中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問36
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
①マーケティング概念は、今日に至るまで複数の②段階を経て発展してきたとフィリップ・コトラーは指摘している。近年のマーケティングを取り巻く環境は、私たちが暮らす社会における問題解決が強く求められている点に特徴づけられる。③複雑化する世界における社会・経済的な適切さとは何か。環境面における望ましさとは何か。現代におけるマーケティング活動の実践においては、こうした点を事業のミッションやビジョン、価値の中核に据えることがますます重要になってきていると考えられている。
文中の下線部③と関連する記述として、最も適切なものはどれか。
①マーケティング概念は、今日に至るまで複数の②段階を経て発展してきたとフィリップ・コトラーは指摘している。近年のマーケティングを取り巻く環境は、私たちが暮らす社会における問題解決が強く求められている点に特徴づけられる。③複雑化する世界における社会・経済的な適切さとは何か。環境面における望ましさとは何か。現代におけるマーケティング活動の実践においては、こうした点を事業のミッションやビジョン、価値の中核に据えることがますます重要になってきていると考えられている。
文中の下線部③と関連する記述として、最も適切なものはどれか。
- CSRは、法令遵守を中核とする受動的な考え方であり、その中において企業の社会的責任が、本業と関連性のないチャリティとして遂行されるとする考え方である。
- かつて近江商人の間で実践されていた「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)の考え方は、CSV(Creating Shared Value)の基本コンセプトであるポジショニング概念の基礎となった。
- ソサイエタル・マーケティング(societal marketing)の考え方に従うと、マーケターは企業の利益を最大化することで、地域社会や国民経済への貢献を図ることが求められている。
- マイケル・ポーターが提唱するCSV(Creating Shared Value)の考え方は、社会的価値と経済的価値の両立をうたうものであり、高い収益性の実現を重視するものである。
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この過去問の解説 (2件)
01
CSRは企業の社会的責任を意味します。企業によっては事業と直接関係のない取り組みがなされることもありますが、必ずしも「本業と関連性のないチャリティとして遂行される」わけではありません。
項番2:不適切です。
非常に近い考え方ではありますが、「三方よし」の考え方は、CSVのポジショニング概念の基礎となったわけではありません。
項番3:不適切です。
ソサイエタル・マーケティングの考え方は、地域社会や国民経済への貢献までを考えたマーケティング活動を指します。企業の利益を最大化する以前から、地域社会や国民経済への貢献まで考慮されます。
項番4:適切です。
記述の通りです。
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02
正解は、「マイケル・ポーターが提唱するCSV(Creating Shared Value)の考え方は、社会的価値と経済的価値の両立をうたうものであり、高い収益性の実現を重視するものである。」です。
【基礎知識】
〇CSV(Creating Shared Value)とCSR(Corporate Social Responsibility)の考え方の違い
< CSV >
・企業の経済的価値と社会的価値は同時に実現できる
・企業利益と公共の利益は両立する
< CSR >
・企業は社会で存在していくにあたり果たすべき責任を持つ
・企業利益と公共の利益はトレードオフ
以上のように、CSVは社会的価値(環境問題や貧困問題等の解決)を企業が追及することがイノベーションを生み出し、企業の利益につながると考えます。
一方、CSRは企業の社会的な責任として、社会的価値やコンプライアンスなどへ取り組むことを求めており、企業の利益の追求と異なる活動としてとらえています。
CSVの背景には、「ポーター仮説」と呼ばれる環境規制を強化するほど技術革新を起こし、企業の国際競争力は高まるという考え方があります。
誤り。CSRは企業の社会的責任を企業が存在するために求めています。チャリティとして遂行するわけではありません。
誤り。三方良しの考え方と似ていますが、CSVの背景にある考え方はポーター仮説になります。
誤り。
ソーシャルマーケティングとはビジネスにおけるマーケティングの考え方を社会全体の利益を追求するために適用し、問題の解決を図ることです。
利益を最大化することで地域等に貢献するわけではありません。
正しい。記載の通りです。社会的課題の解決が企業の競争力を高めていきます。
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