中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問39
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問39 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
多くの消費者の支持を得ることができた①ブランドをどのように管理し、成長させていくかは、企業収益を左右する重要な課題である。②ブランド開発戦略として説明されているように、例えば、同じブランド名を用いて、同じカテゴリーに形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を導入する( A )や異なるカテゴリーの新製品を導入する( B )がとられる。
同一ブランドでのさらなる市場浸透策が難しいと判断される場合には、同じカテゴリーに新ブランドを展開する( C )や、他社との共同開発という形をとり、自社のブランド名と他社の人気ブランド名の2つを同一製品で用いる( D )が検討される。
文中の下線部②の「ブランド開発戦略」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
多くの消費者の支持を得ることができた①ブランドをどのように管理し、成長させていくかは、企業収益を左右する重要な課題である。②ブランド開発戦略として説明されているように、例えば、同じブランド名を用いて、同じカテゴリーに形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を導入する( A )や異なるカテゴリーの新製品を導入する( B )がとられる。
同一ブランドでのさらなる市場浸透策が難しいと判断される場合には、同じカテゴリーに新ブランドを展開する( C )や、他社との共同開発という形をとり、自社のブランド名と他社の人気ブランド名の2つを同一製品で用いる( D )が検討される。
文中の下線部②の「ブランド開発戦略」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 既存のブランド名を用いて、異なるカテゴリーの新製品を導入することは、当該ブランド名が元の製品カテゴリーと強い結びつきを有している場合には、容易である。
- 同一製品カテゴリーにおいて新しいブランド(群)を適正規模で展開することは、顧客セグメントごとの細かなニーズへの対応を可能にする。それは、製品特徴を際立たせるための有効な手段となる。
- 同一ブランド名で形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を同じカテゴリーに導入することにより、小売店頭でより大きなシェルフスペースを確保できたり、バラエティを望む消費者のニーズに応えられたりするので、一般的に、リスクのない新製品導入の方法といえる。
- ブランドは顧客からの長期的な愛顧を目指すものであるため、同一製品カテゴリーであれ、異なる製品カテゴリーであれ、積極的な新ブランドの開発は一般的に、経営資源の効率的な活用につながる。
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この過去問の解説 (2件)
01
既存のブランド名を用いて、異なるカテゴリーの新製品を導入する際に、当該ブランド名が元の製品カテゴリーと強い結びつきを有している場合、消費者のイメージが元の製品カテゴリーを連想させるため、容易ではありません。
項番2:適切です。
記述の通りです。
項番3:不適切です。
小売店頭でより大きなシェルフスペースを確保するためには、異なるブランド名を同じカテゴリーに導入するマルチブランド戦略が有効となります。
項番4:不適切です。
ブランドの開発や育成には多大なコストが発生します。そのため新ブランドの開発は、一般的に経営資源の効率的活用につながるとは言えません。
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02
正解は、「同一製品カテゴリーにおいて新しいブランド(群)を適正規模で展開することは、顧客セグメントごとの細かなニーズへの対応を可能にする。それは、製品特徴を際立たせるための有効な手段となる。」です。
【基礎知識】
◆ブランド基本戦略(コトラー)
①ブランド名が既存、製品カテゴリーも既存の場合
ライン拡張:マクドナルドの季節メニューなど
同顧客にアピールできるというメリットがあります。
②ブランド名が既存、製品カテゴリーは新規の場合
ブランド拡張:YAMAHAによる楽器、バイクなど
ブランド知名度を活用できるというメリットがあります。
③ブランド名が新規、製品カテゴリーは既存の場合
マルチブランド:ユニクロとGUなど
違うターゲットを狙わないとカニバリゼーション(共食い)の恐れがあります。
④ブランド名が新規、製品カテゴリーも新規の場合
新ブランド:P&Gのボールド、ファブリーズなど
誤り。元の製品カテゴリーではなく、「異なる製品カテゴリーと結びつきが強ければ」です。
正しい。マルチブランド戦略のことです。同一カテゴリーに新ブランドを投入することで既存ブランドとの違いが明確になったり、微妙に異なるニーズの消費者を取り込むことができます。
誤り。この選択肢は一見正しく見えるので注意が必要です。
ライン拡張戦略のことを言っています。
メリットは既存資源の活用や、販売棚の増加、低リスクでの新製品導入です。
デメリットは既存製品とのカニバリやブランドイメージとの乖離などです。
最後の文章の“リスクのない”という部分が誤りになります。
誤り。新ブランドの統制のない投入はブランドイメージを悪化させる可能性もあるため、慎重に進める必要があります。ブランド維持にはコストがかかりますので、ブランドの乱投入は維持のためのコストを引き上げるなど、経営資源を無駄に使う可能性が出てきます。
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