中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問20
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
現代の複雑な環境においては、確率的に計算しうるリスク管理を超えて、不測の事態に備える危機管理(クライシス・マネジメント)が重要になってきている。一般に危機が発生すると、まず最初に危機管理チームが編成され、危機管理センターが設置される。組織の危機管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 危機管理チームと危機が起きている現場とのコミュニケーションが確保できれば、危機管理チームは現場に対し、何を行うべきかだけでなく、いかに行うべきかについても集権的に意思決定することが望ましい。
- 危機管理チームは、時間の切迫と過重な負荷の中で迅速に意思決定をしなければならないために、組織内の諸資源を十分な自由裁量を持って動員する権限を持つ必要がある。
- 危機管理チームは、問題の技術的局面を解決できる役員の他に、社長や法務担当・広報担当役員などのトップマネジメント、時には外部のコンサルタントなども含めて構成する必要がある。
- 危機発生時には通常の情報伝達システムが破壊されている場合が多いので、常に情報伝達が途絶しないよう注意し、状況に変化があった場合はもちろん、変化がない場合にもその旨を伝える情報を提供し、従業員の心的緊張を和らげるようにすべきである。
- 組織内の通常の情報伝達システムが遮断されている場合には、危機管理センターを中心として、危機管理にかかわる関係者の連絡先や、必要データの入手先などの情報ネットワークを迅速に確保する必要がある。
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この過去問の解説 (2件)
01
1は、危機発生時における現場対応として、平常時とは異なる方法を、多々求められることも考えられます。
そのような環境で、やり方までも集権的に意思決定を行うことは、対応の遅延につながり、危機管理に合わないため、誤りです。
よって、1.が正解です。
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02
正解は「危機管理チームと危機が起きている現場とのコミュニケーションが確保できれば、危機管理チームは現場に対し、何を行うべきかだけでなく、いかに行うべきかについても集権的に意思決定することが望ましい。」です。
【基礎知識】
リスクマネジメントは実際に起こりうるリスクについて、その発生可能性を引き下げていく取り組みです。
クライシスマネジメントは実際に発生した危機に対して、どう対応していくか、二次被害を防ぐことを目的とした取り組みです。
クライシスマネジメントは、段階に応じて以下のように分けることができます。
①準備段階
まだ危機は起きていない段階で、危機が発生した場合の対応についてマニュアルなどに落とし込んでおきます。
当然発生した段階ではパニックになっていますので、訓練などを通じて対応力を上げておく必要があります。
このように危機発生時の対応等について取りまとめたものを「クライシスマネジメントプラン」といいます。
②対処段階
実際に危機が発生した段階です。組織を立ち上げ、情報の収集を行う必要があります。
対処には急を要するため、できる限り現場などに権限を付与し、迅速に判断できる体制を構築する必要があります。
特にこの段階では以下の2点が重要です。
・情報の収集、共有する仕組み構築
・迅速な対応
③回復段階
危機が去ったあとの段階です。再発防止等、リスクマネジメントにつなげていきます。
誤り。情報を集約していくことは正しいですが、すべてを集権的にするのではなく、一定の権限を現場に付与して迅速な対応を進めていく必要があります。
正しい。危機管理チームには迅速な判断のために一定の権限を付与します。
正しい。極力幅広く人材を集め、多様な視点から状況を分析できるようにしておく方が効果的です。
正しい。情報の共有は組織が機能する大前提です。安心感の醸成にもつながります。
正しい。情報のネットワークの構築は重要な取り組みになります。
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