中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問19
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
企業は比較的規模が小さい創業段階から成長して規模が大きくなるためには、一般に成長段階に応じて異なる経営上の課題を解決していかなければならない。組織の成長段階と克服すべき課題や有効性に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 企業が多数の機能部門を持つような規模に成長すると、経営者は次第に業務的決定から離れ、規則や手続きを整備し官僚制的な組織構造を構築する必要が生じる。
- 強力なリーダーシップを持つ企業家によって設立された企業は、必要な資源を獲得するために資本家や顧客、労働者、供給業者などから正当性を獲得する必要がある。
- 創業段階を経て環境との安定的な関係の構築に成功した企業では、経営者は非公式なコミュニケーションを通じた統制から、次第に権限を委譲しつつ、公式の統制システムを構築しなければならない。
- 組織の公式化が進み官僚制の逆機能が顕在化した段階では、公式の権限に依拠した規則や手続きをより詳細に設計しなければならない。
- 単一製品・単一機能で創業した小規模企業が、経営資源を有効に活用するために垂直統合戦略を採用した場合、集権的な機能別組織へ移行する必要がある。
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この過去問の解説 (2件)
01
4は、官僚制の逆機能の対策として有効なことは、非公式コミュニケーションの活性化になりますので、誤りです。
よって、4.が正解です。
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02
正解は、「組織の公式化が進み官僚制の逆機能が顕在化した段階では、公式の権限に依拠した規則や手続きをより詳細に設計しなければならない。」です。
【基礎知識】
組織のライフサイクルでは4段階で成長していきます。段階ごとに課題があり、対応していく必要があります。
①企業者段階
(概要)組織の誕生段階。経営資源は乏しく、トップが経営資源を確保したり、メンバーを強いリーダーシップでけん引していく必要がある。次の段階に向かうにつれ、メンバーの管理も重要になってくる。
(課題)リーダーシップの発揮、経営資源不足
(対策)経営者、創業者のリーダーシップの発揮・経営資源確保
②共同体段階
(概要)リーダー一人のような状態から、少しずつメンバーが増えていく段階。
(課題)メンバーの増加に伴う権限、責任の分化。トップがすべてに携わることが困難になってくる
(対策)権限委譲
③公式化段階
(概要)組織が分化し、制度などが整いだして、官僚的な組織が構築されていく。
(課題)官僚制の逆機能が見え始める
※官僚制の逆機能
・規則万能:自分で考えない、規則にないと決められない
・責任回避:意思決定をしない
・秘密主義
・保守的、画一的思考:ルールに基づき、過去と同じことを繰り返す
・繁文縟礼(はんぶんじょくれい):手続きが煩わしいこと。
・権威主義
・セクショナリズム:担当以外は興味を示さないなど
(対策)官僚制の逆機能の打破、プロジェクトの立ち上げなど
④精巧化段階
(概要)官僚制の逆機能を克服し、環境変化へ新たな対応を始める段階。
(課題)組織成長の停止、柔軟性の欠如
(対策)小規模組織による柔軟性向上など
正しい。
共同化から公式化に向かう段階です。
組織を管理していくための制度・ルールが整備され、官僚制へと向かう時期です。
ここを超えると、官僚制の逆機能が出てきます。
正しい。
企業化の段階です。
創業者による経営資源の確保が必要となります。
正しい。
創業者と密接なメンバーでの非公式組織から、公式な組織を構築していく段階です。
誤り。
規則、手続きをより詳細にしていくことは、官僚制を推し進めることになります。
プロジェクト組織の立ち上げなど、柔軟性を持たせるようマネジメントしていくことが必要です。
正しい。
創業から必要に応じて垂直統合した場合は、製造→販売といった形で機能別組織で管理していくことができます。
製品が複数にわたる場合などは製品別の組織等も考えられます。しかし、単一商品をさらに垂直的に強化していることから、機能別に分けることが望ましいです。
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