャムの法則。

誤り。グレシャムの法則とは金の含有量の多い良貨と少ない悪貨があった場合、良貨は輸出など売却されて、悪貨が残ることを言います。ここから、ルーティン業務(悪貨)に追われて長期的業務(良貨)が重要視されないことを言います。

選択肢2. 規則や手続きそのものを絶対視するような態度が、杓子(しゃくし)定規な画一的対応を生み出す、形式主義。

正しい。規則万能の考え方になります。

選択肢3. 組織全体の利益よりも、自分が所属する部局の利益を優先する、セクショナリズム。

正しい。官僚制の逆機能の一つです。

選択肢4. 膨大な手続きと書類作成に煩わされる、繁文縟礼(はんぶんじょくれい)。

正しい。官僚制の逆機能の一つです。

選択肢5. 本来は手段にすぎない規則や手続きが目的に転じてしまう、目的置換。

正しい。手続きを行うことが目的になることです。これも官僚制の逆機能の一つです。

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