正解は、「同一製品カテゴリーにおいて新しいブランド(群)を適正規模で展開することは、顧客セグメントごとの細かなニーズへの対応を可能にする。それは、製品特徴を際立たせるための有効な手段となる。」です。
【基礎知識】
◆ブランド基本戦略(コトラー)
①ブランド名が既存、製品カテゴリーも既存の場合
ライン拡張:マクドナルドの季節メニューなど
同顧客にアピールできるというメリットがあります。
②ブランド名が既存、製品カテゴリーは新規の場合
ブランド拡張:YAMAHAによる楽器、バイクなど
ブランド知名度を活用できるというメリットがあります。
③ブランド名が新規、製品カテゴリーは既存の場合
マルチブランド:ユニクロとGUなど
違うターゲットを狙わないとカニバリゼーション(共食い)の恐れがあります。
④ブランド名が新規、製品カテゴリーも新規の場合
新ブランド:P&Gのボールド、ファブリーズなど
選択肢1. 既存のブランド名を用いて、異なるカテゴリーの新製品を導入することは、当該ブランド名が元の製品カテゴリーと強い結びつきを有している場合には、容易である。
誤り。元の製品カテゴリーではなく、「異なる製品カテゴリーと結びつきが強ければ」です。
選択肢2. 同一製品カテゴリーにおいて新しいブランド(群)を適正規模で展開することは、顧客セグメントごとの細かなニーズへの対応を可能にする。それは、製品特徴を際立たせるための有効な手段となる。
正しい。マルチブランド戦略のことです。同一カテゴリーに新ブランドを投入することで既存ブランドとの違いが明確になったり、微妙に異なるニーズの消費者を取り込むことができます。
選択肢3. 同一ブランド名で形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を同じカテゴリーに導入することにより、小売店頭でより大きなシェルフスペースを確保できたり、バラエティを望む消費者のニーズに応えられたりするので、一般的に、リスクのない新製品導入の方法といえる。
誤り。この選択肢は一見正しく見えるので注意が必要です。
ライン拡張戦略のことを言っています。
メリットは既存資源の活用や、販売棚の増加、低リスクでの新製品導入です。
デメリットは既存製品とのカニバリやブランドイメージとの乖離などです。
最後の文章の“リスクのない”という部分が誤りになります。
選択肢4. ブランドは顧客からの長期的な愛顧を目指すものであるため、同一製品カテゴリーであれ、異なる製品カテゴリーであれ、積極的な新ブランドの開発は一般的に、経営資源の効率的な活用につながる。
誤り。新ブランドの統制のない投入はブランドイメージを悪化させる可能性もあるため、慎重に進める必要があります。ブランド維持にはコストがかかりますので、ブランドの乱投入は維持のためのコストを引き上げるなど、経営資源を無駄に使う可能性が出てきます。