中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問38

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

多くの消費者の支持を得ることができた①ブランドをどのように管理し、成長させていくかは、企業収益を左右する重要な課題である。②ブランド開発戦略として説明されているように、例えば、同じブランド名を用いて、同じカテゴリーに形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を導入する( A )や異なるカテゴリーの新製品を導入する( B )がとられる。
同一ブランドでのさらなる市場浸透策が難しいと判断される場合には、同じカテゴリーに新ブランドを展開する( C )や、他社との共同開発という形をとり、自社のブランド名と他社の人気ブランド名の2つを同一製品で用いる( D )が検討される。

文中の下線部①の「ブランド」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 自社ブランドが「拒否集合」に入っている場合、消費者は購買か非購買かの判断に必要な情報を持っていない。
  • 製品ライフサイクルの考えに基づけば、成長期に入ったブランドは、急速に市場に受け入れられ、その売上・利益ともに増えるため、企業はセールス・プロモーション活動を抑制してもよい。
  • 人は自分のパーソナリティに合うブランドを選ぶ傾向があるため、多くの有名ブランドは、「洗練」、「興奮」、「誠実」など、明確なブランド・パーソナリティの構築に努めている。
  • ブランド担当者は、顧客獲得を巡り、同じカテゴリーにおいて他社とのブランド間競争に、集中して対処する必要がある。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

項番1:不適切です。
ブランド・カテゴライゼーションの考え方において、拒否集合の段階にある場合、消費者は、購買か非購買かの判断に必要な情報を持っています。

項番2:不適切です。
成長期に入ったブランドは、必ずしもセールス・プロモーション活動を抑制して良いわけではありません。

項番3:適切です。
記述の通りです。多くの有名ブランドは、明確なブランド・パーソナリティの構築に努めています。

項番4:不適切です。
設問文の記述にある通り、同じカテゴリー内の他社とのブランド間競争はもちろん重要となりますが、異なるカテゴリーが顧客にとって代替品になる可能性などを考慮すると、同カテゴリー内の競争のみに集中することは正しいとは言えません。

参考になった数17

02

正解は、「人は自分のパーソナリティに合うブランドを選ぶ傾向があるため、多くの有名ブランドは、「洗練」、「興奮」、「誠実」など、明確なブランド・パーソナリティの構築に努めている。」です。

【基礎知識】

ブランドは顧客にどのように受け入れられているかでブランドイメージなどが決まってきます。

〇ブランドカテゴリー

消費者は以下の段階でブランドを判断しています。

企業は第1想起に入ることが目標となります。

第1想起とは、最初に購買候補に挙がるブランドのことです。

入手可能性

知名段階: 知っている/知らない

処理段階: 情報アリ/情報ナシ

考慮段階: 想起集合(購買候補)/保留集合/拒否集合 (非購買)

選考段階:  第1想起/その他

仮に第1想起に入ったとしても、ブランドを維持していくための継続的な努力が必要です。

〇ブランドパーソナリティ

消費者はブランドに対してイメージを持っています。評価には以下の方法があります。

・ディメンションフレームワーク:誠実、刺激、能力、洗練、頑丈なの軸で評価

・アーキタイプフレームワーク:お人好し、賢明な人、探検家などイメージを細分化。

選択肢1. 自社ブランドが「拒否集合」に入っている場合、消費者は購買か非購買かの判断に必要な情報を持っていない。

誤り。考慮段階であり、処理段階(情報アリ)を経ています。

選択肢2. 製品ライフサイクルの考えに基づけば、成長期に入ったブランドは、急速に市場に受け入れられ、その売上・利益ともに増えるため、企業はセールス・プロモーション活動を抑制してもよい。

誤り。ブランド維持のために継続的な努力が必要です。

選択肢3. 人は自分のパーソナリティに合うブランドを選ぶ傾向があるため、多くの有名ブランドは、「洗練」、「興奮」、「誠実」など、明確なブランド・パーソナリティの構築に努めている。

正しい。ディメンションフレームワークによるブランドパーソナリティのことです。

選択肢4. ブランド担当者は、顧客獲得を巡り、同じカテゴリーにおいて他社とのブランド間競争に、集中して対処する必要がある。

誤り。

他のカテゴリーで顧客を囲い込まれると、別のカテゴリーでも効果を発揮するのがブランドです。

例えば、パソコンからスマホまでの囲い込んでいるアップル社に対抗して、パソコンだけで競争しても顧客を獲得するのは難しいです。

参考になった数5